峰野裕二郎ブログ

私の在り方を問う

since 2005

シャッフル

2011年03月29日 | 家族

くるみさんが絵理子さん一家の家へ遊びに行ったり来たり、有紀さんが絵理子さん一家の家へ行ったり、有紀さんがこちらへ来たり戻ったり、絵理子さん一家が遊びに来たり帰ったりと、このところ家族間でめまぐるしくシャッフルが行われていて、それがなかなか面白い

先週日曜日、友人の結婚式披露宴で佐賀市まで来ていた絵理子さん一家がその足を伸ばして2ヶ月ぶりにやって来た。
そもそも、くるみさんの大学入試合格を祝してみんなで温泉への旅行を予定していたのだが、それがおじゃんになり、天使に会うのが延びていた(くるみさん、ごめん)。

2ヶ月ぶりに会う天使の成長はめざましい。私たち夫婦は、ようやく彼女の人見知りの対象から外れることができた。
たいがいのことは聞いて理解できるようにもなっている。また、名前を呼んだり、「美味しいかった人?」などと訊くと「はいっ!」と言って手を挙げるあのお決まりの遊びもできるようになっている。その微笑ましい声や仕草に誘われ、何度も繰り返し遊んだ。


翼を広げて

2011年03月23日 | 私塾

先週16日、県内の公立高校で合格発表が行われ、塾生全員が合格した。
これで、先に推薦入試で合格している者2名、私立の特待生合格者1名を合わせた塾生8名の進路が決まった。
彼らの内の5名が昨夜も塾に来て勉強して帰った。その様子は、受験前となんら変化はない。ただ1つ変わったのは、中学校の制服姿でないという点だけだ。

数日前、3度目の大学受験で希望する大学に合格を果たした塾生が顔を見せてくれた。実に晴れ晴れとした表情だった。誇らし気でもあった。しかし、ここに至るまでの間の苦労は相当なものがあった。特に、今年度のセンター前頃は本当に苦しかったという。「今度ダメだったら」という思いにさらされ続けた。だが、彼は試練に耐え、そしてそれを見事に乗り越えた。

それから2,3日後、彼のお母様が彼と、高校へ進学する彼の弟を伴いご挨拶にお見えになられた。もう1人、2人の間に高校生の女の子がいるが、こちらの親御さんも大切なお子さん3人とも私の塾に通わせてくださった。

毎年、こうして私とのかかわりを経た子供たちが巣立っていく。


きっと

2011年03月22日 | 私塾

過日、書類等を整理していたら「学習塾生が募金活動」という見出しの古い新聞の切抜きが出てきた。

阪神大震災後、震災について塾生たちと話しているうちに「自分たちも何かできることをやろう」という空気が高まり、塾生10人ほどが町のスーパーで買い物客に募金の協力を呼びかけることとなった。

事前にみんなで募金箱を作ったり、募金を呼びかける看板を作ったりして意気込んで募金活動に臨んだ塾生たちだったが、何せ初めての経験で最初は蚊の鳴くような声でしか買い物客に声をかけられず、買い物客の反応も芳しくなかった。
しかし、少しずつ声が出るようになると、それにつれて買い物客も快く募金に応じてくれるようになり、激励の声をかけてもらうようになる頃には勇気100倍で募金活動を行うことができた。

見ず知らずの人たちの善意に触れることができ、塾生たちは募金活動後も興奮冷めやらぬ面持ちだったが、塾に戻り、募金箱に寄せられた浄財をみんなで数え、それが82,709円もの額に達していることが分かると、歓声と拍手がおこった。それは、それぞれがそれぞれに向けてというより、人間そのものへ向けての称賛のようであった。

あれから17年が経った。彼らは、このたびの東日本大震災をどう受け止め、どう行動しているのだろう。


増税 子供か

2011年03月20日 | 町内会長

現在、20日の午前4時13分、たった今、町内会の総会でお配りする資料の原稿を作り終えた。
22年度の活動報告、収入・支出の決算、そして23年度の活動計画及び収入・支出の予算案、これらをA4サイズの用紙8枚にまとめた。後に印刷し、それを束ねて小冊子120部を作る。

この作業、町内会長になりたての頃は相当頭を悩ました。だが、今ではお茶の子さいさいだ。
ところで、わが町内会の経営の健全性は、どこかの国の政府とは異なり極めて良好だ。町内会に住む人たちの福祉向上に力を注ぎ、積極的に事業を展開している。
面白いもので、行政の補助金や助成金等に頼らなくても、活発に活動すればするほど黒字が増える。あれこれと行事・活動を行っているが赤字を出すどころか、町内会費を減額した。いわば減税だ。

御用学者等のミスリードによって、納税者の中にも財政を好転させるためには増税が必要だと主張する人が増えてきているのはいかにも残念だ。たとえどれほど増税したにしても、政治家と官僚の在りよう、そして彼らが作ってきた仕組みや制度が従前通りである限り、何も変わらないだろう。
金が無くなったら借りる。借りられなくなったのでもらう。これでは子供と一緒だといったら子供たちに失礼か。


