07-12-2
図書館に大分以前に頼んでいた本が、ようやく着いたと連絡あり。
2~3日で読みきった。この本の副題は「佐土原藩島津家江戸日記」拾い読み。
珍しい読み物ではなかろうか。
・佐土原(宮崎)から江戸への参勤交代の大変さ
(膨大な出費、日数、道中、事件を起こさないよう細心の注意など)
・とうとう参勤交代時節の変更許可願い、これが気も金も使う。
・江戸はそんなにも火事が多かったのか、この藩も類焼(借金で賄う)
・藩の財政事情(不作の年にゃまいったろうなー)
・馳走役、接待役がまた大変なんじゃ、金がかかる。
・日常、下々の事件にゃ、気も金も使う。
・江戸藩邸での正月、お殿様、これがまた15日位まで大変忙しい。
成るほどなーと感心しながら読みきった。
今の時代にも共通するような事柄もあって、結構面白かった。
参勤交代には通常、東海道を使っていたみたいだが、本の中では一度、初の日光山
参拝の後、中山道を通って佐土原へ帰ったことが出ていた。
この道中のところが日記で残っていたら、面白いだろうなと思った次第。
【書評】
江戸時代、不祥事を起こして幕府に察知されればその藩はお取りつぶしにもなった。
だから、とくに力のない小藩はなににもまして“お家大事”が最優先だった。本書は「佐土原藩島津家江戸日記」を解読したもので、当時の江戸留守居役の右往左往ぶりが浮かび上がる。
その一つ-江戸城の大手門に通じる常盤橋の御門番勤めで、藩の足軽と松平人足との間でささいなことから一騒動が起きた。
松平といえば会津藩であり、幕府直結の家系である。いかに内々に沈静化させるか-。
結果は大岡越前裁定で大事には至らなかったが、この間の江戸留守居役の善後策をめぐっての東奔西走ぶり
など、当時のあたふたした様子が浮かび上がってくる。
今日にも通じるお役所勤めの実情が興味深い。
(鉱脈社・1500円)