シニア花井の韓国余話

韓国交流50年の会社経営を引退しソウル定住の日本人が写真とともに韓国の案内をします。

天下りに利用される仁川空港、競争率低下は当然だ

2014年05月31日 23時30分13秒 | Weblog
 5月27日にソウルで開催された国際空港協議会世界総会で、仁川国際空港が2013年度の世界空港サービス部門で「最高の空港」に選ばれた。しかし国際空港としての仁川空港の実際の地位はそれほど高いものとはいえない。仁川空港における国際線の乗り換え客数は今年4月の時点で52万5900人で、昨年8月の67万8000人に比べると22%も減少した。また乗り換え率も4月には15.0%にまで下落した。乗客全体のうち乗り換え客の割合を示す乗り換え率は、経済力のある先進各国の主要空港では30-40%に達する。国際線利用客の数も2012年の時点で世界9位だった。それも韓国人の海外旅行客数の増加により何とかランクインできたのだ。
 日本の羽田空港、中国の上海虹橋空港などは最近になって滑走路を新たに設置し、地方空港とのアクセスを高めると同時に欧米への直行便を増やすなど、競争力を高めるためさまざまな努力を傾けている。今の状態が今後も続けば、数年後には日本や中国の都市から仁川空港を経て海外に出掛ける人の数がさらに減少するのは間違いない。
 このような危うい状況の中、昨年6月に天下りの形で仁川空港公社の社長に任命された国土海洋部(省)元次官の鄭昌洙(チョン・チャンス)氏が、就任からわずか8カ月後の今年2月に「江原道知事選挙に出馬する」という理由で辞任してしまった。しかし鄭氏は与党セヌリ党の江原道知事候補を選ぶ予備選挙で脱落している。鄭氏が辞任してから仁川空港公社の社長は3カ月にわたり空席状態が続いている。一時は次官にまで上り詰め、その後公社の社長に任命されるという恩恵を受けたのであれば、本来なら仁川空港を世界レベルに引き上げるために自らの能力を全て発揮するのがあるべき姿ではないか。ところが鄭氏は社長の地位を政界進出のための手段程度にしか考えていなかったようだ。政府がこのようにずさんな人事をしているようでは、仁川空港の国際競争力が低下するのは当然との声が出るのも無理からぬことだ。
韓国大手新聞 朝鮮日報【社説】14年5月28記事抜粋




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