シニア花井の韓国余話

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民間資本の高速道路、1兆5000億の血税を浪費 

2011年10月04日 18時24分12秒 | Weblog
(韓国大手新聞、東亜日報 11.9.28記事抜粋)
「国政監査だけ終わるとおしまいですか。毎年指摘してもよくなるのが何もありませんじゃないですか」
9月27日、政府果川庁舍で開かれた国土海洋部国政監査では、民間資本(民資)高速道路と関連した議員の叱責が込められた質疑が相次いだ。民資高速道路の赤字を埋めるために政府が事業者に支給する「政府補填支給額」が議論の対象だった。民主労働党の姜基甲議員は、権度国土海洋部(国土部)長官に向けて、「これは職務遺棄」と声を荒げた。民資高速道路に政府が毎年予算を投入する「非効率」が発生する理由は何だろうか。
●民資高速道路は予算食い
国土部が同日、ハンナラ党の張済元議員に提出した国政監査資料によると、政府は02年から8月末まで「最小運営収益保障(MRG)」方式で建設された9つの民資高速道路に計1兆5251億ウォン(約1067億円)を補填した。MRGとは、高速道路や港湾など、公共施設を民間が建設した後、収入が予想より少なければ政府が補填する方式だ。予算浪費の議論が高まって06年廃止されたが、その前に契約した9つの高速道路が問題だ。短くは10年、長くは20年間MRGに縛られている。補填金額が最も大きい高速道路は仁川空港高速道路で、02年以後7909億ウォン(約550億円)が投入された。天安論山(チョンアン・ノンサン)高速道路と大邱釜山(テグ・ブサン)高速道路にもそれぞれ3432億ウォンと2289億ウォンが費やされた。9つの高速道路のうち、実際の交通量が開通以前の予測値より多いところはない。政府補填金が投入されるしかない構造という意味だ。予測と最も外れたところは、釜山蔚山(プサン・ウルサン)高速道路で、1日4万1764台が通行すると予想されたが、実際は2万1683台(51.9%)にとどまった。大邱釜山(テグ・ブサン)高速道路(55.8%)、仁川空港高速道路(57.5%)も予測値を大きく下回った。投入される予算も減っていない。08年これら高速道路に支給される補填額は1821億ウォンだったが、今年2766億ウォンまで増えた。こうした状況を受け、交通量の予測に失敗した予測機関に対する懲戒と処罰が必要という主張も出た。ハンナラ党の鄭熙秀議員は、「間違った需要予測で1兆5000億ウォンを浪費した通行料予測会社などを刑事処罰しなければならない」と主張した。これに対し、国土部側は、「関連法に需要予測機関への処罰条項を入れたのが07年だ。遡及対象にならない上、故意で需要予測を間違えて実施したとは考え難い」と話した。
●再交渉は可能か
議論が繰り返されて再交渉の必要性が提起されているが、簡単でない。ハンナラ党の洪日杓議員は同日、国政監査場で「契約した民間機関と損害補填比率を低めるよう、政府がより積極的に再交渉に乗り出せ」と注文した。しかし、国土部は、「契約によることなので、現実的に再交渉が難しい」という態度を示している。
現在、仁川空港高速道路など6ヵ所が資金再調達をしてMRG協約事項を一部修正したが、政府レベルで先に再交渉の要請をしたことはない。国土部の関係者は、「道路管理に問題を起こすなど、帰責事由が発生しない限り、再交渉は不可能だ」と話した。玉東錫仁川大学教授は、「現在の状況は00年代頭、政府負担無しに民資事業を過度に誘致したのがブーメランになって帰ってくる」と指摘した。
(投稿者注)韓国は全土に高速道路網がある。利用者には安くて便利だが、財政的には大変だ。


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