シニア花井の韓国余話

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【コラム】「金正恩スタイル」               

2012年09月03日 22時22分22秒 | Weblog
韓国大手紙・ 朝鮮日報12年9月2日記事抜粋
 「イラン発の報道が事実の可能性があるため、テヘランへの出張に備えよ」
 非同盟諸国首脳会議(NAM)に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党第1書記が出席するという外信報道を耳にし、私は後輩記者にこのような指示を出した。イランのインターネットメディアが、金正恩氏が8月末に開かれる非同盟諸国首脳会議に出席すると報じ、韓国メディアを一気に緊張させたのだ。
 これまでの非同盟諸国首脳会議に、北朝鮮から最高人民会議の金永南(キム・ヨンナム)常任委員長が出席していたのを決して知らなかったわけではない。金正恩氏が、中国も訪問していない状態で他国へ行くはずがないという考えも頭をよぎった。
 しかし、青少年期を欧州で過ごした同氏が、奇抜な「金正恩スタイル」をアピールする可能性は排除できなかった。同氏は最近、妻を公開し、アメリカン・スタイルの音楽コンサートを開催した。同氏が海外を訪問する場合、南北関係にも肯定的な影響を及ぼす可能性が高いため、この報道が事実であることを願った。
 だが結局、イラン発の報道はわずか半日で誤報だと判明した。韓国での関心が予想以上に高まったことから、非同盟諸国首脳会議のスポークスマンは、イランの国営イラン通信(IRNA)を通じて「金正恩氏は出席しない」と明らかにした。
 このハプニングは、問題のメディアが非同盟諸国首脳会議に出席する「最高リーダー」を金正恩氏と同一視したために発生した。北朝鮮の金氏一族が、対外的な首脳として金永南氏を据えていることを知らなかったため、このような誤解が生じたのだ。
 記者は今もこの報道が事実だったらと思っている。非同盟諸国首脳会議には世界で100カ国が参加しているほか、韓国をはじめ、20のオブザーバー国も参加している。たとえ数日に過ぎなかったとしても、同会議に出席して海外の首脳と直接話し合えば、違ったストーリーが展開されるのではないか。場合によっては北朝鮮の経済を回復させ、対外関係を正常化する方法がそれほど難しくないということを、金正恩氏が悟るきっかけになったかもしれない。同氏の国際会議への出席が日常化すれば、世界がどのように回っているかも知らずに核とミサイル開発に没頭して一生を終えた父親とは違ったスタイルを展開することもできるだろう。
 韓国の一部の左翼は、金正恩氏が実施した6・28経済管理改善措置などを通じて、北朝鮮の変化が本格化し始めたと主張する。北朝鮮政権のメッセンジャー的役割を果たし、平壌を行き来している在米の韓国系教授は「金正恩氏は北朝鮮のトウ小平になろうとしている」というメッセージも発している。
 しかし、相変わらず大多数の韓国国民は、金正恩スタイルに対して疑いの眼差しを向けている。韓国の報道機関に対する「打撃」警告を発したり、民間人の命を奪った北朝鮮による延坪島砲撃事件を褒めたたえたことについては「やはり金正日(キム・ジョンイル)の息子」と批判する。
 主なメディアが集まるソウル市光化門の一帯は、1日に1000人以上の中国人観光客が行き交う観光地となっているが、このような場所を打撃すると脅かす金正恩氏の国際感覚をあざ笑う見方もある。
 統一を成し遂げるための方法はいろいろある。中でも北朝鮮が正常な国家に、北朝鮮の指導者が正常な政治家になることが平和統一をもたらす上で最高の選択だ。そのような統一を夢見ながら、まだ30歳にも満たない若い指導者に新たなスタイルを望むのは、決して記者だけではないだろう。
李河遠(イ・ハウォン)政治部次長






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