柳美里の今日のできごと

福島県南相馬市小高区で、
「フルハウス」「Rain Theatre」を営む
小説家・柳美里の動揺する確信の日々

夢枕に立つ

2014年04月28日 13時05分46秒 | 日記

14歳の息子が、昨日、不思議な夢を見たという。

「目の前に、おじいさんが立ってるんだよ。白い、ちょっと丈が短い着物をきてて、足にハイソックスみたいな白いのをはいてる。髪は薄くて真っ白なんだけど、鼻の下のひげは黒い。とっても痩せてて、なんだか陰気な感じなの。『たけちゃん、ひさしぶりだね。大きくなったね』って言われたんだよ」

わたしは、ぎくりとしたのを気取られないように訊ねた。

「場所は?」

「おじいさんだけしか見えない。背景は、真っ白……」

「ふぅん……」

「だれだろう?」

「東さんだと思うよ」

「え? 写真と違うよ」

遺影の東由多加は、髪もひげも黒い。

亡くなる直前に、病室で生後3ヶ月の息子を抱いた東の写真もあるのだが、

抗癌剤で脱毛し(抗癌剤を使いはじめてから黒髪が白髪に変わった)僅かに残った白髪を隠すために毛糸の帽子をかぶっている。

白髪でひげだけ黒い東の写真は、無い――。

白い丈が短い着物は経帷子で、白いハイソックスみたいなものというのは脚絆だろう。

東由多加の命日は、2000年4月20日。

14年が経った。

27日は初七日だった。

息子に、なにか伝えたいことがあるのだろうか?

東の墓は、長崎の大浦天主堂の隣の妙行寺にある。

ここ数年、お墓参りをしていないので、淋しがっているのかもしれない。

お金に余裕ができたら(そんなこと、あるのだろうか……)長崎に行こう。


 

 


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石巻「白謙」の笹かま

2014年04月28日 12時55分10秒 | 日記
今日から、書くことと走ることだけに集中します。

笹かまをかじりながら……

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南相馬のはーさん

2014年04月28日 12時47分07秒 | 日記

わたしはひとをアダ名で呼ぶことは滅多にしません。
なんだか照れ臭いのです。
けれど、南相馬鹿島区の錦織春男さんのことは、「はーさん」と呼んでいます。

はーさんは、1952年生まれ、62歳です。
ずっと、原発で働いています。
若いころはナナハンで通勤していたそうです。
60歳過ぎても、ハンチングが似合うはーさんは、いつもオシャレでカッコイイです。

はーさんは、2011年3月11日も、東京電力福島第一原子力発電所で働いていました。
その後の収束作業にも従事し、被曝線量がいっぱいになったので、
現在は東北電力女川原子力発電所で働いています。

女川は宮城県にあり、遠いです。
どんなに遠くても、土日は自宅で過ごしたい、と週末は南相馬の家に帰ります。

最近、女川での仕事が無くなり、東京電力柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)に移っていく作業員が増えているそうです。
柏崎に移ったら、週末に南相馬に帰ることはできず、単身赴任になってしまいます。

はーさんは、女川から我が家にホタテを送ってくださいます。
女川の「お魚いちば おかせい」の生きたホタテです。
http://www.onagawa.org/food/restaurant/okasei
昨日も、箱詰めでどっさり送ってくださいました。
貝柱はお刺身にして、ヒモはバター炒めにして、いただきました。
とっても甘くて、やさしい味がしました。
はーさん、ごちそうさまでした。

石巻「白鎌」のかまぼこセットも送ってくださいました。
http://www.shiraken.co.jp/shop/corp/default.aspx
おやつに食べます。
はーさん、ありがとうございます。

今度、はーさん行きつけの石巻のパチンコ屋で、並んでパチンコをやってみたいです。


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