シニア花井の韓国余話

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【コラム】「自由民主主義」の受難 

2011年10月30日 15時40分06秒 | Weblog
(韓国大手新聞、朝鮮日報 11.10.23記事抜粋)
 大韓民国の国民であれば、誰もが何の疑問も抱くことなく「自由民主主義」を受け入れていることだろう。ところがこの自由民主主義が今、試練に立たされている。教育科学技術部(省)が今年8月に発表した「歴史教育課程案」で、これまでの「民主主義の発展」が「自由民主主義の発展」に変更されたことを受け、ある騒動が起こっているのだ。この歴史教育課程案は、全国の小中高校用の歴史教科書を作成する際の基準となるものだが、この課程案を取りまとめるに当たって実務を担当する24人の研究者のうち、21人が反対の声明を発表したかと思えば、10月19日には教科書関連の諮問を担当する歴史教育課程開発推進委員会の委員20人のうち9人が辞任した。これらの委員の多くは歴史学者あるいは歴史教育の専門家だが、その委員たちが「歴史の教科書に自由民主主義が記載されるのは誤りだ」と主張するという、あまりにも理解し難い現象が起こっているのだ。
 彼らが反発するにはそれなりの理由がある。まずは手続き上の問題だ。歴史研究を専門とする学者たちから意見を取り入れ、その上で一般人までが参加する公聴会を経て取りまとめられた教育課程案を、教育科学技術部は委員らに一切相談せず、勝手に書き換えて発表した。しかもこの発表に至る過程で、ニューライト系列の一部の学会が「介入」したという事実も、委員らが疑いの目を向け反発する原因となった。制度として教育科学技術部には教育課程案を見直す権限があるとしても、取りまとめに参加した学者らと十分な話し合いも持たずに告示案の発表に踏み切ったのは、悪しき前例として残るだろう。政権が変わればそのたびに権力の顔色をうかがい、それによって教科書の内容が変わるという批判の口実を与えてしまったからだ。              金基哲(キム・ギチョル)オピニオン部次長






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