シニア花井の韓国余話

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バスガス爆発:9割超が事故車と同じタンク使用

2010年08月11日 15時43分24秒 | Weblog
(韓国大手新聞、朝鮮日報 10.8.11記事抜粋)
8月9日、ソウル市城東区杏堂洞の杏堂駅周辺を走行中だった天然ガス(CNG)バスが爆発した事故で、ガスタンクそのものに欠陥があった可能性が高まっており、同じ種類のガスタンクを使用しているソウル市内の路線バス7000台以上の安全性が問題視されている。
 警察は10日、「ガスタンクそのものに欠陥があった可能性が最も高いとみられる。ガスタンクの連結部分の欠陥や、スパークによる爆発の可能性は低い」と説明した。国立科学捜査院の関係者も、「バスに使用されている8本のガスタンクのうち、1本が破裂したようだ。爆発したタンクの破片から推測すると、破裂によって内部のガスに圧力がかかり、タンクが瞬時に爆発したと考えられる」と述べた。
 天然ガスを燃料とするバスは、2000年からソウル市内の路線バスに導入され、現在は全路線バス(7548台)の95.8%に当たる7234台が運行している。しかし、まともな安全対策は行われていなかったとの指摘もある。
■安全性に欠ける低価格のガスタンク
 軽油を燃料とする従来のバスとは異なり、CNGバスは爆発する可能性が高い圧縮された気体を使用するため、何よりもガスタンクの安全性が重要視される。しかし韓国国内を運行するCNGバスには、安全面でやや不安が残る「タイプ1」と「タイプ2」が使用されている。ソウル市路線バスでもタイプ1が1303台、タイプ2は5931台に使用されている。
 タイプ1に使われている素材はアルミニウムとステンレスで、タイプ2はクロム鋼鉄の外側をガラス繊維で覆ったものだ。タイプ2は金属ではなくガラス繊維を使用しているため、タイプ1に比べて軽いという利点はあるものの、安全性ではそれほど違いはない。今回、爆発事故を起こしたのもタイプ2だった。
 安全性が高いのは炭素繊維複合素材のタイプ3とタイプ4だが、これらは高価なためあまり使用されていない。ソウル市バス政策チームのイ・ギヒョン氏は「タイプ1とタイプ2のガスタンクの設置価格は602万ウォン(約44万円)だが、タイプ3やタイプ4はその2倍以上の1400万ウォン(約102万円)だ。昨年11月、バスメーカーの現代自動車と大宇バスにタイプ3とタイプ4を導入するよう勧告したが、費用の問題で難色を示した」と話した。
【社説】「走る爆弾バス」、いつまで利用しろというのか(韓国大手新聞、朝鮮日報 10.8.11記事抜粋)
 ソウル市内を走る圧縮天然ガス(CNG)車の路線バスが爆発した事故で、バスに乗っていた17人が重軽傷を負った。中でも20代の女性は両足首切断の重傷を負った。この事故は、バスの床下に装着されたクロム鋼鉄材質の燃料タンク8本のうち、1本が爆発して起こった。
 CNGバスは2002年から本格的に導入され、現在全国で路線バスや清掃車など、2万5000台以上が運行している。ソウル市の路線バスも、排気ガスをほどんど排出しない同種のCNGバスが全体の95%を占めている。その影響もあって大気中の汚染物質の濃度は、2000年には1平方メートル当たり65マイクログラムだったのが、08年には53マイクログラムにまで減少した。しかし、たとえ大気汚染が改善されたとしても、市民の生命を脅かす「走る爆弾」など到底利用することはできない。
 今回の事故以前にも同じような事故が7回も発生しているが、いずれも十分な安全対策は行われていなかった。2005年1月と8月には同じメーカーが製造したガスタンクが相次いで爆発する事故が発生したが、この時も同じ生産ラインで製造された製品を廃棄するにとどまった。事故が発生する度に詳しい原因を究明し、十分な安全対策をとるべきだったが、これを怠り、対策を行ったとしても「圧力を10%ほど下げる」程度の不十分なものだった。ガスタンクは出庫の際に一度検査を受けるが、その後は車の定期点検の際に交通安全公団が1度チェックするだけだ。ガス漏れ防止装置も、この種のバスのわずか20台に試験的に設置されているに過ぎない。CNGバスを普及させるにあたって、製造は環境部が、車に装着するガスタンクは知識経済部が、運行車両は国土海洋部がそれぞれ管轄することになっている。つまり問題が発生しても、誰もが責任逃れできるような体制になっているというわけだ。
 欧米で運行されているCNGバスは、そのほとんどが屋根にガスタンクを設置している。こうすることによって、ガス漏れが発生してもガスが空気中に流れて爆発の危険性が軽減されるということだ。ところが韓国では、バスの重心が不安定になることや、外見も良くないという理由でバスの床下に装着されている。多くの乗客が利用する交通手段において、外見よりも安全性を優先すべきという鉄則をまったく無視した格好だ。
 これまでにも同じような事故が相次いで発生しているにも関わらず、部処(省庁)間では今も責任のなすりつけ合いが続いている。このままでは、さらに大きな事故が発生する可能性も排除できない。ガスタンクのメーカーやバスメーカーにも、最後まで責任の所在を追求しなければならない。市民に対して「足首を失うかもしれない」という恐怖感を抱かせながら、今後もバスに乗れとは決して言えないはずだ。


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