シニア花井の韓国余話

韓国交流50年の会社経営を引退しソウル定住の日本人が写真とともに韓国の案内をします。

韓国社会、今こそ「なせば成る」精神と決別を  

2014年05月28日 08時00分41秒 | Weblog
 「なせば成る」ほど勇気や希望を持たせてくれる言葉はなかなかない。「なせば成る」にはどんなに苦しい状況でも最善を尽くせば苦境を乗り越えられるという前向きな意志が込められている。事実、私たちの周りには「なせば成る」を座右の銘にして血のにじむような努力をし、夢をかなえた人も多い。個人だけでなく国全体で見ても、韓国が現在のような経済成長を成し遂げた背景には「なせば成る」の精神があった。鄭周永(チョン・ジュヨン)氏=現代グループ創業者=や李秉(イ・ビョンチョル)氏=サムスン・グループ創業者=が世界的な企業グループを作り上げた原動力も「なせば成る」という信念だった。
 しかし、「なせば成る」には強い副作用もあった。「どんな方法を使ってでも事をやり遂げさえすればいい」という風潮を生んだ。目的のためには手段を選ぶ必要はないという「結果至上主義」的な考え方を招いた。いつからか「なせば成る」では終わらず、「成らぬなら成し遂げられるようにせよ」という考え方にまで行き着いた。成らぬ事を成し遂げるには、無理をするしかない。法や原則ではなく、要領や方便も取り入れなければならない。賄賂を渡したり、「コネ」を使ったり、担当公務員と癒着したりすることも必要だ。関連業界の企業が幹部公務員の天下り先になっているのも、彼らをうまく使えば「成らぬ事も成し遂げられる」からだ。
 このように、「なせば成る」は本来の前向きなチャレンジ精神ではなく要領・方便・違法をあおり、ひいてはそれが当たり前のことのように考える間違った価値観を韓国社会に植え付けた。要領がいい人物、方便をうまく使う人物、どんな手段を使ってでもやり遂げる人物が有能であるかのようにもてはやされ、出世する。基本や原則、法律や規定を持ち出せば世間知らずの能なしとレッテルを貼られてしまう。
韓国社会における不正・腐敗のほとんどは「なせば成る」がもたらした要領・方便万能主義のせいだといえよう。ある企業の社長夫人は大学病院の医師にカネを渡し、偽の診断書を書かせて刑執行を停止させ、釈放された。ある幹部公務員は、退職後一定期間、民間企業への就職を禁じている法律があるのにもかかわらず、法の網の目をかいくぐってまず協会や組合など関連団体に入り、後に企業に就職した。大統領府とて例外ではない。現行法では現職検事の大統領府秘書室派遣が禁止されている。大統領府はこの法律を回避するため、検事を秘書室に派遣勤務させる際、検事に辞表を出させる。その検事は後に復職という形で検察に戻る。形式上は元検事を秘書室に勤務させるわけだから合法だが、これは法の趣旨に反する方便にすぎない。
 旅客船「セウォル号」沈没事故は、韓国社会のあちこちに浸透している要領・方便万能主義が絡み合って引き起こした最悪のケースだ。船齢20年の古い船を無理に増改築し、転覆しやすい構造になったが、担当機関はこれを検査でパスさせた。救命いかだ点検業者は46隻のうち9隻だけをざっと見て「良好」と書類に書いた。船に貨物を固定する業者もいい加減な仕事ぶりだったし、出航前に船が安全かどうかチェックする運航管理者はセウォル号側が作成した書類だけを見て「合格」と判定した。海洋警察と海洋水産部(省)はこれら業者を適切に指導・監督していなかった。
 「なせば成る」はひたすら前だけを見て突き進んでいた時代には有用だった。しかし、法と原則を尊重し、結果だけでなく過程を重視する先進国では「結果良ければすべて良し」というわけにはいかない。もう「なせば成る」という言葉は捨てるべきだ。
金琅基(キム・ナンギ)論説委員
韓国大手新聞 朝鮮日報【コラム】14年5月25記事抜粋
(投稿者注)
「なせば成る」は悪いことではない。
日本も「なせば成る」で、今の経済大国になった。
韓国の問題は、「なせば成る」が悪いのではなく、韓国人のルールを守らない、自己チューの精神構造に問題があるだけのことだ。


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