本と猫好きの日日社会メモ

本当の豊かさって何?などとたまに考えつつ、日日生活に流されながら、猫と戯れ本を読む・・そんな毎日を時々アップします。

労働問題に携わった1年を振り返って

2011-04-16 06:44:37 | なるほど・備忘・お気に入り&その他雑感
4月も半ばを過ぎて、福岡ではもう桜の見頃が終ろうとしています。

今年は統一地方選の年で、我が組織の首長さんも交替の予定です。

そのため例年は、4月1日に行われる人事異動もまだ行われていません。
毎年、新体制で新しい年度を迎えることに慣れてしまって、新体制=新年度という頭になってしまったようで、自分の中で新しい年がスタートしていません。

そうはいいつつ、昨年度まったく未知の領域に飛び込んで1年、この辺りで1年を振り返ってみようと思います。

現在、本庁庁舎を約20年ぶりに離れ、自宅から約1時間半かけて今の事務所に通っています。
いままでGDP統計など、二次統計の作成に携わったり(カッコよく聞こえるけど分析よりもデータ集め)、ある社会保障制度の運営指導、男女共同参画、ある新施設の整備などに関わってきましたが・・労働相談業務を命ぜられました。

労使間の紛争解決ということで、労働者、使用者双方から労働に関する相談を受け、解決に向けた助言をしていく組織で、労働基準法に関し指導・監督権限を持つ労働基準監督署のように法違反に厳しく対応ができる組織ではありません。

そのため、相談を受けた問題について、労使双方からお話を聞いて、妥協点を見つけていくという方法を主に取っています。

最初に「助言」と書いたとおり、相談を受けて、解決策を提案するのが仕事で、相談者はその解決策から自分で判断し、自分の方法で相手方と交渉をしていくことになります。相談者の代理人になるわけではありません。

そこが相談者に何度説明してもわかってもらえない時があって、「じゃ、私はどうしたらいいの?どうしてくれるの?」っと言われて、いえいえ自分で考えてくださいという話になります。そもそも賃金未払いになって困って相談をされる場合も、相談される前に会社に払ってと請求しましたか?と尋ねると3人に1人くらいの割合で、いえ請求していませんとお答えになり、「・・・」となってしまいます。
こういう場合は「まずはご自身で請求してください。会社と話してください。」という話になります。経営上の問題、ご本人の問題など、そもそもなんで未払いになっているのか詳しい事情がわからなければ、こちらも対処のしようがないのですが、相談者が会社とまったく話をしておらず、先に進めないことがよくあります。
解決してよっと頼るだけだと相談を受ける側もお手上げになってしまいます。

ですから逆に言えば、自分できちんと解決しようと考えている方でしたら、組織が蓄積したものを総動員して、できる限りのアドバイスをさせてもらいます。

ついでですが、よくある話で、相談を受けていると会社に連絡もせずに休んでるとか、急に行かなくなったとか。会社から携帯電話に連絡しても連絡がつかないとか・・

両者解決するためには、まず相手ときちんと話をすることが大原則なのですが、そこができてない場合が多い事が驚きです。・・例は労働者側の話ばかりですが、経営者ももちろんあって、話に来た労働者を怒鳴る、叱る、会わないなどなど、労働者の方が立場が弱いことを考えると、許せないと思われる行為が経営者にもいっぱいあります。

感情がもつれてしまうと話もしたくないってことになりますが、そこは仕事ですから、きちんとやるべきことはやって欲しいなっと思います。

たった1年間なんですが、いろいろ考えることがあって書き出すと終わらないってことがわかりました。

それで、相談を受ける側として大切だと思ったこと

1 淡々と事務的にこなす
あたりまえじゃない?と言われそうですが、困った相談者を見ると相談者の言うことを同情して聞いてしまう。
また、「役所は何もしてくれない。」を返上したいと心の片隅で思ってしまう。
しかし、相談者目線になってしまうと見えるべきものが見えなる。それが解決を遅らせてしまい、相談者にいい結果をもたらさない。
冷たいと言われようが、だから役所はと言われようが、自分の感情は動かさず、淡々と処理すべきだと思います。

2 法律、判例、過去の事例を常に見ておく
CPU(マイ頭脳)の性能が悪い、記憶力低下、その上に始めたばかり 三重苦を背負っています。
そのために忘れないってこともありますが、幅広く知識を入れておかないとよりよい解決策が出てこない。
組織でやっていますので、難しい案件は全相談員で検討をします。でも最初の「解決案」が的を得ていないと全員で話しても解決の方向性を誤る可能性があります。
相談を受けていると簡単な事例で電話だけで済むもの、単なる愚痴が全体の8割ぐらいを占めるんじゃないかと思いますが、2割(あるいはもっと低い割合かもしれませんが)のモノは、広い知識があったからこそ解決策が出て来ただろうと思うものです。わからない時は詳しい人に聞くという方法もありますが、やはり自分がこれだというものを見つけられるようになりたいと考えています。

混乱した相談者の話を聞きながら、頭の中に解決への道がスッと一本見えてくる、その瞬間がたまらないですから、よりよい解決策を助言できるように、また1年頑張っていこうと思っています。


コメント
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