シニア花井の韓国余話

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韓日中FTA:韓国政府の推進意欲に温度差

2012年05月16日 13時53分50秒 | Weblog
韓国大手紙・朝鮮日報12年5月14日記事抜粋
韓国、中国、日本は5月13日に北京で行った首脳会談で、3カ国による自由貿易協定(FTA)交渉を年内に開始することで一致した。しかし、ほかのFTAに比べ、韓国政府は韓日中FTAに対する立場には温度差がある。
 韓国外交通商部(省)通商交渉本部の幹部は「メーンイベントは韓中FTAであり、韓日中FTAは小さな防衛戦にすぎない」と表現した。朴泰鎬(パク・テホ)通商交渉本部長も「3者より2者の方が早く進むのではないか」と述べ、韓日中FTAよりも韓中FTAが優先されるとの考えを示唆した。
 韓日中FTAのカードは、2002年に中国が初めて切った。東アジアで主導権を握るという政治的な意図が背景にあったとみられる。しかし、ライバル国の日本が応じず、交渉に東南アジア諸国連合(ASEAN)を引き入れようという中国の意見と、オーストラリア、ニュージーランド、インドを引き入れようとする日本の意見が衝突し、進展はスローだった。
 しかし、東アジアのFTA競争で最も出遅れたことに危機感を覚えた日本は最近、韓日中FTAの締結に必死に取り組むようになった。ついには「韓日中FTA交渉が始められなければ、日中FTA交渉を先に始めよう」といった発言まで日本政府内部から飛び出すようになった。
■中国市場めぐる競争
 専門家は、韓国政府が韓日中FTAに消極的な理由として、中国市場で日本と競合関係にある点を挙げる。韓国の対中貿易は、対日・対米貿易の合計よりも規模が大きいため、中国市場は韓国にとって重要な存在だ。こうした中、韓中FTAさえ実現すれば、対中輸出時に韓国だけに優遇関税が適用され、ライバル国の日本よりも優位に立てる。一方、韓日中FTAでは、韓日両国が共に優遇関税の適用を受ける。
LG経済研究院のキム・ヒョンジュ研究委員は「韓中FTAと比較すると、韓日中FTAは、日本と恩恵を分かち合わなければならないため、韓国にとっては魅力が小さい。日本市場が開かれるという効果はあるだろうが、数多くの非関税障壁があるため、どれだけ利益が生まれるかは疑問だ」と述べた。
 日本の平均関税率は4.7%で、韓国(11.7%)、中国(9.8%)に比べ低く、日本は関税引き下げによる輸入増加被害も小さい。
■3カ国交渉、より複雑
 交渉相手が一つ増えれば、考慮すべき事柄が増えるため、3カ国交渉を早期に進展させるのは困難だ。韓国政府の通商交渉本部も現時点では「韓日中FTAの交渉がどう進展するか不透明だ」との立場だ。外交通商部のチェ・ドンギュFTA政策局長は「韓国は中国に比べ農産物、軽工業分野で弱点がある。日本は農産物分野で韓国のように守りに入るだろうが、軽工業分野では異なる主張を行う可能性がある」と指摘した。このように、各国の利害は食い違う可能性が高い。
 日本経済新聞は「韓国は中国との2国間FTAを望んでおり、中国は農産物市場の開放を求めると予想され、3カ国には温度差があり、協定締結までには難航が予想される」と報じた。
■GDPへの効果、韓国が最大
韓日中FTAが締結された場合、国内総生産(GDP)増大効果が最も大きいのは韓国になるとの試算がある。対外経済政策研究院によると、韓日中FTAの締結から10年間で、韓国のGDPは5.1%伸びる見通しだ。これに対し、中国は1.5%、日本は1.2%にとどまるとみられる。日本は経済全体に占める内需の割合が80%を超えるため、FTAによる輸出増加がGDPに与える影響は相対的に小さい。





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