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ブログ版 雪たんけん館 ~雪の学びを世界の子供たちへ~

雪の総合的な学習に役立つHP『雪たんけん館』とリンクして、北海道各地の雪情報や冬に関係するエピソードをお伝えします。

冬の生活2

2006年03月20日 23時26分55秒 | Weblog
さてさて、どこが冬の生活なの?
という声が聞こえてきそうです。お酒の話じゃない、って?

皆さん日本酒はいつ造られるでしょうか?
一年中作っているのではないの?それはほんの一握りの大手工場だけのお話。
日本にはおよそ1500の蔵元があります。ちなみに北海道には14の蔵元があります。
そのうちの一割くらいが大手と呼ばれる蔵元で残りの9割は中小零細企業なのです。
9割の学校が僻地校である・・・どんな感じですか?ありえませんよね。
その9割の蔵元では日本酒を冬に造っています。
なぜか・・・それはこれからのお楽しみ。

本題に入りましょう。昨日の続きです。
酉へんに元と書いて「もと」と読みます。昨日の字覚えてますか。
文字通り日本酒を作る「もと」になります。
酒母とも呼ばれるこの日本酒の「もと」は酒母用の麹と水、それに酵母で造ります。
麹はでんぷんを分解する麹菌というカビが活躍する話でした。
酒母(酛)は日本酒の成分であるエチルアルコールをつくりだす酵母という微生物
が活躍します。
ものが発酵する段階では酵母菌があるのは皆さんどこかで聞いたことがあるでしょう。
ワイン酵母、ビール酵母、パン酵母なんていうものがあります。
日本酒を造るというのは、でんぷんをカビが分解して糖分にし、微生物が発酵させて
アルコール分を造り出す。という神秘的な化学反応なのです。
詳しい発酵の話を書き出すとそれだけで相当量の原稿が必要となりますし、
皆さん読みながら寝てしまいそうなので(理科専門の方を除いては)機会があったら。
ちょっとだけ触れておくと、空気中のある硝酸還元菌が亜硝酸に変化し、
乳酸菌が増殖を開始します。乳酸の生成が始まると硝酸還元菌は乳酸に弱いため
乳酸の増加に伴い死滅します。亜硝酸の生成が停止されると清酒酵母が増殖をはじめ
アルコール発酵が始まるのです。大丈夫ですか、寝てませんか?
この発酵の段階でりんごやなし、白ぶどうや花のような香りを醸し出すのです。

今日は日本酒の造り第二段階でした。
いよいよ明日、最終段階へと突入すると同時になぜ「冬の生活」なのか。
種明かしいたしましょう。

日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会認定 きき酒師
認定番号13137号

冬の生活

2006年03月19日 20時53分57秒 | Weblog
まつだです。
一週間お付き合いくださいませ。

さて、冬だの雪だの何を書こうか迷いましたが得意ジャンルでいきましょう。

蔵人の一年は入蔵に始まります。
松尾様(注1)に今シーズンの無事をお祈りして蔵を丁寧に清掃します。
ほんの少しのカビでも造りに影響しますので入念に磨き上げます。

まずは小手調べに普通酒の仕込から入る蔵元が多いようです。
近年は自家精米をする蔵元が減ってきておりJAから購入した精米を洗米します。
そして浸漬および水切りです。浸漬は生の米のでんぷんを糊化する(α化する)
ために必要な作業です。水温は10度から15度。水分の吸収率は杜氏によって
秒単位で管理されます。精米歩合75%の白米で吸収率は約28%程度です。
次にでんぷんのα化をするため米を蒸します。外硬内軟でさばけが良いものが
良しとされます。蒸し米は小さな真珠のようです。
α化した米に麹菌をまいて麹米を作ります。
ここででんぷんはαアミラーゼになります。この酵素がでんぷんを分解してくれます。
日本酒にはアミラーゼの強い黄麹菌が使われます。ちなみに焼酎には白麹、
泡盛には黒麹が使用されます。黄麹はクモノスカビの一種で5~10ナノミリくらいです。
蒸し米は麹菌にとって適度な水分と栄養分を含んでおります。
さらに麹室は麹菌の増殖に最適な温度と湿度を兼ね備えており急激に増殖をします。
胞子を接種してから20時間くらいで増殖が増大し48時間くらいで最大に達します。
酒造りは一麹二酛三つくりといわれるほど麹つくりが大切になります。

