柳美里の今日のできごと

福島県南相馬市小高区で、
「フルハウス」「Rain Theatre」を営む
小説家・柳美里の動揺する確信の日々

高校入試カウントダウン

2015年02月03日 09時52分46秒 | 日記
息子の高校入試が近付いて参りました。

いよいよだね、などと言おうものなら、睨み付けられます。
非常にぴりぴりしています。

毎朝、非常に不機嫌なんですが、それが、いま、ピークに達しようとしています。

今朝、階段を降りて行くと、受験生がリビングのテーブルで学ランのボタンをはずそうとしていました。
左手にコップとパン皿をのせたお盆を持って、右手だけで――。
「なにやってんの? お盆をテーブルに置いて、両手でやったら?」とわたしは注意しました。
「時間がないんだよ! ハンガーにかけるとき、制服のボタンしめないでくれる? 時間がないんだからッ! もうッ!」と激怒する受験生。
「ボタンはずしてやろうか? 時間ないなら、顔洗ってきなよ」
「いいッ! あと、3つだからッ! あぁ、もうッ!」と、お盆を持ったまま片手でボタンをはずすという離れ技をやってのける受験生。

本棚の前でうろうろして――、
「ねぇ、ここに置いといたポケットティッシュ知らない? ぼくがお小遣いで買った鼻セレブティシュ!」と激怒する受験生。
「え? 玄関のティッシュ入れの中にあるんじゃない?」と、わたし。
「えぇ! あれは、ぼく専用のティッシュだから、本棚に置いといてよ!」
「本棚に置くのは、変でしょ?」
「もぉぉぉぉぉぉぉ! 時間ないッ!」と絶叫する受験生。

ようやく玄関に出たと思ったら――、
「ねぇ、マフラー、知らない?」
「知らないよ。昨日、塾から帰ってきて、どこに置いたか考えてみれば?」

すると、履きかけた靴を脱いで、もぉぉぉぉぉ!もぉぉぉぉぉ!と叫びながら檻の中の虎のようにリビングを何周もする受験生。

「どこだろう?」とわたしが一緒に探してやろうとすると、
「もうッいいッ! マフラーなんて要らないッ! 時間ないッ!」と地団駄を踏む受験生。
「寒いから必要なんでしょ? お兄さん(珍念さん)のを借りてけば?」
「いいッ! あぁ、どこ行っちゃったんだろう?」と再び探しはじめる受験生。
「塾に置き忘れたんじゃない?」
「もう手袋だけでいいッ!」
と、受験生は家を飛び出て行きました。

受験生の訴えを要約すると、「時間がない!」ということです。
「もう、焦っても、できることは限られてるよ、当たって砕けろで行くしかないじゃん」と言ってはいるのですが、
わたしの言葉は全て跳ね除けたいようです。

15歳――、思春期で反抗期なので、仕方ありません。





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