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遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

中国共産党 中央政治局常務委員の椅子取りゲーム 激化の現状

2012-05-16 23:19:16 | 中国 全般
 薄煕来前重慶市党委書記の失脚で表面化した、中国共産党の中央政治局常務委員の椅子取り争いでは、胡錦濤派が優勢になったがまだまだ予断を許さないといったところでした。今日(5/16)、読売と産経が現状について取り上げていました。
 読売は、政治局常務委員候補が10人に絞られてきて、胡錦濤の共青団と親派で半数を制したとして有利な状況を報じ、産経は江沢民派の巻き返しを報じています。
 いずれも江沢民派と胡錦濤派の争いが激化している点では共通しています。
 

中国指導部候補 胡総書記派半数握る 江沢民派と闘争激化か (5/16 読売朝刊)

 【北京=加藤隆則、香港=竹内誠一郎】中国共産党の江沢民前総書記(85)が後ろ盾とされる薄煕来前重慶市党委書記を党政治局常務委員の候補リストから外したことで、胡錦濤総書記(69)は今秋の第18回党大会をめぐる人事で優位に立った。だが、高齢の江氏も今月に入り健在ぶりをアピールしており、水面下での闘争はさらに激しさを増す様相
だ。
 常務委の候補リスト10人のうち、胡氏の権力基盤である共産主義青年団(共青団)出身者は、首相昇格が有力な李克強筆頭副首相と劉延東国務委員、李源潮党中央組織部長、汪洋広東省党委書記の計4人。内モンゴル自治区で共青団副書記を経験した劉雲山党中央宣伝部長も胡氏に接近していると言われ、
劉氏を含めれば、胡派は半数
を占める。
 胡氏は、警察から司法までを統括する枢要ポストの中央政法委書記に自派の汪氏らを登用したい考えとみられる。さらに、江派の李長春常務委員が受け持つ宣伝思想担当も手中に収め、改革路線を左右するイデオロギー部門にも実権を確立したい意向とされる。
 一方、習氏ら党高級幹部子女グループの「太子党」は3人で、いずれも江氏に近いとされるが、結束の強さは未知数だ。江派は守勢に回っているが、
江派が優勢な人民解放軍
を含め、権力基盤の盤石でない胡氏は、江派との正面対決も望んでいない。総書記の座を譲った後も、中央軍事委員会主席にはとどまり、影響力を温存していく構えだ。
 
江氏も、「習氏を支えることに全力を注いでいる
」(党関係者)とされ、胡氏との権力バランスを図ろうとしている。引退した曽慶紅・元国家副主席(72)が、各勢力間の調整役を果たしているものとみられる。
 7日には、江氏が北京で、米コーヒーチェーン大手「スターバックス」のハワード・シュルツ最高経営責任者(CEO)と会見した写真が約20日遅れでネットに流れた。
 薄氏をめぐる事件後、
薄氏を支持する「太子党」の左派と、胡氏と温家宝首相との確執が広がり、「党内分裂の危機」(党関係者)が叫ばれるなか、各派とも党の大原則である集団指導体制を堅持
する必要性については認識が一致している。

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判明した共産党政治局常務委員の候補者リスト(①氏名(年齢)②現職③出身)

①習近平(58)②国家副主席③太子党(習仲勲元副首相の息子)
李克強(56)②筆頭副首相③共青団
①王岐山(63)②副首相③太子党(銚依林・元副首相の女婿)
劉雲山(64)②中央宣伝部長③党宣伝部門
劉延東(66)②国務委員③共青団
李源潮(61)②党中央組織部長③共青団
汪洋(57)②広東省党委書記③共青団
①張高麗(65)②天津市党委書記③石油業界
①張徳江(65)②副首相兼重慶市党委書記③江沢民派
①愈正声(67)②上海市党委書記③太子党愈啓威・元天津市長の息子)
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 薄氏を支持する左派の他に、ポピュリズム政策で浸透した民衆の人気の残り火や、保守派とされる女性教師の法律論での薄氏逮捕への非難などもあります。
 
薄煕来失脚の残り火がくすぶっていて未だ消し切れていない - 遊爺雑記帳
 
 胡錦濤の共青団、江沢民の上海グループ、習近平の太子党の動きもさることながら、遊爺が注目しているのは、人民解放軍の動きです。江沢民から胡錦濤氏へ政権移行がなされた時も、江沢民は「中央軍事委員会主席」の座を維持しました。今回、胡錦濤氏もその手法を踏襲する様ですが、在位時代を通じて必ずしも抑え切れてはいませんでした。江沢民時代から、軍の支持を得るために、軍を甘やかし国防費を求めに応じて増やしてきたことが、今日の急成長した人民解放軍の姿なのです。
 その人民解放軍の動向は、最高指導者の現役を退いた後の身の安全確保の為にも支持を取り付けておかねばなりません。
 どうやら、軍を焚き付けて勢力挽回をはかろうとしている危険性が、江沢民にありそうだと警戒を強め、隙を作らない様警戒を強めているのが直近の胡錦濤・温家宝政権の言動だと指摘するのが産経。
 

