先週はワイズのマスコットスズメの「ピーちゃん」を紹介しましたが、今日は「チュンちゃん」(写真上の左)の紹介です。「チュンちゃん」は昨年ワイズファミリーになった未だ新人(新鳥)です。ある日、後楽園近くの交番に子供達が「スズメが道に落ちていました。」と卵から孵って間もない状態で届けられました。通常の落とし物と違い生き物、それもヒナの状態で勤務当番が変わる交番ではとても預かりきれないとの理由で警察署に移管されました。警察署でも大困りです。親鳥から餌をもらわなければ直ぐ死んでしまう事は予想したそうです。取り敢えず保護用の鳥籠や餌を購入するのに婦警さんを中心に有志警察官からカンパが集まりました。問題はひな鳥に何をどのようにして与えるかが解らず苦慮したそうですが、その時ある婦警さんが「確かあそこにスズメが居た」と巡回連絡時に訪ねたワイズを思い出したのでした。その直後に婦警さんが来社。ワイズでは「ピーちゃん」を育てた実績から、餌を与える時のピンセットの使い方やら事細かなアドバイスを行いました。婦警さんはメモをとって警察署に戻って行きましたが翌日再度ワイズを訪れ、スズメはなかなか餌を食べずにだんだん弱っている様子なので暫く保護することが出来ないか?との相談がありました。スズメは一度飼うとなかなか自然に戻れない等を説明しましたが、このままでは確実に死んでしまうとの観点から保護を引き受けてしまいました。それまで餌を食べようとしなかったスズメもワイズの魔法のピンセットを使うと、まるで親鳥から給餌されるがごとく積極的に食べ始め、更に先住の「ピーちゃん」にも餌をねだる仕草が見られました。なんやかんだでワイズに落ち着いてしまったのが「チュンちゃん」のの誕生でした。写真は未だ数ヶ月の幼鳥の時で、くちばしが若干黄色く個体も小さめです。ただ今は「ピーちゃん」とあまり変わらない大きさまで立派に育ちました。ただ気がかりなのは「ピーちゃん」と「チュンちゃん」が雄と雌でこれ以上スズメが増える事です。
以前に紹介した航空写真を撮影しているお客様K氏が航空写真撮影を終わられ調布飛行場からの帰りに立ち寄られた。このK氏、先日も当社より航空写真撮影専用大判カメラ「エアロテヒニカ」を購入され、このカメラでの初撮影フライトだった。フライトプランで、今日は何処をどの位の高さで飛び、どの方面から侵入するなどを事前に打ち合わせるとの事だが、今回驚いたのが撮影絵コンテがあった事だ。写真(上)はエアロテヒニカと絵コンテの写真だがメモ用紙にびっしりと絵コンテが描いてある。東京湾に浮かぶ横須賀沖の猿島の桟橋、砂浜はもちろん、想定される海水浴客の姿まで正確に絵コンテにある。ある巨匠写真家の言った「事前に何をどのようにして撮影するかをイメージしていなければ上手い写真は撮れない。」の言葉を思い出した。そんなK氏と写真談義をしている時に写真家の吉野信先生が来社された。以前吉野信先生宅にお邪魔した事があるが、先生の部屋は沢山の写真機材で溢れ、どれほどカメラがお好きか想像できた。そんな吉野信先生がとても珍しい「エアロテヒニカ」と出会ってしまったのだ。長年商売をしていて気付いた事だが、カメラ好きな人がお気に入りのカメラを手に持った途端に自然に顔がほころぶ事を知っている。写真(中)の吉野信先生の顔を見て下さい。これがまさにカメラ好きの顔です。そして吉野信先生この「エアロテヒニカ」が気に入ってしまいました。「これだったら手持撮影が出来るよね!」と一言。そんな事は無いと思いますがこのカメラで動物写真を撮ろうとしているのではと想像してしまった。写真(下)は吉野信先生に「今日はここに飛んで、この角度から撮影しました・・・・・」等と航空地図を使って説明するK氏。この後も写真談義は続きました。写真って、カメラっていいですね。
