シニア花井の韓国余話

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中国に幻想を抱くのはまだ早い【コラム】      

2014年11月18日 11時21分44秒 | Weblog
韓国大手新聞  朝鮮日報14年11月16日記事抜粋
 昨年11月末、オーストラリアのキャンベラで行われた第3回中豪フォーラムで激論が交わされた。中国は米豪同盟に対し「冷戦の産物だ。中国の主権と核心利益を侵害する」と集中砲火を浴びせた。オーストラリアもこれに対抗し「東シナ海や南シナ海の緊張緩和のため腹案を示せ」と反撃した。
 中国もたじろがなかった。ある出席者は「米国は時々、同盟国を動員してわれわれに圧力を加えるが、オーストラリアはよく考えるべきだ。米国は相手の立場を考慮せずに瞬時に言葉を変えることがある」と言った。「オーストラリアが今のように米国の犬のような役割ばかりしていたら中国とは疎遠になる。そればかりか飼い主の米国からも突然、捨てられるかもしれない」という意味だ。「米国は戦略的同盟、中国は経済パートナーという見方そのものを変えなければならない」「両国関係は戦略的信頼の有無によってハッピーエンドになるか、悲劇に終わるか分からない」と脅す中国側の人物もいた。
 このフォーラムには中国からは李肇星元外相、オーストラリアからはピーター・コステロ元財務相ら両国の元官僚・現職官僚や経済専門家など約50人が出席した。つまり実質的には両国政府を代表する人物が会談する場だったのだ。
 このような場で中国が露骨に攻撃に出たのには理由があった。中国は同フォーラムの1週間前、周辺国と紛争を抱える東シナ海に突然、防空識別圏を設定した。オーストラリアはこのとき「力による一方的な現状変更の試み」だとして、防空識別圏が重なる韓国や日本以上にこの措置に激しく抗議した。ただでさえオーストラリアの外交に不満を持っていた中国は、これをきっかけに積もり積もっていた不満を爆発させたのだ。
 オーストラリアの対中輸出は昨年の輸出全体の36.1%を占めており、中国への経済依存度が韓国よりもはるかに高い。韓国のように中国との自由貿易協定(FTA)締結を目前にしているため、当然中国の顔色を見ながら慎重にならざるを得ないと思われるが、実際は正反対だ。
 オーストラリアは2011年、南シナ海に面する北部ダーウィンの基地に米海兵隊を常駐配置させ、今年は同地の駐屯兵士を1100人から2500人に増やすことにした。さらに、中国と仲の悪い日本が集団的自衛権行使の方針を明らかにした際に積極的に賛成の意を表明、中国と紛争を抱えているインドとも安全保障協力を強化している。
 米国の同盟国を中心としたアジアの国際秩序は、韓国をはじめとする「4頭の竜」を育てた。中国もこの秩序のおかげで30年間にわたり高度成長を遂げることができた。オーストラリアが経済とは別に外交・安全保障分野で中国と対立しているのは、規模や数の上で優位な中国のせいでこうした秩序が揺らげば自国の国益にならないと考えているからだ。シンガポールが米国に「中国をけん制するため、アジア太平洋地域の軍備をもっと増やしてほしい」と要求しているのも同じ考えからだ。
 北朝鮮による韓国海軍哨戒艦「天安」爆破・沈没や延坪島砲撃事件のとき(2010年)よりは改善されているが、中国の国際的な動きはまだまだ不透明だ。韓国に参加を要請しているアジア・インフラ投資銀行(AIIB)にしても、出資金の50%を中国が持つ構図になっている。こうした例はほかの国際機関にはほとんどない。北朝鮮問題でもそうだ。中国の主流は依然として北朝鮮を「戦略的資産」と考えており、北朝鮮の核やミサイルに対しぬるま湯的な対応ばかりしている。
 今は韓中関係が良好だとしても、中国に対して幻想を抱いている場合ではないのだ。
崔有植(チェ・ユシク)デジタルニュース部長




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