シニア花井の韓国余話

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NHKの災害報道【萬物相】

2011年03月16日 20時10分02秒 | Weblog
 (韓国大手新聞、朝鮮日報 11.3.16記事抜粋)
 日本の公共放送NHKで、記者たちが地震や台風などの災害に遭った人たちを取材する際、まず掛ける言葉がある。「このたびは大変なことでご苦労なさいましたね」「頑張ってください」だ。記者たちは被災者の写真を撮る際、許可を得てから撮影する。弁当は取材相手の目につかないよう、車内で食べる。公衆電話は災害被害者が優先的に使用するため、携帯電話を使う。
 マニュアルには、災害を報道する際の要領も詳しく決められている。アンカーや記者は、無意識のうちでも「大きい」「激しい」「厳しい」のような表現が入った言葉は使ってはいけない。視聴者たちを興奮させ、不安にさせるためだ。地震については「相当な揺れ」「強い地震」くらいの表現まで使うことができる。「○○だろう」というようなあいまいな表現、「全滅」のような過大な表現も使ってはいけない。
 NHKは国民が支払う視聴料で運営されている公共放送のため、災害が起きた際、迅速かつ正確な報道を行うことを最も重要な使命として掲げている。災害報道の目標は、災害の被害を最小化することだ。効率的で模範的な災害報道要領を体で覚えるため、NHKニュースセンターでは毎晩、仮想の災害報道訓練が行われている。NHK東京放送局の災害報道責任者たちは非常時に駆け付けられるよう、放送局から半径5キロ以内に居住しなくてはならない。
 史上最悪といわれる今回の大震災でも、NHKの災害報道が光った。NHKのアンカーや記者たちは、数万人が死亡あるいは行方不明になり、50万人の被災者が出た惨劇を報じながらも、平常時のように落ち着いた声だった。NHKの画面には真っ赤な火の手や、家族を亡くし泣き叫ぶ人の姿は映らなかった。その代わり、水道、電気、ガス、交通、病院の情報や、住民の避難生活に必要な情報を何度も繰り返し放送した。
 日本の災害で、より興奮したのは韓国のマスコミだった。公営、民営にかかわらず「痛哭(つうこく)」「壊滅」「阿鼻(あび)叫喚」「修羅場」「焦土化」「幽霊都市」「荒れ地」「暗黒世界」のような言葉を並べ立てた。道路は「完全に」その機能を失い、津波は「ものすごい」破壊力を見せ、都市が「丸ごと」消えたと報じた。日本の国民が大災害の中、冷静に落ち着いて対処している姿を見て、外信が「人類精神の進歩を見た」と報じたのには、日本の良質な公共放送が果たした役割も大きいだろう。




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