皆様!何回かに分けてレポートをして来ました「ペンタックス645D用4x5アダプター」の正式発売を決定致しました。テスト撮影の後、製造工場との打ち合わせを行い試作品からの設計変更、コストの洗い直し等を行い製造との意見の一致で正式に発売を決定致しました。自社工場など持たない当社では外部製造工場の製造ラインに割り込む必要があります。この打ち合わせもうまく運び9月下旬の完成を見込む事が出来ました。それまでにリーフレットの制作やプレスリリース、化粧箱手配等を行わなければなりませんがお盆休みに時間がとれそうなのでこれに当たりたいと思います。気になるお値段ですがワイズ価格で45000円(税別)を設定致しました。これは従来のニコン、キャンン用4x5アダプターと同一価格となります。本当は沢山作って沢山売れれば40000円位を実現したかったのですが試作品等を作るのにかなりのコストが掛かった等の理由がありますのでご理解下さい。「ペンタックス645D用4x5アダプター」と大判カメラの組み合わせで撮影した作品のクオリティは格段に高くなり撮影領域は更に広がります。発売にご期待下さい。そしてご購入ください。※詳細はワイズニュース等でもお知らせ致します。
昨日のブログにワイズのマスコットはスズメと書いたところ、ある方から「ワイズのマスコットは店の前のクマさんじゃないの?」とご指摘頂きました。そうなんです。ワイズ店頭には大きなクマのぬいぐるみが椅子に座って、晴れの日も、雨の日も。雪の日も皆様のご来店をお待ちしているのです。えっ、「迎える態度にしてはいつも寝ている」ですって。そうなんです。このクマはいつも居眠りをしているクマなのです。ワイズが創業準備の時に確か全国火災共済協同組合のB全写真ポスター作って欲しいとの依頼があり、私が考えた写真シチュエーションは「大きなお父さんクマが釣りからの帰り道、暖かな日差しの中あまりの気持ち良さで、つい大きな木に寄りかかり竿を片手に居眠りをしてしまう。傍らには帰ったら家族と一緒に食べようと釣り上げた魚が入った魚籠がある。一家団欒の情景を夢心地で見るお父さんクマ」イコール《安心》のイメージでした。そんな絵コンテを描いたのですが、大変だったのがお父さんクマがまどろむ巨木と主役のクマさん。イメージに合うクマが見つからずやっと当時銀座の三原橋近くに在ったぬいぐるみ屋さんでこのクマさんと劇的な出会いをしたのでした。確か4~5万円くらいの値段だったと思いましたが即購入。今度は巨木を求めて近場で緑のある狭山丘陵や狭山湖、武蔵野方面を探索。見つけたの巨木は今の昭和記念公園(この時は違ったと思う)にあったのでした。大きな木の下にクマさんをセット。竹製のフライロッドを片腕と肩に掛け、竹の魚籠をセット。準備万端。大判カメラで数カット撮影し出来上がり。そして完成したポスターは日本全国で使われたのでした。チャンチャン。そんな経緯のクマさんで付き合いは10年以上。ある意味ワイズの守りクマです。地元の方々にワイズを紹介するとき「大きなカメラを売っている店」では通じなくても「大きなクマが居る店」と言うと一発で通じます。いつも頑張っていてくれるので、今度洗濯の旅に出してやろうと思います。ちょっと待った!!このブログを書き終わって資料を調べたらポスターの画像が出て来ました。小さなファイルサイズなので少し荒れて見えるけど写真下がワイズのクマさんの現役時の勇姿です。それにしても若かった時は色も綺麗でした。頑張れクマさん!
