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つれづれなるままに・・・・

アナログ/ビートたけし

2018-01-24 | 読書

めっちゃめっちゃ寒い松江です  今日はほとんど氷点下でした>_<

 

さて、予約してから随分順番回ってくるのに時間がかかりましたが スラスラ読めました

アナログの題名のように ちょっとアナログな主人公のインテリアデザイナーの悟と

悟を女手1つで育ててくれた母、親友っていうか悪友の2人、喫茶店ピアノで出会ったみゆきとのお話

ネタバレになるので詳しくは書きませんが

スマホなど今は便利になって待ち合わせ一つにしても遅れるとか連絡取れますが

昔はそうじゃなかったこと・・思い出しました

初めて東京に行った時 先輩と渋谷で待ち合わせしたけど バイトの都合で30分ほど待つ羽目に

連絡もつかずしらない場所でどうしよう??っていう気持ちはよく覚えてます

 

喫茶店ピアノで悟とみゆきがたまたま出会い お互いの連絡先を聞くことなく

毎週木曜日の夕方にピアノで会えれば 交際を続けようと約束するんですが その時のみゆきの言葉がいいな^^

 お互いに会いたいと思う気持ちがあれば 絶対に会えますよ だってピアノにくればいいんですもの

 

悟が急な仕事や出張でなかなか会えない中 再会した時 みゆきが演奏会に誘って出かけたんですが

それが小林研一郎指揮の ベートーヴェンの運命、ベルリオーズの幻想交響曲、スメタナの我が祖国という

普通の演奏会ではありえない豪華で重たいプログラム  こんなプロなら私も行きたい>_<

クラシックの演奏会  周りがスーツやドレスで急な誘いで服装どうしよう??とか気にする悟の行動は

私がクラシックは初めてだという友人をサントリーホールに連れて行った時と同じで

思い出して思わず笑ってしまいました  タキシード姿の楽団員を紹介しても落ち着きないし(笑)

と 私のお得意ジャンルになってどんどん話に引き込まれたというか その光景が浮かびました

クラシックの話が出てくるからこの女性はきっと音楽家だというのはわかりました

予想通り みゆきが音楽家で 引退した天才ヴァイオリニストであった

プロポーズしようと指輪を買ってからなぜか会えなくなり

その後 大阪への出向や悟の母の死・・1年以上がすぎ指輪を捨てようと現場に出かけ

たまたま近くにあったCDショップで悟はみゆきらしき人のCDを見つけます

友人が調べると みゆきと言う名前も偽名で

本当はナオミで外国人と結婚していたが夫が亡くなっていたことを知る・・

そしてピアノでプロポーズしようとしていた日に交通事故に遭い

みゆきは事故で車椅子生活で脳にも障害が残りリハビリ施設に通っていたのです

再会して2ヶ月後一緒に暮らし始めます

アナログ人間だったのにみゆきの介護と仕事を両立させるために PCなどデジタル機器を駆使します

みゆきの笑顔は・・・まるで仏のようなもっと大きな愛を感じさせる。子どもの頃アパートで一人、

時間を持て余し泣いてた自分を、帰ってきた母が隣に座りずっと見守ってくれている。あたかもそんな気がした

とありましたが たけしさん  お母様のこととても大切に思っておられるように感じます 

そして、たけしさんの言いたいことは 親友の山下の言葉にある気がしました

 

今どきの何でも手軽に連絡を取り合う人間関係、それじゃ悩んだり心配したり心の葛藤がない

時代に逆らうようなアナログな付き合い方、それが本当の恋愛かもしれない

 

そして みゆきの日記の

 今時スマホを持ってないと仕事なんてできないよ、と言われたけど、

人と人の関係を作るのに一番大切なのは、会ってる時の信頼感なんじゃないだろうか

 

という言葉だと思いました 

人との付き合いって面倒なこと多いけど それを乗り越えるから結び付きが深くなるように思えます

みゆきという人は 焼き鳥屋のカウンターで焼酎飲んでみたいから連れてって欲しいとか

芸術する人って他の人から見ると不思議ちゃんなんでしょうか!?

結構アナログな考え方だし芸術に関わってるってことで たくさん共感できました

友人たちの会話は芸人たけしさんの仲間との会話のようにも思えました

たくさん本を読む自分としては 文章が・・とちょっと思いますが 昭和生まれの私はほろっとしました

暴力的な内容の多い映画を撮られるたけしさんのイメージとちょっと違いピュアな内容です


挑み続ける人生/加藤一二三

2018-01-18 | 読書

昨年プロ騎士を引退しひふみんの愛称で知られる天才棋士加藤一二三九段の本

流行語にも選ばれたひふみんですがひふみんは凄い棋士なんですよね

藤井聡太棋士が14歳2か月でプロ入りの記録を塗り変えるまで

加藤九段が14歳7か月という記録を持っていて
63年間に渡り棋士として

一線で戦っていて本当にすごいことですよね

この本には将棋以外のことを語っていることが興味深かったです

勝負・人生・家族について・・・そしてしてクラシック音楽の話まで^^

クラシック音楽と演奏家と将棋の共通点とか

スランプに陥っていた時にモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番を聴いて脱出できたとか!?

