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遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

菅政権外交 失敗の数々

2011-08-23 00:18:13 | 民主党の正体
 鳩が日米関係に歴史に残る大きな亀裂を生じさせた後を引き継いだ菅政権。様々な失政が続きましたが、特に外交(含各種安全保障)での失政は、鳩に引けをとらない歴史的転換を含む数々の日本の沈下を産み出しました。
 産経でこれを整理した記事がありましたので、備忘録として転載させてもらっておきます。
 

菅外交、失敗の15カ月 原発、米の不信感買う/領土、中露韓に付け入る隙 (8/22 産経)

 
月内にも退陣する菅直人首相。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設問題で迷走した鳩山政権の後だっただけに、日米関係など外交立て直しを狙ったが成果なく、逆に米国から不信を買う始末。加えて、周辺国が日本の領土を脅かすのを傍観するなど散々だった。「外交は苦手」と自認していた通りとはいえ、約1年3カ月の「菅外交」は失敗だらけだった。(酒井充)

 
菅首相の最大の失敗は6月2日の「退陣表明」後、約3カ月間に及ぶ外交空白
を生み出したことだ。
 具体的な辞任時期を明言しないままズルズルと居座り、9月前半の訪米、同月下旬の国連総会、10月の訪中と外交日程が続く秋に向け布石を打ち続けた。外交の継続性を理由に外遊日程を確定させて延命を図ろうとしたようだが、「一度辞める意向を示した首相をまともに相手にする国はない」(外務省幹部)ため、いずれも調整は難航。終盤では北朝鮮訪問による起死回生も画策したが、全て実現しなかった。
 
深刻なのは対米関係。首相は外交の基本方針を「日米同盟が基軸」と強調し、6月に普天間飛行場の名護市辺野古へのV字形滑走路での移設に合意した。だが米側の不信は別の形で表れた。3月11日に発生した東日本大震災と東京電力福島第1原発事故への対応のまずさ
だった。
 「ゆすり発言」で3月に更迭されたケビン・メア元米国務省日本部長は新著「決断できない日本」で「由々しき危機に際して、日本のリーダーには決断力や即効性のある対応をする能力がない」と断じた。
 大震災・原発事故で国務省の対日支援特別任務班として約1カ月間奔走したメア氏は事故発生後の数日間、菅政権が「米国の助力は必要ないといった態度だった」と暴露。米政府が3月16日に藤崎一郎駐米大使を呼び出し、「日本政府が総力を挙げて原発事故に対処するよう異例の注文を付けた」とも明らかにした。
 首相は4回、オバマ大統領と会談したが、社交辞令的な内容に終始。公式訪米は震災対応や政局の混迷で2回も先送りされた上、同盟深化のための共同宣言発表も実現できなかった。

 ■逃げ腰、無策…
 尖閣諸島や竹島、北方領土で日米同盟弱体化の虚を突くように
領有権主張を強めた中国、韓国、ロシアへの対応
も後手に回った。
 昨年9月の沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件では日中関係悪化を恐れ、逮捕した船長を処分保留で釈放。政治判断があったことは明らかなのに「那覇地検の判断」と責任を押し付けた。さらに首相は中国との融和を図るための首脳会談実現に腐心。昨年11月に胡錦濤国家主席との会談にこぎ着けたが、冒頭にメモを読みながら話す失態で「媚中」の印象を決定づけた。
 こうした弱腰姿勢は、ロシアや韓国にも付け入る隙を与えた。メドベージェフ大統領の国後島訪問は、在モスクワの日本大使館が確度の高い情報を首相側に伝達しており、首相は大統領に直談判することができたが、何ら策を講じず、河野雅治駐露大使の「更迭」でお茶を濁した。

