谷沢健一のニューアマチュアリズム

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プロアマ交流試合・対インボイス戦 試合後

2005-08-03 | 西多摩倶楽部戦記
 試合後、インボイスの渡辺久信監督は、自軍の選手たちにバットを持ってこさせ、それらを寄贈してくださった。これもまたありがたいことだった。渡辺監督は「1番の片山君は初球から思い切りよく振りますねー」と誉めてくれた。さすが台湾球団など多くの選手を見ているだけある。確かに片山君は切込み隊長らしい(かつてのバファローズ黄金時代のトップバッター平野外野手ばりだ)好選手である。
 また、金森君についても「形が一番しっかりしてる」と投手出身の監督らしい見方を述べてくれた。ただ、全体的に上体ばかりに力が入って下半身の弱さが目立つと指摘してくれ、ディフェンスの強化をという提言をいただいた。
 私の心の中には、「たかだかアマのクラブチームが相手だ」という意識を捨てて、真剣に挑んでくれたインボイスのスタッフ、選手の皆さんへの感謝が溢れるほどいっぱいに満ちていた。うちの選手たちも、夢と現実との両方を見せられることで、各自、感じるところ・思うところが多かったことだろう。(ちなみに、観戦してくれたフジテレビのFディレクターも「真剣勝負ですねー」と感想をもらしていた。)
 ほんとうに、西多摩倶楽部にとって、本格的にプロと交流戦ができたことへの満足感、充実感が与えられた一戦だった。この試合が新たなスタートであることは、私以上に、ネット越しに見守っていたプロ球団たる西武とインボイスのファンにも、足場の不安定な三塁側の土手で(うだるような暑さの中で)熱い声援を送り続けてくれた西多摩応援団にも伝わっていたと確信している。

プロアマ交流試合・対インボイス戦 試合

2005-08-03 | 西多摩倶楽部戦記
 試合が始まった。インボイスの先発は東投手、打線は、栗山選手、水田選手、小関選手、高木(大成)選手、後藤選手、おかわり君こと中村選手・・・と、一軍でも実績のある面々が続いていた。西多摩倶楽部の先発はエースの金森君。 
 初回、水田選手にレフト前に運ばれ、直後にワイルドピッチが出て3塁まで奪われた。張り切りすぎているのか、どこか捕手の島原君の動きが堅い。続いて、小関選手に低目のフォークを打たれて1点献上。さらに追加点も取られる。
 3回表、2番関根君の右翼越えのツーベース、3番加藤(裕太郎)君の狙いどおりのセカンドゴロで走者が進塁、4番遠藤君のライト前タイムリーが生まれて3対1となった。そして、3回裏は金森君が0点に抑える。ここまでは、善戦といえた。そこで、できるだけ多くの部員たちに経験を積ませようと、バッテリー2人を交代させた。それが結果として、試合を暗転させた。
 4回からは防戦一方。投手は安田君を投入したが乱調で(生活のかかったプロ選手に死球の被害があってはならないので)降板。続く、斉藤(生一)君も普段の闘志はどこへやら(いつもは相手を威圧するような大声をだすなどのファイトマンだ)、相手の大型打線に圧倒され、打ち込まれた。
 試合は15対1という一方的な展開となった。そんな中、7回にマウンドに上がったノバク・ショーン君(横田基地内の生まれで、9月からはハワイ大学に進学)が、二つの三振を奪った。特に得意のチェンジアップで中村選手に空を切らせたのは見事だった。また、5番手の鈴木僚(りょう)投手、4回から出場の甲斐捕手も貴重な経験を積めたはずだ。

プロアマ交流試合・対インボイス戦 試合前

2005-08-03 | 西多摩倶楽部戦記
 7月31日、大げさな言い回しに響くかもしれないが、我が西多摩倶楽部にとっては歴史的な一日となった。西武球団のファーム、インボイスと対戦したのである。プロと対戦するのは、監督就任早々の昨年2月29日、湘南シーレックスに0対21で敗れて以来だ。あの時はチームも掌握していなかったので、采配らしい采配をする余裕もなかったが、さて、今回はどうなるのかと、何日も前から楽しみだった。
 10時過ぎ、西武第2球場に着くと、我が方の選手たちは外野に集まっていた。彼らからはいつもよりもずっと元気な挨拶の声が飛んできたが、それ以上にインボイスの練習に見入っている選手が目立った。
 この試合の企画がもちあがったのは、5月頃だった。私は、中日対西武(セパ交流戦)の解説でナゴヤドームを訪れた際、伊東監督に話を持ちかけた。「ツトム、お願いがあるんだが」と、つい私は横柄な物言いをしてしまったが(西武のコーチ時代に伊東捕手をツトム、ツトムと呼んでいた癖が出てしまったのだ)、伊東監督は人一倍、応対が丁寧な人柄そのままに、「はい、わかりました」と答えはすぐに返ってきた。そして、すぐにマネージャーを呼び寄せ、ファームの日程を調べさせたのである。伊東監督曰く、「うちの選手たちはいささか甘えている。1軍から2軍に落として鍛えようとしても、逆にファームの方が住みごごちがいいようだ。是非、そんな選手たちに、一生懸命頑張っている倶楽部チームの選手の姿を見せて、刺激して欲しい」。
 そんな伊東監督は、ゲーム前、(当日夜に楽天戦を控えているにもかかわらず)激励のためにロッカールームにわざわざ足を運んでくれた。この心配りには頭が下がる。