見直してみたい

2011年03月19日 | 民生児童委員

昨日は午後から「準要保護児童生徒認定申請意見聴取会」というものに出席した。
かねてよりこの準要保護児童生徒の申請に関し、民生児童委員が係わることに疑問を持ち、その旨発言してきた。
時代の推移と共に、多くの事柄が変化してきている。民生委員の在り方そのものがそうだし、民生児童委員とそこに住む人たちとの関係もそうであり、人権・人格権の広がりもそうだ。

社会は大きく変化している。時代に見合った制度の設計が求められる。意見聴取が済んだ後、あらためて改革を提言した。


桜の里千年

2011年03月17日 | 暮らし

きょうは口石小学校の卒業式に参列した。
卒業生115名中113名の子供たちに卒業証書が渡された。2人欠席していた。2人はこの時、何を思い、どう過ごしていたのだろう。そんなことを思いながら、卒業証書を手にする子供たち1人ひとりの顔を眺めていた。

ここ数日寒さが戻っている。式が終わり、式場の体育館を後にすると、参列者のみなさんの中から「冷えたね~」という声があがると共に、このたびの大震災で被災されたみなさん方を思いやる声が聞こえた。皆が被災された方々の気持ちに添おうとしている。

この前の日曜日、ある方がわざわざ桜の盆栽を持って来てくださった。

佐々町では「桜の里千年」という構想がある。その一環にあるのが早春を彩る佐々川河口の土手に沿って咲く河津桜だ。間もなく見頃を迎える。桜の盆栽も、その流れにあるというのをつい最近知った。
桜が我が家にやってきて以来、それを室内で育てている。日に日に花芽が膨らむ様子を眺めるのが、このところの楽しみの一つに加わった。

関東から東北地方にもやがて春が来る。そして、桜の花が咲く。桜の花が被災した人たちの心を必ずや慰めてくれる。


超えていこう

2011年03月16日 | 町内会長

昨日午前中に行われた佐々中学校の卒業式に参列した。
被災地では卒業式を終えた中学校がある一方、卒業式を延期せざるをえない学校も少なくないという。また、宮城県では、津波を受けた4つの市や町の教育委員会と、いまだ連絡さえ取れないという。

卒業生が歌う歌の歌詞の中に「未来を信じて飛び立とう」という一節があった。15歳の春を迎える子供たちの心を思った。

町長は祝辞の冒頭、被災されたみなさんのため、佐々町に何ができるか県や近隣の市町と共に考えていきたいと、出席者全員に協力と支援を訴えた。

きょう朝8時前から集会所和室の畳の表替えを業者に行ってもらっている。
この畳屋さんは先日、火事で店舗が全焼した。ちょうどその頃、表替えの作業に入ってもらう予定になっていたが、それがかなわぬこととなった。
そこで、役場の担当者から業者の変更を打診された。しかし、工事を特に急がなければならない理由もなく、この畳屋さんが仕事を再開されるのを待つことにしていた。
早朝7時50分頃「おはようございます。畳屋です」と元気のいい声が玄関先で響いた。復興に向けて頑張っておられる畳屋さんがいる。

午前9時過ぎ、町内会連合会の会長と副会長2名の3人で寄り、4月に行われる町内会長会後の懇親会を行うか否かの協議をした。
年度が変わると町内会によっては会長が交代されるところがある。会議の後の懇親会は新旧町内会長のコミュニケーションを図るいい機会となっている。
しかし、このたびの大震災で被災されたみなさんのことを思い自粛することにした。
また、町と相談をして、被災者のみなさんのために全町内会で義援金を募ることにした。
私たちの心は、被災されたみなさんの心と共にある。


あなたと共にある

2011年03月15日 | 暮らし

このたびの東日本大震災でお亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
また、愛するご家族・ご親族・ご友人を亡くされ方々を始め、被災されたみなさまのご心痛いかばかりかと察するに、お慰めする言葉も見つかりません。心よりお見舞い申し上げます

私たちの心は被災されたみなさまの心と共にあります。
どうか、1日も早く元気を取り戻され、復興に向けての一歩を力強く歩み出されますよう祈念しております。


常識を疑う ①

2011年03月10日 | 私塾

2日間行われた公立高校の入試が昨日終わった。
入試が終わったら勉強から解放されたいというのが一般的な思いだろう。ところが、私の塾の受験生の中には、入試が済んでもいつものように塾へやって来て、いつものように勉強して帰る塾生がいる。
昨夜もそんな塾生が2人いた。1人は数学をやりたいと言う。あらためて中1からの各単元を順に行えるようプリントを用意した。もう1人は、受験直前までやっていた理科を続けたいという。早速、用意してあるプリントに取り組んでいた。
また、すでに推薦入試で合格を決めている塾生が難易度の高い数学の問題に取り組んでもいた。

