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遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

ASEAN首脳会議 オバマ不在で習近平が存在感アップと言うが

2013-10-10 23:05:15 | 中国 全般
 APEC首脳会議ではオバマ大統領が欠席したことで、習近平が活発な活動を展開し存在感を強めたと、日本のメディアはこぞって報道しています。オバマ氏自身が、欠席したのは失敗だと言い出す始末ですから、米国でも同様の見方がなされているのでしょう。
 前回のウラジオストクに続いて2回連続での欠席ですから、アジアに注力というのは口先だけだとか、どこかの国のお先棒をかつぐ記事もみられました。
 いいえ、ASEAN諸国は、そんなに単純ではありません。その昔、大国の植民地の歴史を経験した国々は、大国の間でしっかり国益を勝ち取る術は根深く身に着けているのです。
 

中国ASEANに融和姿勢 「南シナ海」念頭 友好条約を提唱 (10/10 読売朝刊)

 【バンダルスリブガワン(ブルネイ)=牧野田亨、石崎伸生】中国の李克強首相は9日、当地で開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN、10か国)との首脳会議で、双方の「善隣友好協力条約」の締結を呼びかけた。日米が中国けん制を狙ってASEANへの関与を強めようとするなか、経済関係強化も交え、「良き隣人」としての融和姿勢を前面に押し出したものだが、ASEAN側の警戒感はぬぐい切れていない
<中略>

 
今年は双方の戦略的パートナー関係樹立から10周年で、李首相はこの間に貿易額が年平均23.6%増え、投資額は3.4倍になったことを紹介。「信頼を絶えず深め、善隣友好を維持してきた結果だ」と自賛した。
 李首相の姿勢は、南シナ海問題を「双方の協力関係の大局に影響させない」とする習近平政権の外交方針を具体化したものだ。
 南シナ海問題が拡大すれば、アジア重視政策を掲げる米国のさらなる介入を招きかねない。中国が9月、南シナ海での各国の行動を法的に拘束する「行動規範」策定に向けた高官協議に応じたのも、「今回のASEAN関連会議でこの問題が焦点になるのを避けるため」(中国同行筋)だった。
 9日の日本とASEANの首脳会議では、東シナ海で沖縄県・尖閣諸島を巡って中国と対立する
日本の安倍首相が、南シナ海での「力による現状変更の動き」を懸念すると語った
。中国の融和姿勢は、フィリピンなどと連携しようとする日本の動きも影響している。
 ただ、
条約締結の提案もASEAN側の懸念払拭には至っていない
。レ・ルオン・ミンASEAN事務局長は会議後、条約について「詳細について検討していく」としか語らなかった。あるASEAN外交筋は「何が狙いなのか、まだ判断できない」といぶかる。
 
フィリピンのアキノ大統領は9日のASEAN首脳会議で、中・ASEANが2002年に法的拘束力のない「行動宣言」を採択した経緯に触れ、「我々は(当時も)行動規範を目指したが、失敗したのだ」と指摘。表面的な融和ムードに流されないようクギを刺した

 別の外交筋は、中国が10加盟国中、フィリピンとだけ首脳会談に応じないなど、ASEAN分断工作ともとれる行動を続けていることを念頭に、「
中国は言葉と実際の行動が違うことが多すぎる」と述べた。

 ASEAN諸国は、アジアで一つの大国が覇権を握ることは嫌います。従って、中国の南シナ海やメコン川等での我が物顔での利権独占行動に対し、警戒感を抱き、米国の関与を歓迎しています。日本にも、中国とのアジアでの双璧としての役割を期待しています。
 ASEAN諸国の中で、中国の旗色を鮮明にしているのは、カンボジアしかいないとの説もあります。
 習近平も資源外交優先で、李克強ともどもASEAN諸国訪問は、現職に就任以来今回が初めてなのですから、いばれたものではありませんね。
 
宮崎正弘の国際ニュース・早読み(アジアに孤立する習近平) [宮崎正弘の国際ニュース・早読み] - メルマ!