では、少し話がむずかしくなったところで今日はここまで。
あしたは酛のお話を・・・。

注1:松尾様
   京都の松尾大社に祀られている酒の神様。酒特神という酒を賞味する神様で
   酒造りに励む意味もあり、全国の蔵人が酒造りの無事を祈るありがたいものです。

日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会認定 きき酒師
認定番号13137号

鳥たち

2006年03月17日 22時38分32秒 | Weblog
だいぶ冬の鳥たちがいなくなりました。
海岸の断崖に見られたオジロワシが姿を消しました。
春が近くまでやってきている証拠ですかね。
今度はいつ、カッコウやウグイスの初鳴きが聞けるのでしょうか?
また、虫たちも動き出しました。
今日は蛾の幼虫が動いているところを見ました。
ただ、今の学校前の積雪は120cmほどです。
札幌の約3倍!!
本当に今年の後志は雪が多いです。

学校の周辺

2006年03月14日 23時54分28秒 | Weblog
今日、学校の周辺で遊ぶことになりました。
うちの学校はグランドが山の上にあるので、冬場はまったく行くことができません。
ですから、雪プロが推奨しているグランドを遊び場にということができないのです。
今日は朝から雪が降っていたこともあって、グランドに行くにはちょっと苦労しました。
グランドから下にある道路(冬場は除雪が入らず通行止め)までは20mの急坂。
ビニールの袋を尻に敷いて思いっきり滑りました。
ものすごいスピードが出るので、子どもたちもビビリながら滑っていましたが、
ものすごい楽しかった様子でした。
まったく人が入った気配のないグランドには、たくさんの動物の足跡が。
確認できただけでも、キタキツネ、エゾユキウサギ、テン、エゾヤチネズミ。
おそらく、ネズミやウサギを追ってきたキツネやテンがいたのだろうと思います。
冬の学習を行ってきたわが3年生には、
どんな動物かを当てるのには簡単すぎたみたいです。
ちょっと写真を撮れなかったのが残念でした。
(遊び終わるとみんな汗だくでした。風邪ひかなきゃいいけど…)

                     Don

森の動物たち

2006年03月11日 23時24分53秒 | Weblog
歌才ブナ林には、動物たちも数多くすんでいます。
冬に備えて体色を変えたエゾリスやイタチの仲間、ウサギ。
雪と地面の間にトンネルをつくって生活するネズミの仲間。
巣穴のある木の周りを尿や糞で汚しているモモンガ。
そしてこれらの小動物を追いかけて歩き回っているキツネ。
などなど…。
夏にはササに覆われていて行けない場所も雪上なら簡単に移動できます。
足跡が雪の上に残っているので、それから詮索するのも面白い。
歌才ブナ林はそんな森です。
今年は黒松内のシンボルであるクマゲラも姿を見せたとか。
ちなみに、黒松内町のカントリーサインにはクマゲラが大きく描かれています。
動物たちの冬については、雪プロHPで確認してみてください。

かんじき

2006年03月10日 22時25分20秒 | Weblog
今回はかんじきについてのお話を…。
さて、かんじきブナウォッチングツアーで用いられる
かんじきですが、どういうものか、知っていますか?
真冬であれば、ホームセンターなどで売っているので、
知っている方も多いかと思います。
黒松内で使われているかんじきは、渋谷式というもので、
黒松内に住んでおられた故渋谷吉尾さん
(黒松内に住んでいる人は渋谷の爺ちゃんと呼んでいました。)が
つくっていたかんじきを使います。
かんじきはどちらかというとかた雪の上を歩くのに適しています。
大きさがあまり大きくないので、新雪の上には適さないと思います。
(新雪の上はスノーシューですかね。)
雪の上を歩く知恵ですね。
ところで、「かんじき」という漢字があるのを知っていますか?
木へんに田に糸と書きます。
常用漢字ではないので、書き表すことができません。
意味は…、調べてみてください。
                  Don

