シニア花井の韓国余話

韓国交流50年の会社経営を引退しソウル定住の日本人が写真とともに韓国の案内をします。

株価上昇局面で異例のウォン安進行

2011年09月21日 11時33分43秒 | Weblog
(韓国大手新聞、朝鮮日報 11.9.16記事抜粋)
 株価が上昇すると、通常はウォン高が進むが、ここ数日は株価が上昇しているにもかかわらず、ウォン相場が下落し、投資家を困惑させている。9月20日には、イタリア国債の格下げを受け、ウォン相場が前日比11.40ウォンのウォン安ドル高となる1ドル=1148.40ウォンまで下落し、昨年12月以来9カ月ぶりの安値水準となった。また、韓国総合株価指数(KOSPI)は前日比17ポイント(1.0%)高の1837.90ポイントで引けた。9月14日からの5営業日で、ウォン相場は40.60ウォン下落し、KOSPIは88.8ポイント上昇した。株価上昇時にウォン安が進行するのは異例だ。韓国株式市場では、外国人持ち株比率が31%に達しており、通常は外国人が韓国株を売却すると、為替市場で売却代金をドルに交換するため、株安とウォン安が同時に起きる。米国債が格下げされた直後の8月8日には、ウォン相場が15.1ウォン下落し、株価も3.8%急落した。欧州金融機関の資金難が表面化した9月19日にもウォン相場は13.4ウォン下落し、KOSPIは6.22%の大幅安となった。
■輸出産業には恩恵
 9月20日のソウル株式市場では、輸出業種のIT(1.6%高)、自動車・造船(1.3%高)が全体の上昇をけん引した。個別銘柄では、LG電子が3.7%高、現代自動車が1.2%高、サムスン電子が0.4%高と値がさ株が上昇した。一方、内需銘柄の非金属(1.9%安)、通信(1.3%安)などは低迷した。輸出比率が80‐90%に達する韓国の電子、自動車業界にとっては、最近のウォン安が好材料だ。輸出競争力が高まるためだ。現代・起亜自動車はウォン相場が対米ドルで10ウォン下落するごとに、売上高が2000億ウォン(約134億円)増えると推定される。同社は今年7月末時点で、今年下半期に前年同期比12%のウォン高となり、輸出が困難に直面すると予測していたが、状況は一変した。IBK投資証券のイム・ジンギュン・リサーチセンター長は「最近の為替動向は、韓国に問題があるわけではなく、欧州の危機で短期的に資本の出入りが激しかったことが背景にある。韓国の輸出企業は、半導体価格が底入れし、反発に転じるなど、基礎的な体質が良好であり、株価は底堅く推移している」と分析した。
■1200ウォン割れの可能性
 専門家の多くは、欧州の財政危機が長期化し、欧州系資金の流出が続けば、ウォン相場は対ドルで1200ウォン以下にまで下落する可能性があるとみる。韓国は金融市場に流動性が豊富で、市場開放度も高いため、外国人が韓国市場から急激に資金を引き揚げるのではないかと懸念されている。9月1‐19日にウォン相場は対ドルで7.1%下落し、シンガポールドル(4.6%)、マレーシアリンギ(4.1%)、インドネシアルピア(3.6%)、香港ドル(0.1%)に比べ下落幅が大きかった。
 NH先物のイ・ジンウ金融工学室長は「海外の投資家を中心に、欧州の危機が拡大するとみる人が多い。ウォン相場は1200ウォンまで下落する可能性がある」との見方を示した。
 ただし、ウォン相場にはもはや下落余地がないとの見方もある。ある為替ディーラーは「ドル売りを中断した輸出企業が、ウォンの一段安はないと判断し、売り物を出せば、ウォンが急反発することもある。ウォン相場が1200ウォンまで下落する可能性は低い」と予測した。韓国政府の市場介入を期待する意見もある。企画財政部(省)の崔鍾球国際業務管理官(次官補)は「最近のウォン相場の動向からみて、市場は行き過ぎた反応を示しているようだ。調整の契機が訪れるとみている」と述べた。


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