遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

デンマークでのテロ 北欧の寛容な移民受け入れ策に打撃

2015-02-17 23:58:58 | my notice
 パリで起きたシャルリ襲撃などの一連のテロを模倣したかの様なデンマークでの連続射撃テロ事件は、暮らしやすさで世界のトップ水準にある北欧諸国というイメージを持っていただけに驚きました。
 ただ、遊爺が知らなかっただけで、寛容な移民受け入れ策を進めていた様に見えていた北欧諸国で、高福祉・高負担で安定した社会の職や福祉を移民に脅かされるとの声が増えつつあったのだそうですね。その中で起きた今回の事件は、反移民感情に影響を及ぼす懸念があると危惧されているのだそうです。
 

北欧の移民容認策、打撃 デンマークテロ (2/17 読売朝刊)

 【コペンハーゲン=柳沢亨之】デンマークで起きた連続銃撃テロ事件は、同国など北欧諸国が進めてきた寛容な移民受け入れ策に打撃を与えた
。北欧は人道主義を重んじ、労働力確保のためにも移民受け入れに熱心だったが、「移民に福祉を奪われる」という国民の不安にテロ事件が追い打ちをかけている。

「福祉奪われる」 広がる不安
 「我々とは異なる考えを持った人たちは受け入れるべきでない」。15日、現場のカフェ前に花束をささげた自営業ヤン・ルンドさん(40)は言い切った。移民規制を掲げる右派「国民党」の支持者という。
 「国民党」は1995年に結党され、イスラム系移民の制限を主張して2001年、議会第3党に成長。同年から11年まで中道右派政権に閣外協力などを行った。昨年の欧州議会選では、同国の保有13議席中、4議席を得て第1党となった。
 
移民の増加を背景に右派や極右は、ほかの北欧諸国でも勢いを増す

 ノルウェーでは右派「進歩党」が13年の議会選で約16%を得票し、初めて政権入りした。スウェーデンでは10年の議会選で、移民排斥を訴える「民主党」が初めて議席を獲得。昨年の選挙で得票率は約13%に達し、第3党になった。フィンランドでも、これまで1けた台の議席だった「真正フィン人党」が11年の議会選で39議席を獲得、第3党に躍り出た。
 ノルウェー社会科学研究所によると、アイスランドを含めた北欧5か国で1990年から2014年までに、全体の人口数は約2300万人から約2600万人と微増にとどまったのに対し、移民数は約75万人から300万人と4倍増となった。
移民の急増が、国民の不安を高めている

 
デンマークでは昨年から、シリアやイラクから帰国した元戦闘員らを対象とする社会復帰の支援策を強化。モスク(イスラム教礼拝所)と連携し、地域住民や教育関係者の協力を得ながら就業支援を行い、シリアへの渡航を激減させた実績
もある。ただ、反移民感情が高まれば、こうした住民協力が得にくくなる問題を抱えている。

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[Q]受け入れなぜ寛容 人道主義と労働力確保
  北欧の移民政策とは。
  北欧諸国は第2次大戦後、移民を積極的に受け入れてきた。デンマークには1960~70年代にトルコやパキスタン、北アフリカから多数が移住。移民やその子孫の人口は公式統計で、国民の約1割を占める。北欧の中でスウェーデンは特に難民受け入れに寛容で、イラク戦争開戦後の混乱から逃れたイラク人1万人以上を毎年受け入れた。人道主義外交に加え、経済を支える労働力確保の狙いがあった。

  北欧の経済とは。
  中道左派政党が国政の中心となり、高福祉・高負担の経済モデルを推進してきた。労使協調が基調だった。だが、世界経済の競争激化から重工業などが低迷し、労組加入率が低下。
労働者層が、移民政策の見直しを求める右派政党に流れている

 戦後の難民受け入れの人道的見地と、労働力不足を補うという経済的な目的の為に進められた移民の受け入れも、移民の人口比率が高まる一方経済成長も鈍化してきた今日、移民に福祉や職を奪われるとの反移民の声が高まっていたのですね。
 そこへ今回のテロ事件の発生。デンマークは、モスクと連携し、地域住民や教育関係者の協力を得ながら、就業支援を行い、シリアやイラクから帰国した元戦闘員らを対象とする社会復帰の支援策を強化するなどして、シリアへの渡航実績を激減させ実績を持つデンマークでもその傾向はあり、反移民の声が高まることの危惧があるのだそうです。

 少子高齢化で労働人口の減少に悩む日本。安倍政権は外国人労働者の受け入れをアベノミクス・第三の矢の施策のひとつに挙げています。

 海外との往来が容易な欧州の国々とは異なる島国日本で、文化の異なる外国人が増えることで同様の反外国人問題が生じうることは容易に想定されますね。
 先達の国々が示してくれている将来の姿は、貴重な実例として学ぶべきです。歓迎された外国人労働者から産まれた二世や三世は、当人は何の選択肢も持たないまま疎まれる存在になってしまっているのです。
 
 日本には、団塊の世代という突出した人口の世代があり、経済需要や社会にその世代が大きな影響を与えてきました。その世代が65歳を越え老齢化を迎えていて、その福祉負担が重い財政負担となって若年世代にのしかかろうてしています。
 2013年の日本人の平均寿命は男性80.21歳、女性86.61歳となっています。単純平均で83.4歳とすれば、団塊の世代(1947~1951年生まれ)の寿命が来る2036年迄が高福祉負担の山となります。あと21年たてば、高福祉負担のピークは過ぎるのです。外国人労働者の導入により増えた人口の二世、三世そのまた子供たちは永遠に存在するのです。それどころか増え続ける可能性が大きい。21年は国家の長い歴史でいえば一瞬の時間とも言えます。国家の形成にかかわる重要な国の人口政策。100年の計とはいいません。20余年の計でよいのです。せっかくの欧州の先例に学んだ人口政策を、安倍政権に期待します。



 # 冒頭の画像は、デンマークの首都・コペンハーゲンで、犠牲者の追悼に集まった人々




  この花の名前は、シユウメイギク




竹島に関する動画 / 政府広報 - YouTube

杉原由美子氏による絵本「メチのいた島」読み聞かせ - YouTube



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竹島は日韓どちらのものか
日本は国境を守れるか (プレイブックス・インテリジェンス)




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