シニア花井の韓国余話

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進歩党の統合過程に北朝鮮が秘密指令

2012年05月19日 15時44分55秒 | Weblog
  韓国大手紙・朝鮮日報12年5月17日記事抜粋
韓国政界で昨年、左派政党の民主労働党、国民参与党と進歩新党の離党者が手を組み、統合進歩党を結党するまでの過程で、北朝鮮の対南工作機関「225局」が、スパイ組織「旺載山」の総責任者、キム・ドクヨン氏(49)に対し「行動指針」を盛り込んだ指令を送っていたことが明らかになった。指令には「北朝鮮追従路線」への批判を巧みにかわすための戦術が細かく示されていた。
 225局は旺載山に対し、2010年7月から昨年5月まで5回にわたり、民主労働党を中心とする「進歩勢力統合」を骨子とする行動指針を送っていた。その具体的な内容は、非公開で開かれた旺載山事件の裁判で明らかにされた。
■「北朝鮮追従」批判への対処
 「進歩陣営」の北朝鮮追従路線をめぐる論争は、今に始まった話ではないが、08年に民主労働党から進歩新党が分離したのを機に、本格的に浮上した。最近、統合進歩党の比例代表候補選出をめぐる党内選挙不正疑惑が波紋を広げているが、これも党内の「主体(チュチェ)思想派」の北朝鮮追従路線が問題の根底にあると指摘されている。
 225局は昨年3月「進歩大統合党の統合過程で、民主労働党の名称を堅持した上で、譲歩しながら…その場合には本社(225局を指す隠語)に問い合わせを」「進歩新党の宗派機会主義者が北朝鮮当局を韓半島(朝鮮半島)の平和・統一の相手として接する姿勢を堅持するならば、『(北朝鮮を)尊重する』という言葉がなくても受け入れることが可能だ」などと指示した。
 225局はまた、「進歩新党が『北朝鮮の核、人権、世襲を批判しろ』『従北(北朝鮮追従)、親北(親北朝鮮)を反省しろ』と主張するのに対し、まず『進歩は必ず反自主、反北、反統一でなければならないのか』という論理で攻勢をかけ、一方で『過去に従北があったとすれば、個別の人物の傾向だ。保守の政治家にもそのような人物がいるではないか』との立場を表明しなければならない」などとした。このほか、「分派主義を認めない原則を貫徹しなければならない」との一文も含まれていた。
■「進歩的民主主義」による連立政権論
 一方、225局は「趙承洙(チョ・スンス)元進歩新党代表など『悪質宗派分子』のずる賢い策動を民主労働党の個別の人物が直接たたくことも必要だ」「統合派と独自派の内紛と対立、40億ウォン(約2億8000万円)の債務など危機的状況から見て、進歩新党を枯死させることは不可能ではない。遅くとも10月までに大統合進歩党を完成させる」などと指示。続けて、「(2010年6月の)ソウル市長選に出馬した進歩新党の魯会燦(ノ・フェチャン)氏のような宗派機会主義的策動ができないよう、何としても制圧しなければならない」とも指摘した。
 指令にはまた「進歩的民主主義」という単語も登場する。昨年6月に民主労働党と進歩新党が統合交渉を行った際、民主労働党は党綱領に記された「社会主義の理想と現実を継承、発展させる」という表現を削除し「進歩的民主主義体制の建設」という表現に改めることを提案した。これについて、225局は「進歩的民主主義は韓国民衆と変革運動の現実的要求を正確に含む最も独創的なものであり、世界のどこにもそれに勝る理念はない。やむを得ず『進歩的民主主義』という表現を堅持できない場合には、自主、平等、反戦平和、民主的変革などの内容を必ず貫徹しなければならない」と指示している。
 225局はこのほか、民主党などとの「民主連合政権構成案」について「連立政権樹立ではなく、国会議席の譲歩や政策的担保を勝ち取ることなど、連帯案を研究、討論せよ」「地方自治体別に『共同政府』(政党連携)を構成し、試験運営することは、別個の問題だ」との指令も下した。
 225局は国民参与党について、「非正規職法、イラク派兵、韓米自由貿易協定(FTA)発議推進、ハンナラ党との大連立論など盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代の過ちを公に反省すれば、進歩大統合党に参加させてもよい」とし、ソウル大のチョ・グク教授らが率いる政治運動団体「私が夢見る国」については「大衆を分裂させるなど、マイナスの影響を与える余地が多分にある」と評した。
■225局とは
北朝鮮の対南工作機関で、2009年までは労働党対外連絡部という名称で活動していたが、内閣傘下へと再編された。工作員の韓国への派遣だけでなく、地下党組織の結成、要人の組織への引き込みなどに関する活動を行う。統合進歩党比例代表候補の党内選挙不正で、中心人物とされる李石基(イ・ソッキ)氏が過去に所属していた「民族民主革命党(民革党)」も225局の前身である対外連絡部の指令を受けていたことが分かっている。





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