シニア花井の韓国余話

韓国交流50年の会社経営を引退しソウル定住の日本人が写真とともに韓国の案内をします。

【コラム】韓国人コミュニティーの内紛

2012年06月11日 11時38分58秒 | Weblog
  韓国大手紙・ 朝鮮日報12年6月10日記事抜粋
5月20日、中国・上海の韓国人会(商工業者団体)で風変わりな公聴会が行われた。約40人の韓国系住民が出席した公聴会は、韓国人会の幹部や元幹部による債権や債務をめぐる対立や、それに伴う脅迫、誘拐などの疑惑について究明するのが目的だった。この日の公聴会は、被害者を名乗る人物がインターネットのコミュニティーサイトで、事件について調査を求める文章を掲載したのが発端となった。この文章が上海の韓国人コミュニティーで大きな波紋を巻き起こし、相手側が「誰が正しいか、面と向き合って話そう」と持ち掛けたことにより公聴会が行われた。公聴会には当事者3人全員が出席したが、終わってから数日たった現在も、上海の韓国人コミュニティーではこの事件に対し意見が分かれたままだ。公聴会で5時間以上にわたって攻防が繰り広げられたものの、当事者たちによる自己主張や相手に対する非難に終始し、和解することなく終わったためだ。
 今回の問題は、私的な債権・債務の関係が引き金になった。共同で事業を展開することを決めた人たちのうち、投資をする側とされる側が、投資の条件や形式をめぐって対立し、さらに出資金を回収する過程で誘拐未遂などの疑惑が浮上したのだ。基本的に、個人同士によるこのような問題は、民事であれ刑事であれ、法的な手段によって処理すれば済むことだ。また、事件に関与した韓国人会の幹部たちは、比較的評判の良い人たちだったため、論争が続くのは当事者たちによって気の毒だという同情論もある。だが、今回の事件は関係者全員が韓国人会の幹部や元幹部であるため個人同士の問題として片付けるべきではなく、似たような事件の再発防止のためにも、きちんと決着をつけるべきだという声が多かった。
 海外の韓国人コミュニティーでの不正は、幹部たちが関与しているケースが多い。多くの人たちは献身的な姿勢で奉仕しようと考え幹部になるが、私欲によって役職や組織を簡単に利用できることから、不正に関与するようになる。公私の区別が十分にできない人たちは、幹部の座に就いていることを前面に出し、個人的なビジネスを展開したり、見返りを求めてトラブルの解決に介入したりする。さらに韓国の選挙で当選する機会を手にするため、役職や経歴を利用する人もいる。このため、韓国人コミュニティーの幹部たちは、団体の名刺と個人の名刺を作成し、使い分けなければならないという話も説得力がある。
 中国の韓国人コミュニティーは今や、かなり大規模になっている。とりわけ上海を中心とする華東地域の韓国人会は、規模だけでなく組織力や結束力も優れていると評されてきた。執行部の選出や組織運営などでは問題があるものの、韓国の2倍もの長きにわたって中国と交流している日本人コミュニティーと比べても、活動力や推進力では引けを取らないといわれてきた。
だが、今は韓国人コミュニティーにとって、質的な成長が求められる時期だ。韓国人会の活動に対する外部の監視機能の強化や透明性の向上、議論の活性化など、さまざまな努力が求められる。最も重要なことは、代表クラスの幹部たちの意識の転換だ。幹部たちは、「奉仕」や「献身」を誇示の対象ではなく、基本的な姿勢と心得るべきだ。会長や副会長になると、その名誉がとてつもないメリットとなるため、それ以上のものを求めて不祥事を起こした場合、責任を取る覚悟を示すべきだ。このような幹部たちには、韓国人コミュニティーのために黙々と貢献する多くの幹部たちと、韓国人コミュニティー全体の名誉が懸かっている。             上海=呂始東(ヨ・シドン)特派員




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