文部科学省が、高校の地理歴史の新学習指導要領解説書を公表(25日)し、竹島の領有権をめぐり日韓双方で話題になっています。
日本国内では、昨年の中学解説書の記述に対し、鳩山新政権になった今回は後退したと。また、韓国では、鳩山政権の親韓ぶりに期待したが、期待はずれだと、双方から非難をあびる結果を招いています。例によって、八方美人外交をする鳩山政権の弊害がここでもでているといえます。
昨年の中学解説書には「我が国と韓国の間に竹島をめぐって主張に相違があることなどにも触れ」と具体的に竹島と記述した(それでも当初よりはトーンダウンした)が、今回は、「中学校における学習を踏まえ」「領土問題について理解を深めさせる」といった表現に後退しています。
これに対し、鈴木副大臣は、「指導要領は外交文書ではなく、自国の領土問題についてどう教えるかは、相手国に配慮すべきものではない」とも述べ、韓国への配慮を否定しているのだそうですが...。
朝日と産経は今日(12/27)の社説でも取り上げていて、意外なことに朝日が政権に注文(?)をつけていますね。
竹島、韓国名で独島は歴史的にも法的にも「わが国固有の領土」というのが、日本の変わらぬ立場だ。
<中略>
昨夏に出された中学の解説書ははっきり竹島と記し、「日韓の間で主張に相違があることにも触れ、我が国の領土について理解を深めさせることも必要だ」としている。
<中略>
今回、表現上の工夫とはいえ「竹島」明記を避けたのは、アジア外交重視を掲げる鳩山政権の配慮だろう。韓国政府は、間接的に領有権を主張した点について遺憾を表明したが、反応は抑え気味だ。
10月の首脳会談で、鳩山由紀夫首相は「歴史を正しく見つめる」と明言した。李明博大統領とは「未来志向」の協力強化を確かめ合った。これまでの政権とは違う向き合い方を示す鳩山政権に、韓国側は期待を寄せてきた。
<中略>
今回の解説書を参考にしながら、教科書が編まれ、教師は授業を組み立ててゆく。
領土問題について、日本の立場を正しく学ぶのは自然なことだ。そのうえで、ほかの国と争いがあるものは、相手の言い分にも耳を傾ける姿勢が必要だ。中学、高校の新しい解説書は、そのことを強調しているとも読める。
竹島をめぐる韓国の主張を知ることは、背景にある過去の植民地支配への理解の深まりにもつながる。
修学旅行先に韓国を選ぶ高校も増えている。負の歴史と、未解決の問題があることを学んだうえで、よき友人関係を築く。そうした若者たちの交流を太く、豊かにしてゆくことが、いま大切なのではないだろうか。
「わが国固有の領土というのが、日本の変わらぬ立場だ。 」と冒頭に書きながら、今回の表現は鳩山政権の配慮と庇うところは相変わらずの朝日らしいとろですが、日本の立場を正しく学ぶのは自然なことだと述べています。正しく学ぶ様にするためには、教師の授業の組み立てに影響する今回の解説書がどうだとのつっこみがないのは朝日だからですが、竹島問題を教えることが大切という論調から、鳩山政権の配慮を擁護しつつも、解説書にしっかり書くべきと言っていると受け取りました。
冒頭にも書きましたが、韓国に変な期待を持たせておいたことが、せっかく配慮しながらも逆効果を招いてしまっています。
<前略>
「隣国が嫌がることはしない」と“アジア友愛外交”を主張している鳩山政権は今回、韓国への配慮から、先の中学学習指導要領解説書(昨年7月)とは違って具体的に「竹島」の名前を出すことは避けた。
このため韓国政府(外交通商省)は「苦労の跡が見られる」として日本非難のトーンを下げたが、マスコミは「鳩山政権に失望」と相変わらず強硬だ。とくに川端達夫・文部科学相が記者会見で質問に答え、「竹島は日本の固有の領土」とする従来の政府の公式的立場を繰り返したことまで「妄言」と非難している。
韓国では近年、駐韓日本大使が領土問題で日本の公式立場を語ることさえ許せないという異様な雰囲気になっている。領有権をめぐって長年対立しているという客観的事実さえ認めようとしない。強硬論ばかりなため、外交的配慮は日本の“弱気”として逆に押せ押せムードを招きがちだ。
<中略>
親韓的とみられてきた鳩山政権には期待が大きい。鳩山由紀夫首相の「歴史を直視する勇気」というこれまでの対韓発言は、領土問題を含め韓国の言い分を受け入れてくれることだと思われている。
その結果、配慮にもかかわらずマスコミ論調には「失望」との声が強い。「東アジア共同体」を言うのなら領土問題に執着するなという社説もある(ハンギョレ新聞)。日本側の配慮に対し「韓国側も配慮を」などという発想は依然、まったくない。
連盟所属で、親韓派と言われる川端達夫文部科学相は25日午前の閣議後記者会見で、「竹島はわが国固有の領土であり」云々と強調したそうですね。
今月初めには原案を官房長官に報告していたそうですが、公表までの約1月どのような経緯があったかは解りませんが、韓国メディアに「妄言」と一斉に非難をあびているのだそうですね。しかし、民主党らしかぬ、国家を背負う閣僚の発言だと、評価すべきでしょう。(竹島の言葉を入れなかった言い訳の中の発言ではありますが。)
あたりまえのことなのですが、米国には傍若無人、信義にもとる発言が続き、中国には何も言えない小鳩政権ではなぜか当たり前ではない、久しぶりに新鮮な声を聞いた気がするのです。
何処にもいい顔をしようとして、結局何処からも信頼を失ってしまう鳩山政権。国民の声が高まればいつでも辞任しますと言ってますね。日本国のために、速く辞めていただけるよう声が高まることを願っています。
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