尖閣、ウイグル、活動家処遇… 中国強硬外交、権力闘争の影 (5/16 産経)

■江派巻き返し 胡・温指導部焦り
 【北京=山本勲】13日の
野田佳彦首相と温家宝首相の会談は尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権などをめぐり厳しい応酬を交わし、中国は翌日の野田首相と胡錦濤国家主席との会談を事実上拒否した。こうした強硬姿勢の背景には、今秋開催の第18回共産党大会に向けた胡・温指導部と江沢民前主席を後ろ盾とする上海閥・太子党(高級幹部子弟)勢力との権力闘争が影響している可能性が大きい。胡・温政権は日本に領土問題や少数民族問題で強い姿勢を示さないと、江派に足をすくわれかねない
からだ。

 先月、
世界ウイグル会議の東京開催が明らかになり、東京都の石原慎太郎知事が都による尖閣諸島購入計画を表明した際の中国側の反応は、かなり抑制
されていた。
 習近平国家副主席は同月24日の日本国際貿易促進協会訪中団(河野洋平団長)との会談で、「両国は相手の核心的問題を適切に処理するよう努力すべきだ」と述べるにとどめた。最近の中国メディア報道も、
南シナ海をめぐるフィリピンとの係争に集中
していた。
 それだけに当地の日中関係筋も今回の中国側の強硬姿勢に当惑を隠せない。胡主席が野田首相との会談を拒否したことにも、
(対日関係重視の)同主席が「そうせざるを得ないのは、権力基盤が弱いことの表れ」
と受け止めている。

 党大会を前に太子党派の有力者、薄煕来・前重慶市党委書記の失脚を機に激化した権力闘争では、これまで胡派が有利な闘いを進めてきた。薄氏に最も厳しい温首相や、太子党だがこの問題では胡主席と連携する習副主席らの主流が、退潮の上海閥をしのいできた。
 上海閥で薄氏との関係が特に緊密な周永康・政治局常務委員兼政法委書記は、薄氏擁護に懸命だったが、果たせなかった。しかし健康悪化説がもっぱらだった江沢民氏が最近「上海から北京に戻り、健在ぶりを示している」(上海閥筋)など、
江派の巻き返しが始まっている


 一方、盲目の人権活動家、陳光誠氏の処遇をめぐる米中交渉が二転三転。中国側が陳氏の米国留学を認めた後も同氏のおいが公安当局に逮捕され、陳氏の出国時期もはっきりしないなど、周氏率いる政法委の“暗躍”も取り沙汰される。 こうした微妙な時期だけに胡・温指導部としても対日関係、特に領土・領海や新疆ウイグル自治区などの「核心的利益」問題で強い姿勢を示さざるを得ない。
 1980年代半ば、
親日派の胡耀邦総書記保守派の仕掛けた反日デモで窮地に追い込まれた。2005年の北京、上海などの反日騒乱でも「陳良宇・上海市党委書記(当時)らの策動があった」
(北京の外交筋)とされる。胡主席としてもこうした“前例”を重視せざるを得なかったとみられる。

 江沢民と人民解放軍の支持で次期主席の座に就いた習近平氏の政治が、国内の矛盾から眼を逸らし人気を保つために反日を駆使した江沢民の政治手法にもどるのではと危惧していました。
 それが、米国を訪問した習近平氏は胡錦濤政権の政治路線を継承すると公言し、今回の胡錦濤=共青団の椅子取り争いでの巻き返しで、かつての反日政治手法への回帰の懸念が薄まると安堵していました。
 2012年の全国予算案の中で、国内の治安維持などに充てる“公共安全費”(約9兆1230億円)が、世界中が膨大だと指摘する“国防費”(約8兆7140億円)を上回っていることは諸兄がご承知のことですが、それほど国内の共産党一党支配の為の治安が混乱してきている現状で、新たに政権を担う習近平氏は大きな課題を背負うことになります。
 改革開放経済で国を豊かにすることで統治してきた、小平、胡耀邦、胡錦濤・温家宝の流れ(貿易相手としての日本は重要視してきた)の対極が、江沢民の反日を駆使して蓋をして抑え込む政治手法でした。そのどちらを選択するのか、習近平新政権の動向が注目されるのですが、集団指導体制の政治局常務委員の椅子取り争いの動向が、答えを示します。
 椅子の数は奇数が原則(現在は9、江沢民時代は7)とのことですから、候補者10人から増やすのか減らすのか、いずれにしてももう一波乱ありそうですね。

 まだまだどんなどんでん返しがあるのか、目が離せません。特に、ここにきて江沢民が最後の切り札として使おうとしている人民解放軍の動向が注目ですね。
 胡錦濤・共青団派が、支持獲得の為ますます抑えが効かなくなる様で、温家宝首相が核心的利益と口にした(とりあえずは様子見でウィグルと紛らわしい表現)段階に至った今日、南シナ海・尖閣の備えの強化は急がねばなりませんね。


 





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中国人民解放軍の正体―平和ボケ日本人への警告!!




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