 シリアの生物兵器使用に対する対応以来、オバマ大統領の指導力が問われ始めて、米国の沈滞がささやかれる中、中国がその間隙を着くように台頭する構図が、今回のオバマ欠席で、アジアでも強まったと言われています。
 ただ、その中国も国内では多くの社会問題を抱え、政府への不満が何時爆発するかが懸念される現状ですね。
 そして、習近平の政権体制はいまだ安定せず、習近平・太子党(含軍のお友達)、江沢民・上海派、胡錦濤・共青団の綱引きは今も続いています。
 共青団の現在の旗頭・李克強が、習近平の独走を止める言動を開始したというのです。
 

習主席と李首相の同床異夢 (10/10 産経 【石平のChina Watch】)

 10月1日は中国の「国慶節」、つまり建国記念日だ。人民日報の1面は恒例の祝賀社説を掲載したが、そのタイトルはずばり、「現代中国のために夢の力を結集せよ」である。昨年11月の習近平政権発足以来、習国家主席自ら言い出した「中国夢」というスローガン
は今や政権の最大のキャッチフレーズとなっている。習主席自身が日々念仏のように唱えている以外に、全国の宣伝機関を総動員して一大宣伝キャンペーンを行い、国民への浸透を図っている。
 上述の人民日報社説は、まさに「中国夢」の宣伝キャンペーンに沿ったものである。社説は習主席の言葉を引用しながら「中国夢」の「偉大なる歴史的・未来的意義」を熱っぽく語り、「夢」という言葉を連呼してテンションを上げている。「習主席による、習主席のため」の提灯(ちょうちん)論説そのものである。

 だが、同じ1日付の人民日報の2面に掲載されている一通の講話は、それとは趣をまったく異にしている。
 9月30日、中国国務院は国慶節のための祝賀会を催した。そこで祝辞を述べたのは国務院総理(首相)の
李克強
氏である。翌日の人民日報に掲載された祝辞の全文を読むと、中国政治に敏感な読者なら誰もが、その異様さに気付いたはずであろう。
 前述の人民日報社説とは打って変わって、李首相の祝辞は習主席の
「中国夢」に極めて冷淡な態度を示しているからである。習主席自身も祝賀会に出席している中で、李首相がこのキャッチフレーズに触れたのは祝辞の最後の一度だけだ。それは、目の前にいる習主席への最低限の配慮であるにすぎない。祝辞全文を読めば、李首相が注目しているのは社会的不公正の是正など現実的な問題であって、「民族の偉大なる復興」などの壮大なる「夢」にはまったく興味がない
ことは明白である。
 内部の分裂をできるだけ外部に見せないという秘密主義の指導体制の中で、李首相の祝辞はむしろ、
許されるギリギリの線で自分と習主席との考えの違いを明らかにした
ものだ。共産党最高指導部内の同床異夢は、もはや隠しようのない事実である。
 「中国夢」にそっぽを向いた代わりに、
李首相が祝辞の中でわざと言及したのは「科学的発展観」である。「科学的発展観」というのは、胡錦濤前国家主席が提唱した政策理念の集約語で、胡錦濤政権の一枚看板である。それが後にトウ小平理論や「3つの代表」思想と並んで党の指導思想のひとつ
だと位置づけられているが、習政権の発足以来、「科学的発展観」は早くもお蔵入りにされている。特に習主席自身が今年に入ってから、この言葉をほとんど口にしなくなっていることは注目されている。
 したがって、胡前主席が率いる「共青団派」の次世代リーダーとして今の最高指導部の一角を占める李首相が、わざとこのキャッチフレーズを持ち出したことは、
「胡錦濤離れ」を鮮明にして独自路線を突き進もうとする習主席に対する牽制
(けんせい)であるとも理解できよう。「そのままではわれわれは黙っていられないぞ」との脅しである。
 実は同じ日の人民日報1面に、もうひとつ注目すべき記事が出ている。9月30日に
共産党政治局が会議を開き、「科学的発展観学習綱領」の草案を審議し、全党への配布を決めたという。その中で、政治局会議は「科学的発展観」を高く評価した上で党員幹部全員に学習を呼びかけたが、その意味は要するに、習政権になってから冷遇されてきた前政権の「指導思想」が今、「共青団派」の反撃によって見事な復権を果たした
、ということであろう。

 それに対し、
自分中心の指導体制づくりを急ぐ習主席がどう動くかが今後の焦点となるが、党の指導方針をめぐっての最高指導部内の政争は、今後、熾烈(しれつ)さを増してゆきそうである。

 ASEAN諸国との首脳会議で存在感を拡大したかに見える今回の習近平。米国の国内問題で身動きが出来ないオバマ氏の留守に乗じた漁夫の利もありますが、実は習近平も国内で社会問題や、派閥抗争を抱えていて、決して盤石ではないのです。
 そこへ経済不振が重なれば、派閥抗争は一段と激しさを増し、顕在化してくることになります。
 中国の共青団の動向には今後も注目が必要です。



 # 冒頭の画像は、ブルネイでの首脳会議を前に、中国とASEANの戦略的パートナーシップ宣言から10周年を記念してケーキカットをする中国の李克強首相とASEAN首脳ら




  この花の名前は、ミニチュアローズ・グリーンアイス


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