大きな木

2006年03月09日 23時27分31秒 | Weblog
さて、黒松内のブナ林は3つあります。
「歌才ブナ林」「添別ブナ林」「白井川ブナ林」です。
この中で、天然記念物なのが歌才ブナ林。
入り口は黒松内市街地から徒歩10分のところにあります。
そこから天然記念物のブナ林までは800m。
小さな川を渡ったところにあります。
最初は急な上り坂。けっこう息が上がります。
そして、一段落したところに大きなブナの木が3本生えています。
直径は120cm位でしょうか。樹齢は200年弱です。
この奥に、歌才ブナ林のご神木とされてきたミズナラの大木があったのですが、
2004年の台風18号がもたらした強風で倒れてしまいました。
私も何度もこの木のそばまで行っています。
昨年のかんじきブナウォッチングツアーで倒れたあとの様子を見たときは
胸が詰まりました。今はその切り株(倒れ株?)だけが残っています。
ただ、自然の森は、倒木したところから新しい木が大きく成長していく
「倒木更新」によって、その姿を後世に残していきます。
このミズナラの大木のあとに、どんな木が大きくなっていくのか、
見守っていくことになりそうですね。
                   Don

冬のブナ林

2006年03月08日 23時01分17秒 | Weblog
北海道の黒松内町には、北限のブナ林が存在します。
「ブナ林」といえば、世界遺産にも指定されている
「白神山地」が有名ですが、ここ黒松内のブナ林は、
昭和3年に天然記念物に指定された原生林です。
過去何度かの伐採の危機を乗り越え、今日に至っているブナ林。
四季を通じていろいろな表情を見せてくれます。
私がもっとも好きなのが冬のブナ林。
「葉も落ちて、何とも味気ない風景じゃないの?」
と仰る方も多いのでは。しかし、冬は冬ですばらしい表情を見せてくれるのです。
かんじきをはいて、かた雪となった森の中を歩けば、
自然の雄々しさを感じることができますよ。
                     Don

ご近所の底力

2006年03月05日 22時42分36秒 | Weblog
 「まち」の話題になったところですが、ちょうど2日のNHK番組「ご近所の底力」では、雪に負けない「まち」の取組が紹介されていました。
 札幌からは、通学路に砂撒きをしているPTAボランティアの方々です。
 言うは易く行うは難しで、砂を準備し、ボランティアを呼びかけ、春になれば撒いた砂の清掃をするというのは、簡単なことではありません。でも、今年は地域の土木センターでも、1回にドンとたくさん砂をくれなくなったところをみると、砂を撒こうという人が少しずつ増えているのかも知れません。
 番組の最後の方で、おばあちゃんが「昔は籾殻を撒いていた」という話をしていましたが、そういえば私は、昔、石炭ストーブのあくを玄関先に撒いていた記憶があります。
                             (ゆ)

雨降りの翌朝

2006年02月27日 21時15分02秒 | Weblog
 「雪たんけん館」のブログなのに、「春よ来い!」みたいなことを3回連続で書いてしまいました。そこで今日は、「雪はいいな~」という話を書こうと思ったのですが、そうもいかないようです。
 今日は雨降りの翌朝。気温が下がったために、道路はあちこち凍り付いて、この冬で多分一番滑りやすい状態になってしまいました。
 早速、学校の砂袋をかかえて通学路に撒きに行きましたが、すれ違う子は「先生、3回も転んだよ」「家の前は歩けないよ」などと話していました。
 子供だけでなく、お年寄りや買い物などの荷物を持った人も通る道です。(もちろん、そうでない人も通ります。)冬に強い「まち」って、どんな「まち」だろう。そんなことをちょっと考えさせられた朝です。
                         (ゆ)