ワイズが日本橋から本郷に移転してから約7年が経とうとしている。移転して間もなく湯島のガソリンスタンド前を歩いていると道に何やら小さな物体を認めた。よく見ると未だ羽毛も生えきらないスズメの赤ちゃんだ。暫し見つめているとその横をガソリン給油の自動車が何回か通過して行く。「これは危ない!」とっさにティッシュペーパーで包み込み安全な場所に避難させようと思ったが安全の場所も無くスズメの巣も見受けられない。一時様子を見ても親鳥らしきスズメもいないので苦渋の思いでそのまま持ち帰る。何故苦渋の思いかは、子供の頃小スズメを何回か飼おうとチャレンジしたが皆餌を食べる事が出来ずに死んでしまった記憶が甦ったからだ。心の中で「この子も同じ運命なのかな」と呟く。何にもしなければ確実に死んでしまうので小鳥の餌の粟を入手しお湯で柔らかくすりつぶして与えるも食べようともしない。そんな時である工具箱にピンセットがあるのを見つけた。このピンセットにすりつぶした餌を挟み、くちばしを刺激したら親鳥のくちばしと間違えたのか餌を食べ始めた。それから数時間おきに餌を与え元気に育ったのが「ピーちゃん」だ。スズメは利口な鳥で餌を与えている人をちゃんと認識していて手の上にも乗る様になり、動くとその後を飛んで追いかける。「可愛いものだ」とばかり感心していられないのは、本来スズメは野鳥で飼育を禁止されているからだ。ある程度飛べる様になり放鳥に関して近くの獣医さんに相談したところ「一度飼われたスズメは放鳥しても自分で餌をとる事が難しいし、カラスやネコ又は交通事故で死んじゃうよ。理由が理由だから最後まで飼ったら!」とのアドバイス。こんな訳でワイズの看板手乗りスズメの「ピーちゃん」が誕生したのでした。「えっ、もう1匹居る?」って。もう1匹の「チュンちゃん」については次回のお楽しみに。
コンタツおじさんこと近藤辰郎さんは山岳写真家の大御所だ。今まで多くの山の写真を撮影されているが、使うカメラはほとんど大判カメラが中心だ。私の知る限りでもリンホフを数台と10本以上の大判レンズを所有しているはずだ。「山岳写真は大判カメラで撮る!」に拘って今でも大判カメラを担いで山々を駆け巡る。コンタツおじさんとのお付き合いは25年以上になると思う。上高地や北海道、山を離れて海辺の温泉等いろいろなところにご一緒した記憶がある。文京区にお住まいでワイズに近い事もありよくお立寄頂く。昨年はある病院の待合室で偶然隣り合わせになり双方ビックリした事があった。そんなコンタツおじさんから手紙が届いた。開封すると懐かしい字の手紙と一緒に、今話題の集英社と山と渓谷社が共同で発行している「週刊ふるさと 百名山『白馬岳』『槍ヶ岳』」の2冊が同封されていた。もちろんこの2冊にコンタツおじさんの写真が掲載されているのだ。きっとどれも大判カメラで撮影された作品ばかりだと想像しながら楽しく観賞させて頂く。「ありがとうございました」早速お礼のお手紙を書いた。写真を見て下さい。コンタツおじさん手紙の最後にはいつもご自身のポートレート写真が載っている。幾つかのパターンがあるが必ず大判カメラと一緒のスナップだ。これからもず~っと大判カメラを使う写真家として長く活躍して欲しいと思います。
「ペンタックス645D用4x5アダプター」の撮影テストが終了し、HOYAペンタックス社の担当者がカメラ回収で来社した。いろいろなテストの結果をお伝えするとともに撮影データも渡し技術担当者に検証して頂く予定だ。ただこれまでのレポートで訂正をしなければならないのが最低ISO感度の設定だ。担当者曰く「カスタムでISO100になります。」との事で大変申し訳ない。さて、現時点での私なりのペンタックス645Dと同4x5アダプターの検証をしたい。まず使用カメラとレンズの関係だがビューカメラだとワイドベローズ使用で焦点距離150mm、テクニカルカメラだと180mm以上のレンズ位からアオリ撮影が可能になる(大判カメラの最短フランジバックと645Dのフランジバック71mmを足さなければいけない)。