北朝鮮で韓国ファッションやメークが人気

韓国大手新聞　朝鮮日報１３年８月25日記事
北朝鮮に浸透する市場経済、拡大する貧富の格差
市場では韓国商品が人気、韓流ブームまで
北朝鮮、韓流を締め出すため特別取り締まりチームまで
　物を売り買いする「市場」が北朝鮮で活性化するにつれ「韓流」ブームも広がっている。脱北者らによると、北朝鮮の市場で取引される商品の相当数は韓国製。また、服も韓国製が流行している。北朝鮮産のものは野菜・果物・鮮魚・肉など、単純な農水産物や食料品ばかりだ。
　最近脱北したAさんは「市場を通して韓国の商品と接した北朝鮮の若者は、値段が高くても中国製より韓国製の方を好む。韓国の化粧品やシャンプーなどは欲しがる人が多く、簡単には買えない」と語った。
　韓国製の品物を売買して摘発されれば処罰されかねないため、服はブランドタグを取って販売する。一部の商人は、製品が「南品（韓国の商品）」だということを証明するため、切り取ったタグをポケットに入れておき、顧客に見せることもある、と脱北者らは話した。脱北者のBさんは「韓国製の服の供給が需要に追い付かず、一部の仕立屋は韓国のファッションスタイルをまねて自分で服を作ろうと、危険を冒して韓国のファッション誌を手に入れることもある」と語った。
　韓国の品物は高値で売れるため、一部の商人は中国の製品から商標を取り去り「韓国製」と偽って売ったり、さらには「偽の」韓国製品を生産・販売するケースもある。
　開城工業団地の労働者に間食として提供されていたチョコパイやスティックコーヒー、辛ラーメンなども人気商品だ。韓国製の冷蔵庫・テレビ・洗濯機・コンピューター・携帯電話・デジタルカメラ・キムチ冷蔵庫をはじめ、タイヤ・時計・圧力釜・ガスボンベ・ホットカーペット・ボイラーなども人気が高い。
　最近では、韓国式の新婦メークやヘアメークをしてくれる「扮装師」まで登場した。脱北者のCさんは「北朝鮮では最近、韓国の新婦のようにチークや眉毛を薄くし、つけまつげを施すメークが流行している」と語った。
　韓国ドラマや映画だけでなく、韓国のバラエティー・歌謡番組やシチュエーションコメディーをこっそりと視聴する住民も増えている。歌手PSY（サイ）の乗馬ダンスやアイドルグループのダンスをまねる若者も増えており、韓国風のしゃべり方も流行しているという。
　北朝鮮当局は、韓流を締め出すのに苦心している。人民保衛部や保安部は、韓流の特別取り締まり班を活動させていると伝えられている。韓国式のファッションやメーク、話し方などが取り締まりの対象だ。ある脱北者は「ジーパンは、摘発されると、もうはけないようにその場ではさみで切られてしまい、スキニージーンズ、ベルボトム、短パンなどは全くはけなくなった」と語った。