シニア花井の韓国余話

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韓国に「日本の知識人」を説得する戦略はあるのか【コラム】

2015年12月04日 16時14分37秒 | Weblog
(投稿者注)
韓国は司法も行政も立法も法律を無視し感情に走る。
司法も行政も立法もポピュリズム(大衆迎合)を是としているので、日本の親韓知識人も日本の法治国家の常識から見れば、「梯子を外される」ことが多々ある。
自分の考えだけが正しい!との考えに凝り固まっている韓国とのお付合いは、日本の親韓知識人も大変だろう。


 ノーベル文学賞もうわさされるプリンストン大学の李昌来教授。李氏は3歳の時に両親と共に米国に移住した移民1.5世の作家だが、後に日本軍慰安婦の惨状を知って衝撃を受け、書いた作品がその代表作でもある『最後の場所で』(原題:A Gesture Life、韓国語訳:ジェスチャーライフ)=1999=だ。この作品については実はあまりよく知られていない事実がある。当初は2年かけて別の内容を500ページまで書き上げていたが、途中でこれを破棄し最初からもう一度書き直したのがこの作品だ。この破棄された最初のバージョンの主人公は、慰安婦として連れ去られ、日本の敗戦によって韓国に帰国した女性だった。これに対して2回目に書き上げたバージョンの主人公は、日本軍の蛮行をすぐ近くで目の当たりにしていた朝鮮半島出身の日本人軍医だった。最初は「被害者の立場から」書き始めた小説を、後に「加害者の立場から」書き直したのだ。
 この作品を今ここであらためて紹介した理由は、世宗大学の朴裕河(パク・ユハ)教授とその著書『帝国の慰安婦』が最近再び話題になっているからだ。韓国の検察は元慰安婦女性たちの名誉を傷つけたとして朴氏を起訴し、これに対して日本の親韓派といわれる「日本の知識人」たちが抗議の声明を発表したことがつい先日相次いで大きく報じられた。声明の中で特に印象に残る部分があった。その要点をかいつまんで書けば「この本によって女性たちの名誉が傷つけられたとは考えにくく、むしろ女性たちが経験した深い悲しみとその複雑な事情が、韓国人はもちろん、日本の読者たちにも伝わったと考える」となるだろうか。声明に名を連ねた54人の中には、ノーベル文学賞を受賞した大江健三郎氏や、慰安婦動員の強制性を認め謝罪した「河野談話」を発表した本人の河野洋平・元官房長官、さらに日本による植民地支配と侵略を謝罪した村山富市・元首相などもいた。
朴氏に「親日派」などとレッテルを貼り、非難することは極めて簡単なことであり、また痛快かもしれない。われわれは元慰安婦女性たちの仲間であり、彼女たちに少しでも不快な言葉を発する人間を擁護することはできない。しかしわれわれの間ではそうだとしても、他国からはどう見られるだろうか。学問研究に国が介入して処罰する国、表現の自由を法律で制限する国に対して、国際社会は全面的に後押ししてくれるだろうか。
 読み違いや誤解の恐れがある部分は多少あるとしても、この『帝国の慰安婦』を読めば、朴氏の主張はかなりニュートラルであることが分かる。安倍首相を代表とする慰安婦否定論者たちは、こちらから何を主張しても最初から聞く耳を持とうとしない。むしろわれわれが説得すべきは彼ら「良心的日本人」であり、さらに当事者であるわれわれと日本以外の、全世界の人たちだ。
文化部=魚秀雄(オ・スウン)次長
韓国大手新聞 朝鮮日報15年12月2日記事抜粋


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