峰野裕二郎ブログ

私の在り方を問う

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ブンタンの種

2020年06月30日 | 父親と子
過日、三女・くるみさんの上司であるHさんから届けられていたブンタンの種子が昨日ようやく発芽した。

Hさんとは直接面識はないのだが、くるみさんを通して彼女の話の中にしばしば登場する彼に、何とはなしに親しみを覚えていた。
ブンタンは彼の大好物だそうだが、私たちの移住先の様子を聞いた彼がこの地にブンタンが育つことを願い、くるみさんに託したものだった。

この度のコロナ騒動に火が付き始めた3月のある週末、くるみさんがHさんから託されたそのブンタンの種子と手紙を携え、愛車で帰って来た。

Hさんの手紙には、創薬そのものの研究活動の困難さと彼が立ち上げた新たな領域の研究プロジェクトにおける苦悩と喜び、また、創薬研究の先輩としてのくるみさんに対する熱い熱い思いが便せん5枚に渡りびっしりと綴られていた。

その多くが日の目を見ずに徒労に終わってしまい、報われることの少ない創薬研究の道。しかし、自分たちで新しい事実を見出す過程は楽しくも刺激的であり、その行為自体が崇高であり、その思いをメンバーと共有することを何より大切にしてきたと言うHさん。
結びに、お目にかかる機会を楽しみにしておりますとあった。

我が家で育つブンタンを、ご家族で見に来ていただくのを楽しみにしていよう。
くるみさんが帰る際、Hさんへの返書を託した。奇しくも、その便箋の枚数は5枚となった。

藤井七段初タイトルに王手

2020年06月29日 | 将棋
藤井聡太七段が渡辺明三冠に挑戦している棋聖戦の第2局目が昨日行われた。
地区の清掃活動から帰宅し、汗を流すと、もうお昼。
食事をとった後、パソコンを開き、女房どのと並んで観戦する。

AIの評価では午前中までは両者五分。それが昼食休憩後、藤井七段優勢となり、その後、その差は広がる一方で、渡辺三冠に反撃の余地すら与えることなく危なげなく勝ち切った。

これで棋聖戦2勝藤。いよいよ史上最年少でのタイトル奪取に王手がかかった。
今後、藤井聡太七段は間違いなく複数のタイトル保持者となり、将棋界の歴史に名を刻む大棋士へと成長していくことになるのだろう。
その序章をつぶさに見ておこう。


ハイブリッド

2020年06月29日 | 移住
昨日は午前8時から11時まで、いわゆる官民協働の一つの形である「アダプト活動」で、同じ地区のみなさん10人と共に道路沿い及び公園の草刈りに汗を流した。

軽トラに刈払機を積み込み、午前8時10分ほど前に集合場所の集会所前に到着すると、刈払機を載せた白い軽トラが連なって停めてある。既に皆さんお揃いだった。

区長の説明の後、それぞれがそれぞれの軽トラに乗り込み、目的の場所に移動し、作業が始まった。

結局、この日、協力して重点的に3か所の除草を行った他、小川に架かる丸太橋の架け替えを行ったが、移動の合間に休憩を取り、冗談を交えてのあれやこれやの話は楽しく、あっという間の3時間だった。

当地区は昔ながらの村落で、親やそのまた親の世代からの繋がりの中でみなさんの暮らしがある。
この日の作業のように、昔ながらの共同体としての相互扶助の精神が色濃く残っているのを強く感じるが、それが今日的な官民協働につながっているのを面白く思う。

駿馬のように駆け抜けろ

2020年06月27日 | 将棋
このところ将棋ファンにとっては堪えられない対局が続いている。

一昨日は、豊島将之名人と渡辺明三冠による名人戦第3局の1日目、さらに佐藤康光九段と永瀬拓矢二冠による竜王戦1組決勝トーナメント戦出場決定戦、そして藤井聡太七段と佐々木勇気七段との間で順位戦B級2組の今期初戦等が指された。
我らが佐々木大地五段も、順位戦C級2組の初戦で佐藤慎一五段と相まみえた。

朝一番、AbemaTVを覘くと午前9時半から藤井七段対佐々木勇気七段の一戦の放送が予定されていた。見逃すわけにはいかない。

藤井七段は今期のB級2組、次のB級1組を1期で駆け抜け、A級で優勝すると、史上最年少での名人位獲得の可能性が残されている。
そういった意味でこの日の一戦は大変重要な一局だった。もちろん、現在進行中のタイトル戦もその重要さに変わりはない。
常人では到底耐えることの出来ない程の精神的重圧の中、若干17歳の高校生は戦いの場に身を置いている。只者ではない

来月1日・2日から始まる王位戦でその最強の挑戦者を迎え撃つ47歳の木村王位は「彼はもう子供ではないです。実力通りに勝ち続けている人。若いからどうこうというのはないです」と語っている。
その木村王位も昨年度、史上最年長で初タイトルを獲得した人。当然、並の中年棋士ではない。