「テスト前なんだから頑張って勉強しなさい。テストが終わったら遊んでいいんだから」
普通、大人はそう言う。だから子供はその通りする。

手元に、ある県の公立高校生の家庭学習時間の統計がある。県の教育委員会が県内の公立高校生5,000人を対象に「生活実態調査」を行ったものだ。その中で、高校生の家庭学習時間が極めて少なかったと報告されている。
それによると、ゼロと答えたのが50%、30分未満と合わせると61%にものぼる。
また、その逆に寝る間を削って6時間も7時間も勉強する子供たちがいる。東大や京大、国公立の医学科など難関大学・学科を目指している子供たちだ。

「ことが終われば楽になる。だから、今は苦しくとも頑張れ」
本当に楽になる日がくるのだろうか。いったい、いつになったら楽になれるのだろう。この思想で、人は本当に心安らぐ日々を得ることができるのだろうか。

ご飯を食べたり、友達と遊んだり、音楽を聴いたり、本を読んだり、漫画を読んだり、時にはどうにもならない片思いに苦しんだりするのと同じように勉強もする。それがつながって人の一生がある。私は、子供たちにそう語ってきた。
夢や目標を持つことはけっこうなことだろうが、そのために日々を犠牲にするのはつまらないと思う。大切なことは、今を充実して楽しく生きることだと考える。


今を生きる

2011年03月09日 | 父親と子

2日、町内会女性学級の今年度最後の集まりの日だった。ケーキとコーヒーをいただきながら今年度の活動を振り返り、来年度の活動について話し合いがなされた。
3日、今年度最後の町内会長会に出席した。午後1時半からの役員会に始まり、夕方5時までさまざまな懸案について話し合いが行われた。私は、いつものように積極的に意見を述べた。
おかしいと思うことはおかしいと、こうあるべきだと考えることはこうあるべきだと言い続けることは大切だ。それが真っ当なことであれば、理解者を増やしていくことができ、やがて変化へとつながる。このところそれを実感している。
6日、午前10時から町内会の会計監査を行った。27日には町内会の総会を開く。3月は町や町内会の締めくくりの月だ。

その夜、町内会の男性若手の懇親会が集会所で開かれた。こちらは締めくくりではなくプロローグ、新しい何かの始まりだ。
人は自らのために生きると共に、他者のために生きる。だれかのために自分が役に立っているという喜びは想像以上に大きい。町内会に暮らす若い人たちにもそれを味わってほしいと願っている。
若者たちと気持ちよく飲んだ。調子に乗り、先頭に立って2次会へ繰り出した。こんなときは決まって翌日、自己嫌悪。

7日、くるみさんの前期入試の合格発表が行われた。わずかに力及ばなかった。
くるみさんは、仮に前期でダメな場合、浪人はいやだとそのリスクを避けるため後期は医学科ではなく理学部の生命化学科に出願していた。すなわち、医学科進学の道を前期入試にすべてかけていた。
それでも「医者になる」との明確な意志を持って受験勉強に励んできたのだから、容易に気持ちを切り替えられないのでは、悩むのではと思った。
ところが、彼女はすぐに生命化学科への進学を口にした。人のために役に立つ仕事をしたいわけだから、それは医者に限らないというのだ。

くるみさんにとって、受験勉強は大学に合格するための手段ではなかった。だから、勉強が辛いなどとこぼさずにすんだ。実際、勉強が楽しいといつも言っていた。ベストを尽くした。だから後悔のかけらも見えない。それは見事なまでだ。

発表後、担任の先生から電話が入ったようだった。先生たちによくしてもらったのに、先生たちに申し訳ないと言い、仲間たちの合格の報に喜んだ。
くるみさんが医学科への進学を考え始めた頃、自分のような者が医者を目指していいものだろうかと話していたのを思い出す。私はその際、そんな人にこそ医者になってほしいと思うと応えたものだった。と同時に、医者の他にも面白い仕事はたくさんあると言ってきた。

合格発表のあった夕方、絵理子さんから気分転換にくるみさんを遊びによこしてとメールが入った。くるみさんは、しばらく天使に会っていない。早速、昨日の昼過ぎに電車で福岡へ向けて発った。
今頃、天使の一挙手一投足にさぞや笑い転げていることだろう。

8日・9日と県下公立高校の入試が行われている。7日の授業に出てきた塾生が帰る際、後輩の塾生と共に激励の拍手で送った。昨日の夜、塾で勉強してきょう2日目に臨んでいる塾生もいる。
受験生にとっても3月は締めくくりの月だ。 
もうすぐ桜満開の春が来る。それぞれの新しい舞台の幕が上がろうとしている。

人は、過去にも未来にも生きることはできない。ただ、今を生きるだけだ。