シニア花井の韓国余話

韓国交流50年の会社経営を引退しソウル定住の日本人が写真とともに韓国の案内をします。

【萬物相】教師の発言

2011年12月27日 10時45分30秒 | Weblog
(韓国大手新聞、朝鮮日報 11.12.25記事抜粋)
 昨年10月、米国の連邦控訴裁判所は、発禁となった本を生徒たちに読ませ、レポートを提出させたオハイオ州の高校教師に対する解雇が正当だという判決を下した。また2007年には、インディアナ州の教師が授業中に「車を運転中、イラク戦争に反対するデモ隊を支持する意味でクラクションを鳴らした」と発言し、解雇された。裁判所はこれらの事件をめぐり「教師が主観的な考えに基づき『公認された教科課程』から逸脱してはならない」との判決を下した。
 米国の教師たちは、学校では「言論の自由」が保障されていない。児童・生徒たちの前で、個人的・政治的な思想はもとより、特定の宗教や人種、性差別や障害者差別に関連した発言は絶対にしてはならない。性的なジョークを口にしたり、何気なく悪態をついたりして、児童・生徒や保護者が抗議した場合、授業の担当から外され、減給や停職、さらには罷免となることがある。
 それに比べると、韓国の教師たちは天国にいるようなものだ。ろうそくデモへの参加をあおったぐらいではニュースにもならない。京畿道のある韓国史担当教師は、高校1年の生徒たちに対し「いつも皆さんを搾取しようとする人たちが存在する」「朴槿恵(パク・クンヘ)おばさん表に出てくれば殴られるから、なかなか表に出てこない」などと言い放った。また、ソウル市の高校の倫理担当教師は「閣僚や次官たちは米国のスパイだ」「大法院(日本の最高裁判所に相当)の老いぼれ裁判官たちは馬鹿なことばかりやっている」と発言した。悪態をつくのは基本だ。このような教師が全国に掃いて捨てるほどいる。その中には、全国教職員労働組合(全教組)に属している教師も、そうでない教師もいる。
 学校に通っている間、教師の一言が、ある人の人生を変えることもある。小説家の故・朴婉緒(パク・ワンソ)氏や、詩人の鄭浩承(チョン・ホスン)氏は、教師から「文章が上手だ」とほめられたことがきっかけで作家の道へ進んだという。米国の黒人公民権運動指導者マルコムXは、中学校時代に「黒人は弁護士よりも、大工のような現実的な仕事に就くのが賢明だ」という英語教師の発言にショックを受け、白人を骨の髄まで憎悪する過激な活動家になった。悪口や放言を繰り返し、一方の理念に偏った教師が、教え子たちを前向きで希望あふれる道へと導くことは不可能だ。
 韓国社会では長い間「君師父一体(王と教師と父親は同様の存在)」「師の影も踏んではならない」と言われ、教師は尊敬されてきた。そんな教師たちが自ら粗暴な振る舞いをしているのが、最近の韓国の教育界だ。「いつも搾取しようとする人たちがいる」と発言した韓国史担当教師や、「大法院の老いぼれ裁判官」と発言した倫理担当教師は最近、最も軽い懲戒処分である「譴責(けんせき)」の処分を受けた。このような甘い処分におびえる教師は、これと言った信念も持たず、ただ口から出まかせに言いたいことを言うのだろう。
キム・ヒョンギ論説委員



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