シニア花井の韓国余話

韓国交流50年の会社経営を引退しソウル定住の日本人が写真とともに韓国の案内をします。

SNS疲れの韓国で高まる欲望「一人でいたい」 

2015年11月23日 12時42分06秒 | Weblog
「一人になる」必要性を説く本がベストセラーに
 大企業のマーケティング部署の部長Kさん(45)は最近、フェイスブックを見ていない。一晩中ベッドに寝そべって、フェイスブック上の友人たちがアップした写真を見ながら、時間を無駄にするのがもったいないという思いが強まったからだ。Kさんは「最初は友人たちの近況を聞き、ほかの人たちの考えも知ることができてよかったが、後には結局何も残らない。その時間に本を読む方がずっとましだ」と話した。
 フェイスブックやツイッター、インスタグラムなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)にのめり込んでいる人たちの間で、「一人でいたい」という欲望が高まっている。スマートフォンを通じ、誰と会って、どこで食事をしたか、一挙手一投足が不特定多数に知られる状況を経験した後、「一人になりたい」と思うようになったというわけだ。国立大学のJ教授(52)は最近、高校の同級生たちが作ったカカオトークのグループチャットから来る通知音をオフにした。つまらない日常を分かち合い、わいわいと騒ぐことに、エネルギーを無駄にし過ぎた」と話した。
 出版業界では、日本人の斎藤孝氏が著した『一人でいる時間の力』がわずか3カ月で10万部を売り上げたが、これも上記のような世間のムードを反映している。著者は「寝る直前までメールや携帯電話で誰かと連絡を取り続ける中、一人になることは不可能だ。一人になる時間こそが、期待を現実に変えられる準備の時間だ」と説いた。
 韓国国民が昨年、芸能人の恋愛ネタから政界のうわさに至るまであらゆる情報を入手し、フェイスブックの書き込みに「いいね」を押すなどして、1日にスマートフォンにかけた時間は計1時間17分だ。大学生の場合、その数字は2時間20分にまで延びる(情報通信政策研究院の資料による)。その時間を、本を読んだり、自らを省みるために使ったりするのがましだと考えた人たちは、書店に足を向けるようになった。今年下半期だけでも『私はなぜ一人の方が気楽なのか』『私が一人旅をする理由』『孤独の力』『孤独が必要な時間』といった本の出版が相次いでいる。
このような本を購入する人たちの半数は40代だ。オンライン書店「イエス24」が、『一人でいる時間の力』『私はなぜ一人の方が気楽なのか』『私が一人旅をする理由』の3冊の購買層を分析した結果、購入者全体の47.5%が40代だった。40代の女性の比率が最も高く、次に30代の男性が続いた。漢陽大学のピョ・ジョンフン特任教授は「30-40代の間で、時間をもっと生産的に使おうという欲望がより強い。この年代の単身世帯が増え、一人暮らしの人が過去に比べ大幅に増加したということも見落とせない」と指摘した。 これらの本には、思春期の青少年に見られるような「孤独礼賛」や、「心が痛むから」と慰めるような内容はない。その代わり、時間の管理や読書など「自己開発」の重要性を強調している。会社員向けの自己開発書『チームワークの背信』にも「群がることで成功した人はいない。集団の知性というのは幻想だ」というくだりがある。今年、36週間にわたってベストセラー1位を記録した『嫌われる勇気』も「皆がうまくやっていくためにエネルギーを浪費する必要はない」というメッセージが込められている。 ソウル大学心理学科の郭錦珠(クァク・クムジュ)教授は「私たち皆がつながっているというのは一種の錯覚だ。SNSが与える『過大な刺激』から逃れ、精神的に開放されたいという心理が反映されていると思う」と指摘した。
シン・ドンフン記者
韓国大手新聞 朝鮮日報15年11月22日記事抜粋


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