ヴァイオリニストの高嶋ちさとさんも同じような時 同じ曲でスランプ脱出できたというのも

なんだかすごい偶然ですがモーツァルトが天才なんでしょうね

クリスチャンとしての話も興味深かったです

先日日野原先生の本を読んだばかりだったので余計に響きました

中でも旧約聖書の話・・

戦う時は勇気を持って戦え、敵の面前で弱気を出してはいけない

あわてないで落ち着いてことを進めろ

これが将棋の心構えに通じてるというのはなるほどだし

私にもこういう事あてはまる場面が多いので参考にさせて貰います

とっても人間味のあるひふみを感じました

私もまだまだ負けずに頑張らないと・・・


今日すべきことを精一杯!/日野原重明

2018-01-16 | 読書

昨年亡くなられた医師の日野原先生の新書です

時々先生の本を読みますが毎回感銘を受けます

この本は 人間は死ぬ宿命のある生きものであるということ

人間が最期を迎えるた時に幸せだと感じて生きるためには・・と言うことが書かれていました

ターミナルケア、緩和ケアなどのことも書かれていましたが

確か病院で管にたくさん繋がれて死ぬ選択以外にも

自分らしく死を迎えることもできるんだなと改めて感じたりもしました

 

中でも興味深かったのは 生きていることへの実感についてでした  本の中で

[私は考える。それ故、私は存在する]というデカルトの有名な言葉があります。

この考える実体と感じる実態とは、私という体の中でそのような体感を持つことなのです。

〜略〜  健やかな体を許されてる間はこれをほとんど意識せず

先が危ぶまれるという体験を持つ時に初めて生よりも先に死を深刻に考えるのです

とありました   全くその通りです

だからこそ

将来のことをいたずらに思い煩わず、今日すべきことを精一杯やりなさい

とおっしゃいたいのでしょう

身体的に健康であるというだけでなく人生の充実とは何かを追い求めてきた先生

先生ご自身のがそれを最期まで身をもって示してくださった気がします

人生折り返した自分ですが 確実に死に向かって進んでる中

子ども達の後悔しない人生とは?

それを実現するためには自分の目の前のことを一生懸命する!

このことが一番大切であると改めて心に刻むことが出来た一冊です


心と生き方/稲盛和夫

2017-12-27 | 読書

京セラ会長の稲森和夫さんの一冊

私は稲盛さんの本が好きで特に「生き方」はもう何度も読みました

この本は稲盛さんの講演で話された内容でしたが、稲盛さんの言葉はいつも一貫しています

それは 「心のあり方」 

人生も仕事も「こころのもちよう」「こころのあり方」「考え方」を変えるだけで変わる

今回も 人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力であるとか

災難をも感謝の念で受け止める、善行、利他行が運命を好転させる

稲盛さんの本を読むたびに毎回そういう行動ができているか 自分を振り返るきっかけになっています

今回本を読んで まだまだだなって反省しました^^;

本の最後には特別講話「私を支えた人生哲学―振り向けばいつも西郷南洲翁の教えが」載っていました

特に敬天愛人のことが詳しく書かれていました

私は西郷隆盛についてはあまり詳しくないのですが

敬天愛人を座右の銘としていて学問の目的を述べたと言われています

稲盛さんもこの言葉を大事にしておられるそうで

京セラの国内外の工場のすべてに 敬天愛人の書が掛けられているということです

また興味深かったのは

山形の庄内地方は西郷隆盛を大変敬愛する思想があって

西郷南洲遺訓集を出したそうですが その遺訓集の言葉がとてもよかったです

己を愛するは善からぬことの第一也

幾歴辛酸志始堅(いくたびかしんさんをへてこころざしはじめてかたし)

など 印象に残る言葉がたくさんで読んでみたくなりました

 


悩むなら、旅に出よ。/伊集院静

2017-12-23 | 読書

ダイナースクラブ会員誌シグネチャーの連載の紀行文を集めたものです

旅だから出逢えた言葉の続編で旅が好きな私には読んでいて楽しいです

私が旅に出たり子ども達に旅を勧める理由は

この本にも書かれていた言葉と同じです

「若い時に旅に出なさい、と先輩たちがすすめるのは

人が人に何かを教えたり、伝えたりすることには限界があり、夜のつかの間

後輩たちに語って聞かせる人生訓がいかに周到に準備されたものであれ

そこにはおのずと言葉によって伝達する壁がある

「百聞は一見にしかず」とはよく言ったもので

百回、エジプトのギザのピラミッドの大きさを聞くより

一回、本物を目にすればすべてがわかるのである」

だから よく生徒達にも言うのですが

動画サイトで音楽聴くのではなく

一度コンサートホールでコンサート聴いてみて欲しいと・・・

クラシックじゃなくて 好きなアーティストでもいい

あの場所に行かないと感じることのできない空気感や臨場感

それを是非感じて味わってほしい・・

何かを感じるという瞬間って生きていく上でとても大切なことだから

 

伊集院さんが体験したことや出逢った人との話は興味深い話ばかり

加えて その人の一言が短いけど深くてなるほどって思いました

中でも作家の城山三郎さんの

そこに行かなくては見えないものがあるのでしょうね   

登山家の三浦雄一郎さんの

エベレストの頂上は 歩いて行ける宇宙です

が印象に残りました

短編なので どのエピソードも読みやすい一冊でした