藤井七段の順位戦での戦いの重要性の意味合いは前述したとおりだが、この日の一戦は別の意味でも大変興味深い戦いでもあった。

3年前、藤井七段は四段プロデビュー以来勝ちまくり、歴史を塗り替える快進撃を続けたのだったが、その30連勝を阻止したのが、この日の相手である佐々木勇気七段(現在25歳)だった。

藤井七段との戦いに並々ならぬ闘志を見せる強敵・佐々木七段相手に藤井七段がどんな将棋を見せてくれるのか、ワクワクしながらパソコンの前に釘付けになっていた。

午前10時の対局開始から夕食休憩の午後6時頃辺りまでじりじりとするような拮抗した戦いが続いた。
風呂に入り、晩酌をしながら女房どのと観戦を続けたが、女房どのは午後10時頃には就寝。さすがの私も午前0時を回る頃にはうとうとしていた。

結局、終局は午前1時頃だったろうか。じわじわと差を広げていった藤井七段が見事に雪辱を果たし、順位戦の初戦を幸先よく白星で飾った。

公募に応じてみた

2020年06月25日 | 移住
少し前になるが、備前市の広報誌3月号をめくっていて「パートナーシップ推進会議委員を公募します」という記事が目に留まった。

案内によると、当市では「備前市まちづくり基本条例」が設けられており、その実効性を確保しながら有効に運用していくために「パートナーシップ推進会議」なるものが設けられている。
その役割として、条例による参画、支援および協働に関しての検討、評価を行う。また、共同事業の提案などに関する意見を提出する。さらに、条例の定期的な見直し、改正または廃止に関する提言を行うとあった。

備前市に来て一番思うのが四季折々の自然の美しさだ。そして人情味。しかし、そんな愛すべきまちも急速な人口減少社会に直面している。
人口減少、少子高齢化が私たちの社会にどのような影響を与えるのかは識者によって様々語られているが、少なくともバラ色の未来が待ち受けているようには思われない。

このまちに暮らす市民の1人として、主体的にまちづくりに参画し、応分の役割を果たしていこうと思う気持ちを、前述の公募に応じるという形で表してみたところ過日、お願いする旨の電話をいただいていた。

昨日、後日行われる第1回目の会議の資料が届いた。
委員の名簿を見ると、今回の公募による委員は意外にも私1人だった。さて、どんな意見が交わされるのだろう。楽しみにして会議に臨みたい。

白熱の戦いへ

2020年06月24日 | 将棋
緊急事態宣言解除以降、将棋界も急速に動き始めている。
将棋ファンにとって注目カード目白押しの中、昨日、藤井聡太七段対永瀬拓矢二冠(叡王・王座)戦が東京渋谷の将棋会館で指された。
結果は藤井七段が見事に勝ち切り、木村一基王位への挑戦権を得た。

渡辺三冠(棋王・王将・棋聖)の持つ棋聖位に挑戦中の藤井七段は、これで一気にタイトル二冠の可能性が出てきた。

現在、豊島竜王・名人、渡辺三冠、永瀬二冠、木村王位と将棋界の8タイトルを4人で分け合っているが、そこに17歳の気鋭の新人・藤井七段が割って入り、一気に勢力図を塗り替えようとしている。

コロナウイルスの影響を受けての超過密スケジュールの中、名人戦、叡王戦、棋聖戦、王位戦と4つのタイトル戦が進行中だが、豊島・渡辺・藤井の3人の棋士は複数のタイトル戦を並行して戦わなければならない。

戦っている棋士は大変だが、将棋ファンにとっては堪らないシリーズとなっている。
しばらく、AbemaTVから目が離せない。




庭を臨むキッチン

2020年06月23日 | 移住
以前に住んでおられたご家族は、ご夫婦2人きりだったことからキッチンは小さめの仕様にしておられた。
システムキッチンではなく、シンク・作業台・コンロ、それに冷蔵庫と何れもSサイズだった。また、東向きに位置していたが、窓越しに土間に隣接していて、昼間でも照明を必要とした。

そこで、「食」を重要視する私たちはキッチンを南南東の位置に大きく移動することにした。
システムキッチンを導入し、新しくできるリビングの方向に振った。そうすることで、料理をしながら左手の窓越しに南側の庭が見える。
さらに、冷蔵庫も少し大きめの両開きドアタイプのものを入れることにした。

当初、このままでいいよと言っていた女房どのだったが、食事を用意するのは大変なことだと重々認識している私からすれば、放っておくわけにはいかない問題だった。
買物に時間をかけ、献立を考えながら朝昼晩とかなりの時間、キッチンに立ち、我が家の食を支えてくれる女房どのに感謝しつつ、完成を心待ちにしている。

バージョンアップ

2020年06月20日 | 移住
私たち夫婦の関心事の1つに「食」がある。
したがって、屋内でキッチンは重要なポジションを占める。佐々時代でもシステムキッチンは数年前に一新した。

