シニア花井の韓国余話

韓国交流50年の会社経営を引退しソウル定住の日本人が写真とともに韓国の案内をします。

「何もしない夏休み」楽しむ韓国人サラリーマン増加

2015年07月21日 22時43分47秒 | Weblog
勤続5年目の会社員Aさん(30)は、夏休みを2週間後に控え済州島行きの航空券を予約した。だが、有名な観光地を回るつもりはなく、西帰浦市の親戚宅を訪ね、近くの無人島に行く計画だ。「働きすぎて疲れたので、今度の休暇は何も考えず、何もせずに過ごすつもり」だという。
 毎年、夏休みのたびに海外へ旅行していた女性教師のBさん(30)は、今年は夫と自宅で何もせずに休むことにした。「昨年も欧州へ出かけたが、もう旅行の計画を立てるのも、観光するのも、帰国して日常に適応するのも面倒くさい。家でゆっくり寝て休みたい」と話す。
 本格的な夏休みシーズンを迎え、空港は旅行に出かける人でごった返しているが、一方では何もしない「無為な休暇」を楽しもうとする会社員も増えている。実際に、ある世論調査会社が先ごろ実施したアンケートで「夏休みには必ず旅行に行くべきか」との質問に、19-59歳の男女1000人のうち半分以上(51.7%)が「行かなくてもよい」と答えた。
 昨年末に就職したCさん(26)は、初めての夏休みを過ごすためソウルのホテルを予約した。休暇のために準備したのは約10作品の映画ファイルを保存したノートパソコンだけ。携帯電話も持っていかないつもりだ。「目が覚めたときに起きてドラマシリーズでも見て、会社や家と断絶された気分を味わいたい。何もしないことにカネを使う」という。
 休暇中は外部と連絡を絶ち、何もせずに過ごす人が増えるなど、夏休みの取得時期も多様化している。以前に比べ7-8月に夏休みを取る人が減り、9月に休む人が増えているのだ。就職情報サイトのジョブコリアによると、7-8月に夏休みを取る予定の会社員は74.3%で昨年に比べ20ポイントほど低下した一方、9月に休む人は昨年の7.8%から16.4%と大幅に上昇した。
 こうした現象について、専門家らは「疲労社会症候群」と呼んでいる。中央大のシン・グァンヨン教授(社会学科)は「日ごろ負担になっている社会的な規範や労働倫理から逃げようとする心理が働いている。『過労社会』の典型的な特徴だ」と説明した。ある会社員(29)は「普段は自宅で家族と食事をすることも満足にできないため、休みのときくらい『食べて寝る』ことをきちんとやりたい」と話している。
 最近、ある広告に登場した「何もしたくない。今も何もしていないが、もっと激烈に何もしたくない」というキャッチコピーも、こうした社会のムードを反映していると分析される。韓国人の年間労働時間は2013年基準で2163時間と、経済協力開発機構(OECD)平均の1770時間に比べ393時間長い。だが、韓国経営者総協会の「2015夏季休暇実態調査」によると、全国約400社の従業員の夏季休暇日数は平均4.6日にとどまる。
ユ・ソヨン記者
韓国大手新聞 朝鮮日報15年7月21日記事抜粋



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