ただチルトやスイングアオリを使用することによるCCDに斜めから入る光での画像劣化やボケ等は無く充分にアオリ撮影に対応できると思う。これは焦点距離の長いレンズを利用した広告写真や風景写真でも充分使える。ステッチング撮影はフイルム面をシフトできるビューカメラやワイズ45EX(テクニカルカメラ)の様なカメラでは大変有効に使う事が出来る。4000万画素を8000万画素、1億6000万画素にして撮影する事はもちろんだが、単純にパノラマ写真や建築写真撮影等の広角撮影効果も期待できる。ただ前述の通り、レンズ位置を動かさずにバックシフトが稼動するタイプのカメラに限られ、リンホフ2000や3000の様なフロントシフトのみの機構だと近・中距離での撮影で完全に写真を繋ぎ合わせるのはきつく、遠景のみステッチングが可能となる。その他にも蛇腹を介す事により接写等にも効果的で使い方はいろいろでアイデア次第に思われる。645D用4x5アダプターを装着すればビューカメラの様な完全なアオリが使えると思うのは間違いかもしれないが、料理の調味料と同じ様に、使う事により料理の味を整えたり、引き立てたりする事が可能な気がする。ひと味違った写真を撮影する人には最高のアイテムかも。皆さんの感想は如何ですか?写真上右はカメラザックの中にリンホフと645Dを収納し4x5ADを配したイメージ写真です。こんな感じで是非外にも持ち出してみたい。
「ペンタックス645D用4x5アダプター」撮影テスト、最後の課題が“形の修正アオリ”です。用意した被写体は黄色の長方形の箱。ピントの確認等が解りやすくするためにワイズ、リンホフのシールを各所に貼付ける。通常、このよ様な箱もの商品撮影ではより立体感を出すために全面、側面、上面の3面が写る様に配置、構図するが今回は形の修正の可否判定のため全面、上面の2面撮影とする。カメラの高さを上にすればする程、形の修正アオリに必要なバックチルト量が大きくなり、必ずケラレが出る事が予想されるので被写体よりそれほど角度を付けずにセッティング。何故ケラレが予想されるかは、通常の4x5カメラはバックチルトする面がそのままピントガラス面でありフイルム面なのでせいぜい蛇腹のケラレ等を心配すれば良いのだが、今回は4x5カメラのバック部に645Dカメラを装着するのでピント面より更に645Dのフランジバック71mmが必要となり、ピント面を軸として回転するチルトアオリを使用すると645DのCCD面は、その後方で更に大きく振られてしまう事になる。写真上左がアオリ無しで箱を撮影。じっくり見ると箱の下部に比べ上部が若干大きくなっている事が解るとともに若干箱が前に倒れている様にも見える。写真上右が645Dの装着された後部アオリを垂直に近くなるまで立て、更にピント面を調整するためにレンズ面も垂直に近く立てて撮影した写真だ。箱の形や前に倒れた感じが無くなりアオリ写真としては完成されたものになっている。ただし写真上部が645Dのマウントにより見事にケラレている。予想をしていたとはいえちょっと残念だ。カメラのポジションが高くなればなるほどこのケラレは大きくなるので、この位のアングルで撮影し上部をトリミングすれば何とか使える。写真下左はケラレは前者より少ないが被写体の積み木ケースを画面ギリギリで撮影してしまったのでこのままトリミングしてしまったら写真としては使えなくなってしまう。この場合被写体を若干小さめに、ケラレを予想して上部のスペースを空けておく必要がある。この事さえ理解すれば大判カメラで撮影した完全なる修正アオリは無理だが何とかごまかすくらいの事は出来るかな?と言う感想だ。写真下右は東大構内で撮った東大マークの入った消火栓。形の修正アオリを調味料的にほんの少し使用して撮影。こんな感じで如何でしょうか?明日は「ペンタックス645D用4x5アダプター」のまとめをしたいと思います。