現在の住み替えた家は、全面的にリフォームしてあり、取り立てて手直ししなければならない所はないのだが、欲を言えばキッチンがもう少し広く、明るければ、更なる快適な暮らしが演出できるだろうと考え、その位置を変えることにした。

キッチンの位置を変更するのに伴い、繋がっている部屋、玄関等にも手を付ける必要が生じた。
大工さんと相談しながら、新しい住まいのバージョンアップを進めている。

マダニに咬まれた

2020年06月19日 | 移住
一昨昨日の夕方、右手の甲に何か赤黒い1㎝弱のものがくっ付いているのを認めていた。
指先で剥がそうと軽く払ってみるも、一部がしっかりくっ付いていて、取れそうで取れない。よく怪我をするので、知らない間にかさぶたができたのだろうと思い、無理して剥がすのを止めていた。

そして一昨日、大工さんたちが仕事を終えていたから夕方の5時は過ぎていた。私も草刈りを終えたところで、彼らとひとしきり談笑した後、帰途に就く彼らを見送った。
土間に入り、作業を行うためにつけていた手袋を外そうとして、手の甲に付いているそれがマダニであることに気付いた。
「自分で取り除かず病院でとってもらうこと」そう知らないわけではなかったが、思わず指でつまみ、剥がしてしまった。

女房どのにそのことを話すと、すぐに病院に行った方がいいと言う。しかし、時は既に午後5時半近く、病院も閉まる頃だった。それに、大したこともなかろうと、翌日にすることにした。

明けて昨日。我が家から最も近い備前市立吉永病院のHPを開いてみると皮膚科がない。ならばと、関連施設としてリンクが貼られていた市立備前病院のHPを訪ねると、こちらには皮膚科があった。

午前8時半になるのを待ち備前病院に電話を掛けた。ところが、皮膚科の診療は月曜日だという。
マダニに咬まれたのだがと相談すると、外科の医師に聞いてみるという。間もなく、来ていただいて結構だが、結局は皮膚科の医師に診てもらうことになるのではとの話。
それでは皮膚科の病院を教えてもらえないだろうかと尋ねると、皮膚科の看板を上げているところは少ないのだがと言いつつも調べてくれ、市外の病院2か所を挙げてくれた。そして、吉永病院で診てもらえるのではないかと思うと付け加えた。

親切な対応に礼を述べ電話を切り、助言に従い先ずは吉永病院に電話をすると、予約の必要はないから正午までの間にどうぞとのこと。
意外の対応に面食らいつつ、早速、我が家から車で15分程の吉永病院に向かった。

病院は、それほど混み合っていなかった。程なく、診察室に呼ばれた。
無理やりマダニを剥がすと往々にしてマダニの口器が皮膚の内部に残ったままになるそうだ。それが残っているか否かを医師が看護師と共に拡大鏡で確認していたが、どうやら残っているらしく、切開して除去する処置がとられた。

吉永病院が24時間体制で患者を受け入れているのを、その時、医師から直接聞いて初めて知った。ちなみに、一昨夜は彼が当直だったというではないか。
夜間でもよほどのことがない限り(酔っ払っているとか暴力をふるうとか)、受け入れていますよと彼は胸を張り、町の方ではそうはいきませんと続けた。
いい所に越してきましたと返すと、お友達にもぜひお知らせくださいと彼は宣伝を忘れなかった。

ダニ媒介感染症は死に至るケースもあるとのこと。毎日のように野外作業に勤しむ身にはダニに咬まれるリスクが常に伴う。だからといってそれをやらないわけにはいかない。
色々ある。



繋ぐ

2020年06月17日 | 移住
長崎県佐々町から、ここ岡山県備前市の山手に移り住み、およそ半年が過ぎた。
大自然の懐に抱かれての暮らしは、思っていた以上に刺激的で面白くてならない。

購入した家屋は築75年程の古民家で、私たち夫婦が3代目として住まわせていただいている。
過日、地区のみなさんと飲んだ際、60歳代の方が小学生の頃、学校帰りに栗の実をもらいによく立ち寄ったと、初代ご夫婦との思い出話を聞かせてくださった。初代の奥様は県道を挟んで向かいの小学校の給食調理員をなさっておられたという。

2代目の入居者は、10年前に愛知県から私たち同様に移住して来られていた。
止むを得ない事情があり愛知に戻られたが、終の棲家とすべく7年前に全面改築をなさっておられた。

その後を私たちが受け継がせていただいた。
いわゆる立派な邸宅ではないが、2代に渡っての先人たちの慎ましやかで丁寧な暮らしぶりをうかがわせる、庭を含めての飾り気のない質素な佇まいを、私たちは、たいそう気に入っている。

したがって、そのまま十分に住み続けることが出来るのだが、私たちの代で更なるバージョンアップを図ることにした。