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つれづれなるままに・・・・

再発!それでも私は山に登る/田部井淳子

2017-03-06 | 読書

昨年亡くなられた登山家の田部井さんの新刊

ガンが再発してからのことが日記でつづられていました

日に日に体力が衰えていく中で山に登り続けておられたことは脱帽です

それも日本じゃなくて海外のいろいろな山に登りに行かれてること自体がすごいなぁと

ガンマナイフ治療や抗がん剤治療で辛いこともあったと思いますが

常に先の予定を決めてそれを目標にして生きられたのかな?と思いました

登山は勿論講演活動も最後まで続けられて最後の登山は東北の高校生との富士山登山

この富士山登山の模様はTVでドキュメントで放送され知る方も多いと思いますが

改めて日記形式のこの本を読んでいくと未来ある子どもたちへの思いや山に対する思い、家族に対する思い、

自分の人生の終わりが見えてくるとまた違う視点でものを見ることが出来るのでしょうね

TVで笑顔で見守る田部井さんでしたが実際は副作用や痛みでかなりしんどい思いをされていたことを知り

まわりの人への配慮で気丈にふるまっていらしたんだなと・・・

 

私自身同じ立場になったらきっと最後まで自分らしく行動するように思いますが

彼女みたいにタフな生き方はできないかも・・・です

本の最後に夫である政伸さんの手記がありましたが

病気のことや二人の出会い、そして結婚後の生活、山の話いろいろかいてありました

特に淳子さんが亡くなる前に政伸さんにあてた手紙は短くてさりげないもので書くこともしんどそうな字だったけど

とても奥深くて泣けました

この手記を読んでいるとお二人が互いの生き方を尊重しておられるのがよくわかって

政伸さんあっての登山家の淳子さんだと思いました

最後に手書きで書かれた淳子さんのメッセージは

みなさん本当にありがとう!! ありがとう!! 百万遍もありがとう!! 田部井淳子


女のいない男たち/村上春樹

2017-02-18 | 読書

村上春樹が好きなのになぜかまだ読んでいないことに図書館へ行った時に気が付いて

短編小説を集めた本を借りて帰りました

内容は死別や離婚とか不倫とか、女性と様々な別れを経験した男の話でした

なのでちょっと重くて暗い内容でしたが

男性の視点でパートナーとの関係や思いが書かれていた感じがして

女性から男性を見ると何を考えてるんだろう??と思えるようなことも

男性は男性でいろいろなことを考えたり傷ついたりしているんだって改めて感じました

相変わらずの性描写ですが、なんていうのか結局地球上に男女しか存在しないのだから

私も想像できないような様々な関係があるのかな?なんて思ったりしたしました

この本は性と死がテーマだったりするのかな!?

性や死など淡々と表現されてるんですが、逆にそこから内面の美しさっていうか

そういうのを感じられる文章を書かれるのが村上さんらしい気がします

というわけでこの本もあという間に読み終えてしまいました

私はシェラザードと木野がよかったかな

女の人を喪失した男性の心情が興味深くて楽しめました

 

来週新刊が発売されるのがとても楽しみです


本日は、お日柄もよく

2017-02-05 | 読書

娘に勧められてWOWOWのドラマ「本日は、お日柄もよく」を見ました

原作は原田マハさん・・・私はまだこの本を読んでいないのですが

娘が原作がとても面白いということで今回のこのドラマ楽しみました

昨夜は最終回・・・あっという間の4回でした

ドラマの内容はスピーチライターのお話で、主人公のこと葉が結婚式のスピーチライター久遠久美のスピーチに感動して

すぐに弟子入りして、幼馴染の選挙のスピーチライターとして選挙を戦っていく話

言葉はお金や権力よりも強い・・・なるほどなって思いました

ドラマで出てきたスピーチの極意・・・人に何かを伝えることも多い仕事なのでとっても参考になりました
 
1.スピーチの目指すところを明確にすること。
2.エピソード、具体例を盛りこんだ原稿を作り、全文暗記すること。
3.力を抜き、心静かに平常心で臨むこと。
4.タイムキーパーを立てること。
5.トップバッターとして登場するのは極力避けること。
6.聴衆が静かになるのを待って始めること。
7.しっかりと前を向き、右左を向いて、会場全体を見渡しながら語りかけること。
8.言葉はゆっくり、声は腹から出すこと。
9.導入部は静かに、徐々に盛り上げ、感動的にしめくくること。
10.最後まで、決して泣かないこと。
 
ドラマの中で出てきた言葉の中で心打たれたのは
 
困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい
三時間後の君、涙がとまっている 二十四時間後の君、涙は乾いている
二日後の君、顔を上げている 三日後の君、歩き出している
 
落ち込んだ時こんな言葉をかけられたら前を向いて歩いていけそうな気がしました
 
ドラマの初回の冒頭と最終回の最後は同じ言葉でした
 
作曲家ショパンを苦しみながらも生涯愛し続けたフランスの作家ジョルジュ・サンドの言葉

愛せよ。人生において、よきものはそれだけである
 
すがすがしい気持ちで見終わることが出来ました!
 
