シニア花井の韓国余話

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税金泥棒の暴力デモ隊、韓国社会はいつまで放置するのか【コラム】  

2015年12月04日 16時17分15秒 | Weblog
(投稿者注)
韓国の現状は「法治国家」でなく「情治国家」(大衆迎合政治)だが、デモの取り締まりに関しては「放置国家」なので、当分デモは勝手放題だろう。
韓国では秩序のあるデモは、現状では期待できない。


 盧泰愚(ノ・テウ)政権(1987-92)末期のころ、記者は当時の左翼系学生運動の活動家たちと会話を交わす機会が数多くあった。まず彼らは国民による直接選挙で当選した盧泰愚大統領の正統性を認めようとしなかった。盧泰愚大統領は元韓国軍将校であるため、彼らにとっては、たとえ選挙で選ばれたとしても軍事政権であり、軍事政権は妥協すべき相手ではなく、打倒すべき相手だったのだ。デモはどのような規模であってもとにかく街頭で行われ、学生の活動家たちが火炎瓶や鉄パイプを使うのはごく普通だった。打倒すべき相手が定める「ポリスライン」はもちろん、法律の範囲内でデモを行うことも彼らにとっては無意味だった。
 それでも記者もそうだったが、デモに参加する普通の学生たちの多くは心のどこかに疑問を感じていた。例えば「打倒すべき相手は政府のはずだが、なぜ交番を破壊し警察官に火炎瓶を投げ付けるのか」と他の学生に尋ねた。すると彼は「警察はファッショの犬だ。あいつらに対する暴力はファッショ政権に抵抗するのと同じだ」と答えた。普通のあまり勉強していない学生の答えはこの程度だったが、共産主義理論を少しかじった学生は「資本主義国家における警察や軍隊は『抑圧のための国家機関』だから、こういったものに対抗するには暴力もやむを得ない」と語った。これはフランスのある左翼系哲学者の説明だが、暴力に対する罪の意識を弱める根拠として当時はこの説明が受け入れられていた。あのころの過激な学生運動にはこのようにそれなりの理論的裏付けもあった。もちろん中には暴力革命によって政府を打倒する「決定的瞬間」に備えるため、(北朝鮮の※投稿者注)主体思想に染まって智異山の山奥で訓練に励む革命家気取りの超過激な学生も中にはいた。
 記者の場合警察に対する考え方が変わったのは、何か思想的な転換や覚醒があったためではない。就職して給与を受け取るたびに天引きされる税金の額を、給与明細書によってしっかりと確認できるようになってからだった。財政あるいは政府予算は税金で賄われるが、同じく税金によって運営される警察は民衆を抑圧するためのものと考えるか、あるいは自分がその料金を支払っているサービス機関と考えるべきか。警察が毎月われわれの支払う税金で運営されているのは疑いようのない事実だ。このことを考えたとき、自分が納税者であるという現実に思いをはせれば、自然と後者の方が正しく感じられるようになった。
納税者は警察から治安維持というサービスを受ける権利と、警察が税を効率的に使っているかを監視する義務の双方を同時に担っている。税金で運営される警察が犯罪行為を取り締まることができず、週末の都心で治安を維持できなくなり、その結果、韓国社会全体が何らかの損害や被害を受けた場合、国民は予算を提供する立場から警察に警告する。その役割を実際に担っているのは国会議員だ。そのため税金で購入された機動隊バスが破壊され、税金から給与を受け取る警察官が負傷し、仕事ができなくなれば、それは納税者としては絶対に容認できないはずだ。納税者という立場から考えれば、治安維持に必要なバスも警棒も最終的には民衆を押さえ付け抑圧するためのものではなく、社会全体が管理と監視を行うべき国民の財産だ。
 2015年12月、一部の活動家たちは暴力的なデモの先頭に立ち、大統領府にまでデモ行進して政府を打倒したいと考えている。しかし納税者の中で「今の政府には失望した」と考える人がいた場合でも、その多くは警察官や機動隊員に暴力を振るって都心を混乱させるような行為には共感も同意もせず、選挙で政府を審判しようと考える。5年ごとに行われる大統領選挙では政府に対する支持、あるいは不支持を時には怒りの感情で表出できるし、その結果、政権が交代することもあり得る。また4年ごとに行われる国会議員選挙では、政府の独走や暴走をけん制する国会議員を選ぶための票を投じる。
 破壊された機動隊バスを新たに購入し、次の暴力デモに備えて放水車の台数を増やすのに必要な費用は、全て納税者が支払った税金からの負担になる。実際に警察は今回、暴力デモによって発生した追加の費用を国の予算から支払うよう求めている。これはいわば国民に請求書を突き付けるようなものだ。こう考えると脱税犯だけが税金泥棒ではない。警察官を目にするたびに竹やりや鉄パイプで襲い掛かり、機動隊バスにロープを掛けて破壊する税金泥棒たちを、われわれはいつまで放置しなければならないのだろうか。
政治部=鄭佑相(チョン・ウサン)次長
韓国大手新聞 朝鮮日報15年12月4日記事抜粋

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