シニア花井の韓国余話

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【社説】不当な中間マージンで収益を上げる財閥系企業

2012年07月22日 21時21分21秒 | Weblog
韓国大手紙・ 朝鮮日報12年7月21日記事抜粋
 公正取引委員会は現金自動預払機(ATM)の販売を手掛けるロッテPSネットに対し、6億4900万ウォン(約4500万円)の課徴金支払いを命じた。同社はATM機を購入する際にメーカーと直接取引せず、同じグループ会社のロッテアルミニウムを通じて間接的に購入し、この会社にマージンを得させることで不当に支援を行っていた。大手企業グループが外部と取引を行う際、中間に子会社などを入れて一種の「通行税」を手にさせるこの種の行為は、これまでは慣例として定着していたが、今回初めて取り締まりのメスが入ったのだ。
 ロッテPSネットはロッテデパートやロッテマートなど、ロッテグループ系列企業の売り場にATM機を設置、管理する事業を行っている。同社は2008年にもATMを購入する際、ATMとは何ら関係のないボイラーメーカーのロッテ機工(現在のロッテアルミニウム)を中間に入れた。ロッテアルミニウムはメーカーから3534台のATM機を666億3500万ウォン(現在のレートで約45億7200万円、以下同じ)で購入し、ロッテPSネットに707億8600万円(約48億5600万円)で売却した。しかし実際はロッテPSネットはメーカーから直接ATMの納品を受けていた。つまりロッテアルミニウムは何もせず41億ウォン(約2億8000万円)の差益を手にしていたのだ。
 ロッテPSネットはロッテグループ総帥の指示でロッテアルミニウムを支援したとされており、公取委はこの事実を立証する電子メールもすでに確保したという。ロッテグループ各社が大株主となっているロッテアルミニウムは、08年に負債比率が5000%を上回るなど経営が極度に悪化し、09年にワークアウト(企業再建手続き)候補となった。つまりロッテPSネットは資金難に陥ったロッテアルミニウムを支援するため、同社を介する形でATM機を購入し、マージン分の損害を意図的に出したことになる。
 これは実のところ財閥グループの間では珍しくないことだ。例えば、ある大手財閥グループの広告会社は同じグループ会社のプロモーション映像制作を受注し、その仕事を別の企業に丸投げして10-20%もの手数料を何もせず手にしていた。このように広告や物流、ネットワークサービスなどを手掛ける財閥系企業の中には、中間マージンだけで収益を得ているケースがかなり多く、またこのような企業ほど財閥総帥の家族が大株主となっている。仕事のたらい回しと「通行税」を通じ、企業の収益は一般の株主に配分されるのではなく、オーナー一家のポケットにしまい込まれているのだ。
しかしこれまでこの種の問題を規制する法的根拠は明確でなかった。今回のロッテグループのケースも、検察は業務上背任容疑で捜査を行ったが、容疑は立証されず最終的に何の処罰もなかった。公取委は刑法上の業務上背任ではなく、公正取引法上の不当支援との判断を下したが、これには反論も根強い。そのためまずは法律の見直しを急ぐべきだ。そうしなければ、企業側は自分たちの行為を改めようとはしないはずだ。





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