先日のブラームス同様ショパンの話をしたいところですがグダグダになりそうなのでまたいつか・・・

葉加瀬太郎の情熱クラシック講座

2017-01-29 | 読書

最近子どものことや大雪で読書時間が減っていたのですが、気分転換に軽く読める本を読んでみました♪

人気ヴァイオリニスト葉加瀬太郎さんが音楽の歴史や知識、作曲家のエピソードを楽しく書いています♪

勿論私自身知っているエピソードや知識も載っているので、そうそうと思わず相槌を打ったり

何度聞いても笑える話は一人でクスクス笑ったりしながらあっという間に読めました♪

中でも葉加瀬さんの大好きなブラームスの話はかなり詳しく書かれていました

ブラームスお勧めの曲まで詳しく紹介されています

私もその気持ちわかります…なぜなら私も大好きだからです♡

家で読書をしたり家事や事務仕事をしている時よく流しています

紹介されていた曲でよく聞くのは交響曲1番、2番、4番、バイオリンソナタとクラリネット五重奏

どれもブラームスの代表曲

中でも私は交響曲とクラリネットの作品が好きでよくクラリネットソナタや五重奏曲聞きます

 

ブラームスは音楽史上ロマン派に属する作曲家ですが、彼の人生もとても興味深いです

やはり自分の先生であったシューマンの奥さんのピアニストであったクララとの関係です

音楽家には何かしらのロマンスがあるのですが、このクララとブラームスは究極っていうか・・・

本にも書かれていましたが、クララの夫のシューマンは精神を病んでいてライン川で投身自殺未遂を図りますが

療養所に収容されて亡くなるまでの2年間、ブラームスはシューマンの家に住み込みみたいな状態で

クララや8人の子供の面倒を見ていてクララの相談相手にもなっていたそうですが

シューマンが亡くなってからは距離感が生まれ恋愛が親密な友情に変わったそうです

でも・・・私も葉加瀬さんと同様ブラームスは生涯クララを愛していた・・永遠の恋っていうか愛を貫いたと思います

葉加瀬さんはクララの息子フェリックスはブラームスの子だと言っておられますが真相はどうなのでしょう!?

夫のシューマンの最後の言葉は、僕は知ってるよ・・という意味深な言葉だったらしいので二人の関係を疑ってたのでしょうか!?

因みにクララはブラームスより14歳年上です・・・クララはブラームスにとって女神だったのでしょうね

ブラームスは先生であるシューマンを敬愛していたから結婚には至らなかったと思いますが

間違えなくこの二人はお互いを尊敬しあって深い愛情で結ばれていたと私は思っています

クララが亡くなって1か月後くらいからブラームスは急激に衰弱して1年後に亡くなりましたから

生きていく上でクララが支えになっていたのでしょうね・・・

そしてクララも・・・ブラームスの誕生日を祝う手紙が絶筆ですから・・・

なんだか女性の私からすると羨ましいくらい愛されていて、クララってよっぽど魅力的な人だったのでしょうね

今みたいにメールでやり取りは出来ないから2人は手紙のやり取りをたくさんしていて

二人の書簡集をいつか読んでみたいと思っています

 

と・・・私も葉加瀬さんのようにブラームスを語ってしまいましたがそれくらい素晴らしい作品ばかりです

作品に込められたクララへの愛のメロディーは本当に美しく素晴らしい♪

葉加瀬さんの本の話をするつもりがブラームスの話になってしまいました

いろいろな作曲家の話が時代を追って書かれているのでクラシックに興味がない人でも楽しく読める一冊です!


「身体」を忘れた日本人/養老孟司 C・Wニコル

2017-01-19 | 読書
ベストセラー バカの壁の著者の解剖学者の養老孟司と、
 
長野の豊かな自然に身を置きき森林の再生活動を続けるC.Wニコルとの対談本
 
お正月にこちらでニコルの特番が放送されていて、たまたま図書館で目に入ったので読んでみました
 
 
中でも私は、子どもたちと教育のことについて書かれていたところが印象的でした

養老さんが「いまは教育制度を維持するために働いてる。
 
つまり、先生は自分の給料を出してくれるところに忠誠を誓っていて、子供は付録になっちゃってる」

そして、親は先生に期待していないのでは、とも言われてました

「親は子どもを変えてもらうなんてとんでもないと思ってると思いますよ。むしろ、変わったら困ると思ってるんじゃないかな」

たしかに・・・

加えて、ある中学生が書いたものに、花鳥風月が一言も書いてなくて、人間の世界の話ばかりだったで

人間の世界に小さい時から完全に巻き込まれていて逃げ場がないと・・

また、母親は本能的に自分の世界から子どもを出すまいとするけど、それで母親の世界からでられなくなるとか

五感の話では絶対音感の話など、身体感覚がどんどん喪失しているのではないかなど

現代人が自然とのかかわりが減ったことで身体を忘れているのでは?ということが2人の対談からよく伝わり、

またそれをどう改善したらいいのかという話はとても興味深かったです

確かに、自然を知らない子供たちが大人になって社会を作って行ったらどんな社会になるのでしょう??

 

そして、何よりも一番衝撃的というか納得したのが

田舎の人の方が頭の中が都会化している

理由は、テレビやネットがあるし、車を使うから身体を動かさない

親が送り迎えをするから子供も肥満になる

自然があるのが当たり前になっている・・・・

が~ん・・・っていうかその通りなんです・・よく教え子にそんな話をします

そして実際東京へ行くと地下鉄で歩いてへとへとになったと大半の教え子が言います

たまには自分の足で歩いたり自転車こいだりして

自然の風を感じたり、空を見上げたり、毎回同じことはないので何かを感じてほしいと伝えますが

誰もそれよりスマホの画面が大事なようです^^;

私は海に潜ったり登山をしたり、通勤で見る宍道湖は毎日微妙に違う景色を感じるし

五感を研ぎ澄ますようなこと大事だといつも思っているのでこの本に共感できました

対談本なのでとても読みやすくあっという間に読んじゃいました♪