峰野裕二郎ブログ

私の在り方を問う

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深浦九段、おめでとう

2020年03月28日 | 将棋
先週日曜日のNHK杯将棋テレビトーナメント決勝戦において、深浦康市九段が稲葉陽八段を降し、本選トーナメント出場27回目にして見事に初優勝の栄冠を手に入れられた。

長崎に住んでいた頃、深浦さんの出身地である佐世保市の、彼の幼い頃からの馴染みの方々と一緒にこの時期、佐世保に帰って来られる深浦さんを囲んでいた。

深浦九段は、過去に王位のタイトル3期、その他に朝日杯将棋オープン戦等、棋戦優勝10回を誇る強豪だ。しかし、不思議とNHK杯では1,2回戦早々に敗退することが多かった。

NHK杯は持ち時間の短い、早指しの棋戦で古くからテレビ放送されていることもあり、一般の将棋ファンにとっては馴染みのある棋戦だ。
私も、その一人で毎週日曜日午前10時半からの番組を録画してまで見ている。
そんなことから、ある時の深浦さんを囲む会で、もう少しNHK杯で勝ってほしいというようなことをご本人に直接訴えたことがあった。今にして思えば無茶な話だが、深浦さんはニコニコしながら頑張りますと応えてくれた。

優勝後のインタビューで、司会者にその時の気持ちを問われた深浦九段は、佐世保にいた子供の頃から見ていたNHK杯で優勝することが出来、夢の中にいるような思いですと答えておられた。

そうなのだ。故郷に住む彼を応援する多くの人たちが見ているNHK杯で活躍したいと願っていたのは誰よりも彼自身だったのだ。今回、彼がNHK杯で優勝を成し遂げたのを見てそう思えた。

深浦さん、優勝おめでとうございます。心よりお喜び申し上げます。