約40年前に大ブームになった純愛物語「愛と死をみつめて」のテレビドラマを観た。二人の救いのない悲しさや切なさに、20年前の手術を前にした自分や周りの情景がオーバーラップした。そして、そのときに心境を記述した書き物がここに・・・・・。
負けっぷり悪く最後まで粘れ
胃を切る前に入院していた病院を抜け出して伊勢へ遊びに行った。内緒のはずが看護婦にばれた。「どうせ胃を切りとってしまうのだから、胃に悪いモノでも何でも、好きなモノを腹一杯食べてきたらよかったのに・・・・。」皆がそう思うのはもっともなことだ。だが、手術を前にした者は、たとえ腹を切られる瞬間までも、命を大切にして、なんとか手術が無事に終わって欲しいと願うものだ。
この後、胃ガンで3年の命と宣告された私の手術が始まった。「生きたい、どうしても生きたい」。当時のことがよみがえり、今こうして元気に生かして頂いていることに、感謝、感謝の気持ちで一杯です。