近所のドラッグストアで
レジでお会計をしていたら
「ビビ―ッ」っと、万引き防止扉が鳴って
私の前でお会計をした思春期男子が
屈辱を味わっていた。
どうやら入る時も鳴ったらしい。
バックをごそごそ取り出した
以前買った整髪剤から防止用ラベルが
外されていなかったようだ。
「使った痕もあります!」と、蓋を開けて
身の潔白を訴えていた。
チラ見したところ、
精一杯いじった髪の毛で、
毎朝たいして変わんないのにせっせと
頑張っている光景が目頭に浮かんだ。
「なんだよ。」と、小声で不快感を表す男子。
お買いものしたってのに
行きも帰りも万引きの疑いをかけられたら
そりゃぁそうだ。
若い女の子の店員さんが帰り際に
深々と謝罪をしたら
眼鏡男子は、若干照れながら笑って行った。
怒るどころか、若い女性にご挨拶をうけ
嬉しい出来事に変わってしまう
思春期の男子に物悲しさと共に
健全な精神を垣間見たのだった。
そして、私もお会計を済ませ
扉を出た時に「ビビーッ」と、鳴った。
なってこった。
そんなこんなの騒動で
レジのおばさんが動揺し
タグを外し忘れた様だ。
おばさんと言うのは、なぜにあんなに
ピンチに弱いんだろうなぁ。
と、うちのおかんだったら・・と、想像したら
慌てふためく様子が浮かび
物悲しさを感じた次第だった。
* 初夏の美しい大通り公園。