湯原修一の歓喜悦慶と聊かの慷慨憂愁, etc.

いつとはなしに眠りにおち微風を禿頭に感じて目が覚める。
このような生活に変わったらブログが更新されないかもしれません。

◇調和美のない肥後菊

2014年11月22日 14時39分54秒 | 庭の草木や生き物たち, etc.
ご近所のSさんから頂いた苗が育ったものです。



肥後菊は肥後六花の一つで、
江戸時代(藩主細川さんの時代)に
武士の修養のために栽培が始まったようです。

肥後菊には仕立て方に決まりがあり、

花壇に直接植えて、

・丈が高・中・低の3種、
・色が白・黄・紅の3種、
・花弁が平弁・管弁の2種

計18種類の株を規則に従ってバランス良く配置し

花壇全体の美しさ(調和美)を鑑賞するものだそうです。

異なる性質の菊をバランスよく育てて全体を調和させる。
つまり、リーダーとしての素養を培うため、ということでしょうか。

しかし、これは『これがいいと決めた型にはめる』ということでもあり、
200年以上連綿と門外不出?で伝承されてきているところをみても、
熊本県人の性格の一端を物語っているような気もします。




庭の肥後菊は一応3色そろってはいますが、
同じ品種を数株づつ別々に植えており、茎を伸ばしすぎて頭が垂れているのもあります。
肥後菊栽培の決まりを無視している私は、武士の風上にも置けない奴ということになります。

ただ、様式美というものはその時代に生きた人間の感性で決まったものであり、
”昔からの伝統というバイアスがかかって、現代人は美しいものと思い込まされている”
ということもあり得るのではないでしょうか。

人手を入れずに自然のままに育ったものもまた
風情があって宜しからん、と思っています。
(手抜きの言い訳)


    ※奥の石の上にある褪せた紅葉の鉢は、今春の植木市で買った山モミジの盆栽です。

コメントを投稿