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【記者手帳】複雑すぎる大学入試に困惑する保護者たち

2011年10月01日 21時00分16秒 | Weblog
(韓国大手新聞、朝鮮日報 11.9.27記事抜粋)
 数日前、高校3年の子どもを持つ「ワーキングマザー」のイさんが「あまりに大変でストレス解消でもしたい」と電子メールを送ってきた。イさんは8月の入学査定官試験(学力試験ではなく入学査定官が内申や面接の成績で合否を決める入試)の願書を5カ所、9月の随時入試(一般入試以外の時期に行われるさまざまな形態の入試)の願書を7カ所と、計12カ所に願書を出し、くたくたに疲れてしまったという。願書を出すたびに、大学別、入試別に推薦書と自己紹介書、活動記録書などを別々に提出しなければないためだ。同じ大学だけで3回も願書を作成したが、必要書類が3回とも少しずつ異なっていた。イさんは「あまりにも入試が多様化し、要求される書類の種類も多いので、子ども1人ではこなせない。私のように仕事を持つ母親は『出産休暇』のように『高3休暇』でもないと、入試を乗り切れそうにない」と話した。
 翌日、また別の高3の保護者から電話を受けた。共働きのこの保護者は、夜遅くまで息子と共に随時入試の願書を準備しているところだったという。この保護者は「まず入試方法があまりに複雑だ。一般入試、特別入試などに分かれていて、さらに大学別に入試の名称や必要とされる内申の内容、修能(大学修学能力検定試験、日本のセンター試験に相当)の科目が全て異なり、いくら確認しても混乱する」と訴えた。この保護者は「担任教諭が数十人の生徒たちを1人1人確認するのも難しく、親がやるにも限界があるため、実際、業者に大金を支払って依頼する人も出てくるのではないか。過去のように学力試験と内申だけで大学に入学することは、副作用が大きいといわれるが、今の方がもっと大変だ」とも話した。
 あまりに複雑な大学入試に苦労しているのは、この保護者たちだけではない。全国69万人の受験生と保護者が、少なくとも7‐8カ所、多い場合は10カ所以上に大学入試願書を提出する中で、共通して経験することだ。今後は一般入試が残っているが、三つの入試グループ別に1カ所ずつ、少なくとも3通の願書をさらに提出しなければならない。
 2012年度大学入試は、随時入試と一般入試を合わせて3298回にも上る。208校の四年制大学が、1校当たり平均16回の入試を行っていることになる。このように入試回数が多い理由について、大学は「多様な人材を選抜し、学生が自分に合う入試を選んで受験する機会を与えるため」としている。しかし、必要以上に複雑な大学入試を行い、学生と保護者に苦痛と負担を与えるのは、誤りではないか、そろそろ振り返ってみるべきではないだろうか。こうしているうちに、本当に働く母親たちが「『高3休暇』を与えよ」とプラカードを持つ日が来るかもしれない。
キム・ヨンジュ社会政策部記者


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