3月1日、全国各地で合同説明会が開催されたようだ。来春卒業する学生の就活がいよいよ始まった。
県内の高校は、やはり3月1日に卒業式が行われた。中学3年生は、8日・9日と公立高校入試に臨んだ。入試前日まで塾に来て学習に励む子供もいた。
来週の17日には小学校の卒業式が行われる。当塾の小学6年生も中学入学を前に気力をみなぎらせている。厳しい寒さの中で新芽を伸ばす若草のように、若人が飛躍を図ろうとする凛としたその姿は実に美しい。
さて、このところ立て続けに将棋でゆかりのあった若者が大きく羽ばたいた。
1人は、昨日記した室谷由紀女流二段であり、もう1人が佐々木大地三段である。
今回の奨励会三段リーグ戦において、2月7日に連敗して9勝5敗と厳しくなったが、21日に連勝して11勝5敗と望みをつないでいた。しかし、最終日の1局目に負けて11勝6敗、そこで連敗していれば四段昇段の芽はなかったが、最終局に勝って12勝6敗として結果を待つことになった。
三段リーグは半年単位で戦われ、上位2名が晴れてプロデビューとなる。今回の三段リーグ戦では、先に14勝を挙げていた都成竜馬三段が1枠を確保しており、残り1枠をかけて最終日の2局を連勝するか、1勝1敗か、はたまた連敗してしまうのか順位との絡みもあり8名ほどに四段昇段の可能性が残っている若者の熾烈な戦いが繰り広げられた。
そんな中、2月7日を前に7勝5敗だった井出隼平三段は27日に連勝、21日1勝1敗、最終局2連勝と見事な追い上げで12勝6敗とし、佐々木くんと同星だったが順位が上ということで都成三段に続き四段昇段を決めた。
佐々木くんは2つの枠には漏れたが、今回次点(3位)ということになり、これが2回目の次点獲得となり、規定により「フリークラス(そこで一定の成績を挙げなければ順位戦には参加が出来ない)」入りへの参加資格を得、それを行使して晴れて四段昇段となった。
ちなみに、順位1位の石川泰三段は最終日に連勝していれば12勝6敗、順位3位の渡辺和史三段は連敗して11勝7敗、順位5位の黒田尭之三段は最終局に佐々木くんに敗れ11勝7敗と涙を呑んだ。その他、順位が下位の方であっても、あと1つ勝って13勝としていれば勝ち抜けることが出来た者もいた。まさに神様のいたずらで明暗が分かれたとしか言いようがないほど苛烈なリーグ戦だった。
佐々木大地三段は、長崎県対馬の生まれで師匠は我らが深浦康市九段である。以前に記したが、くるみさんの小学生名人戦県代表3連覇を阻止した子として縁がある。お父さんの大地くんにかける情熱には当時から並々ならぬものがあって、大地くんが将棋のプロを目指すにあたってどんなことでも厭わないという気迫がひしひし伝わってくる方だった。今回の大地くんの四段昇段に際し、本人はもちろんだが、お父さんの喜びいかばかりかと同慶の至りに堪えない。
ガンバレ、大地くん!