 ■公約も空回り
 
根回しもなく突然構想をぶち上げてはみたものの、実現の方策を示さずに尻すぼみになる-。こんな首相の政治手法
は外交でも多くの汚点を残した。
 首相は5月、パリでの経済協力開発機構(OECD)総会で突然「太陽光パネル1千万戸設置」を披露した。「
脱原発依存
」を国際社会にアピールする狙いだったが、所管の海江田万里経済産業相らにも知らせないパフォーマンスに批判が噴出。実現の時期や方策も明示せず、言いっぱなしに終わった。
 積極的に関与し、成果と誇っていた昨年10月のベトナムでの日本企業による原発受注も、原発事故後に「脱原発依存」を表明してうやむやに。昨年10月には環太平洋戦略的経済連携協定(
TPP)参加に意欲を示し、1月の「ダボス会議」で「6月までに参加の結論を出す」と公言したが、これも「
」となった。国際社会での約束は「日本政府の約束」となるだけに、定見のない首相の思いつきのツケは重い。
 首相は在任中、外国に計7回出張した。サミットなどの国際会議ばかりで、単独訪問は1回もなく、単に決まっている外交日程をこなしただけだった。就任直後の所信表明演説で「受動的に対応するだけでは外交は築かれない」と高らかにうたった菅外交は絵空事に終わった。

 記事では最大の失敗は、退陣表明後の約3ヶ月の政治空白を上げています。勿論、激動する世界情勢の中でのこの空白は、日本が取り残される状況を産み出したもので、厳しく追及されてしかるべきものと考えますが、これは菅の失敗というより、菅に騙されいいように泳ぎ回らせた民主党に責任があるものです。
 また、この空白と超円高がぶつかっています。各国首脳が電話会議で緊急に連絡を取り合う中、菅ひとり蚊帳の外におかれていることこそ、菅の外交の失格を証明する象徴ととらえて列挙すべきでしょう。

 遊爺が考える最大の失政は、尖閣の中国漁船事件の対応に端を発した、国家の主権の外交主張の無さです。記事も指摘し、諸兄もご承知の通り、中国にとどまらず、ロシア、韓国にまで波及し、北方領土では4島ともにロシア領だと露が主張しはじめるという、これまでの日露の関係の歴史的転換を招いてしまっています。
 記事で、「メドベージェフ大統領の国後島訪問は、在モスクワの日本大使館が確度の高い情報を首相側に伝達」とありますが、遊爺が認識しているのは、駐露大使は国内の大統領選に向けたゼスチャーで本気ではないと伝えていて虚をつかれたとの各種報道でした。いずれにしても、日露首脳会談があったわけで、そこで話題に出せなかった菅の責任が大きいことには変わりはありません。
 そして、中露の様子を見ていた韓国が、尻馬に乗って大統領選を控えていることもあり、攻勢を強めているのです。
 さらに、これらの国々の攻勢に対し、的確な対抗外交手段がとれていない、つまり、失政を挽回しようとしていないままずるずると相手国に実績を積み重ねさせていることが、輪をかけた日本の沈下を招いていて、失政の上塗りを継続しています。

 日米関係では、大震災の対応で、「トモダチ作戦」では日米関係の絆が修復され、あたかも外交実績かの様な錯覚を産みかねない親密な関係を内外にしめしましたが、これは米国側の一方的な行為であって、記事にも指摘されている様に、菅政権はむしろ逆の動きをしていたのが実情ですね。
 普天間移転も、TPPも言うだけで、実行に向けた具体的な動きは何もしていないに等しい現実です。少し時間が経てば化けの皮がはがれる思いつきのパフォーマンス発言ばかりなのです。
 
 さらに、国債の格付け=国際的な国家財政の評価も広い意味で外交ととらえれば、財政改革も政権交代の旗印であった無駄な支出の仕訳も、行政改革をはじめとして遅々として進んでいません。政治姿勢を理由に格下げされたのは、米国以前に菅政権が先例を示していました。

 と、数々の失政がよくもまあ続けて積み上げられたものです。
 それでも15ヶ月もったのは、前半の反小沢と「一国の総理をコロコロ変えるのはみっともない」の一言によるものでした。ところが、延命すればするほど日本の信用を失うことがようやく理解されはじめてきました。そして、遂には乱立する次期候補者(未表明の前原氏を除く8/22 現在)全員が、小沢氏に擦り寄る始末です。

 菅の失政は、民主党の正体を象徴して露呈していることで、この挽回が民主党のままで出来るかは、大いに疑問です。
 更に悲しいことに、そんな民主党に変わって安心して任せられる、自民党(野党で目立たないが中はバラバラ)をはじめとする代わりの野党も見つからないことです。


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民主党の正体  矛盾と欺瞞と疑惑に満ちた、日本人への恐怖の罠(OAK MOOK 305 撃論ムック)



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