昨日は渋谷のパルコ劇場で、旧友の斉藤由貴ちゃんの芝居『紫式部ダイアリー』を観た。
ホテルのバーを舞台に「女流作家」同士が、互いへの嫉妬とライバル心を剥き出しにする、という三谷幸喜作・演出の二人舞台。
配役は、才能と美貌を併せ持ち、文壇で脚光を浴びている「紫式部」が長澤まさみ、ベテラン作家で世間的には旬が過ぎたと見られている「清少納言」が斉藤由貴。
(紫式部と清少納言だからといって、ふたりの女優が十二単を着て登場するわけではありません)
バーテン役は台詞がないし、セットはカウンターだけだし、音楽も照明もほとんど使わない、ふたりの女優の演技と台詞の巧みさが際立つ作品でした。
三谷幸喜の芝居は、むかし何作か観たんですよ。
四半世紀以上前、東京サンシャインボーイズが新宿のTHEATER/TOPSを本拠地にしていたころですね。
当時のわたしは、よく出来ているな、でもよく出来過ぎていて、あまり面白くはないな、と思いました。
でも、今回の『紫式部ダイアリー』は(旧友が演っているから褒めるわけじゃありません)、「よく出来た」構築物の内部から、はみ出し、滲み出るものがありました。、
女二人の会話劇で、話自体は面白おかしく進むのですが、紫式部(長澤まさみ)が語る、美人に生まれついた苦しみ、清少納言(斉藤由貴)が語る、書くこと以外他にはなにもない、という作家の悲しみが、枝葉を落とした裸樹のようにすっと立つ瞬間があって、美しかった。
劇場というのは、実人生では闇の中にある人間の苦しみや悲しみに光をあてて、それを観客席の暗闇からじっと見ることができる場所ですからね。
舞台の内容をバラすのはよくないので、これぐらいにしておきますが、最後にひと言――、
ふたりの女優の顔と背中を堪能できる舞台ですよ。
ホテルのバーを舞台に「女流作家」同士が、互いへの嫉妬とライバル心を剥き出しにする、という三谷幸喜作・演出の二人舞台。
配役は、才能と美貌を併せ持ち、文壇で脚光を浴びている「紫式部」が長澤まさみ、ベテラン作家で世間的には旬が過ぎたと見られている「清少納言」が斉藤由貴。
(紫式部と清少納言だからといって、ふたりの女優が十二単を着て登場するわけではありません)
バーテン役は台詞がないし、セットはカウンターだけだし、音楽も照明もほとんど使わない、ふたりの女優の演技と台詞の巧みさが際立つ作品でした。
三谷幸喜の芝居は、むかし何作か観たんですよ。
四半世紀以上前、東京サンシャインボーイズが新宿のTHEATER/TOPSを本拠地にしていたころですね。
当時のわたしは、よく出来ているな、でもよく出来過ぎていて、あまり面白くはないな、と思いました。
でも、今回の『紫式部ダイアリー』は(旧友が演っているから褒めるわけじゃありません)、「よく出来た」構築物の内部から、はみ出し、滲み出るものがありました。、
女二人の会話劇で、話自体は面白おかしく進むのですが、紫式部(長澤まさみ)が語る、美人に生まれついた苦しみ、清少納言(斉藤由貴)が語る、書くこと以外他にはなにもない、という作家の悲しみが、枝葉を落とした裸樹のようにすっと立つ瞬間があって、美しかった。
劇場というのは、実人生では闇の中にある人間の苦しみや悲しみに光をあてて、それを観客席の暗闇からじっと見ることができる場所ですからね。
舞台の内容をバラすのはよくないので、これぐらいにしておきますが、最後にひと言――、
ふたりの女優の顔と背中を堪能できる舞台ですよ。