『獣人』(ジャン・ルノワール監督、1938年)を観た。
パリ、ル・アーヴル間の機関士であるジャック・ランティエが、ル・アーヴル駅に着いて列車を点検してみると車軸の修理の必要性があり、そのため3日間の足留めをくらう。
その間にランティエは、ブレオテで踏切の番人をしている代母のミザー夫人に会いに行く。
そして、久し振りに見る娘のフロールが美しくなっているのを感じたランティエは、彼女に恋愛感情を抱く。
抱擁する二人だったが、ランティエは、いつしか無意識のうちにフロールの首に手を掛けて絞めようとしていた。
一方、ル・アーヴルの駅長ルボーは、些細なことで地位が危なくなり、有力者で、妻セヴリーヌの代父でもあるグランモランにどうにかして貰いたいと考える。
セヴリーヌを通して解決の手筈を得たルボーだったが、嫉妬深いルボーは、妻とグランモランの仲を疑い、とうとうセヴリーヌに白状をさせる。
ルボーはセヴリーヌに手紙を書かせ、“サン・ラザール駅6:20発”ル・アーヴル駅行きの同列車にグランモランも乗せる。
その列車には、丁度、ミザー夫人の元から帰るランティエも途中から乗り合わせる。
怒りに燃えるルボーはセヴリーヌを連れて、グランモランがいる個室座席に行き彼にナイフを突き刺す。
慌てて自分たちの座席に戻るルボー夫婦は、たまたま通路の向こうにランティエが出ている姿を見て・・・
犯行がばれたと思ったセヴリーヌは、ランティエを味方に付けようと近づいていく。
片やランティエは、取り調べにルボー夫婦を見たことは喋らない。
知り合いになる、ランティエとセヴリーヌ。
ランティエは、セヴリーヌを愛してしまう。
だがセヴリーヌは、私に必要なのは何でも話せる親友だと言う。
それでも、急速に親しくなる二人。
こうなると、今度は夫が邪魔になる。
セヴリーヌは、夫が死んでくれたら悩みがなくなり自由になれるのに、とランティエに言う。
ランティエは、ルボーを殺害しようとする。
だが、どうしても殺せない。
二人だけの世界を作るため、ランティエは再度、実行しようとする。
ところがその直後、物語は意外な方向に進んで行く。
冒頭、ランティエには遺伝的な精神の病があり、時折、自分の意志とは関係なくある行為を犯してしまう、とある。
だから、突然のその発病を恐れているランティエは、好きになったフロールとの結婚も諦めている。
そして、ラストの悲劇もこの病に負っている。
内容的には、いざという時に現われるこの病が何となく安易に感じられ、そればかりか、ルボーがグランモランを殺害しようとする動機も完全には納得できない。
それでも、ランティエとセヴリーヌの恋愛シ-ンは、ジャン・ギャバンとシモーヌ・シモンの雰囲気がよく、二人の思いが溢れている。
それに、何度も現われる機関車が驀進するシーンの力強さが、全体を引き締めて飽きない。
だからこの作品も、私にとって愛すべき作品のひとつと言える。
パリ、ル・アーヴル間の機関士であるジャック・ランティエが、ル・アーヴル駅に着いて列車を点検してみると車軸の修理の必要性があり、そのため3日間の足留めをくらう。
その間にランティエは、ブレオテで踏切の番人をしている代母のミザー夫人に会いに行く。
そして、久し振りに見る娘のフロールが美しくなっているのを感じたランティエは、彼女に恋愛感情を抱く。
抱擁する二人だったが、ランティエは、いつしか無意識のうちにフロールの首に手を掛けて絞めようとしていた。
一方、ル・アーヴルの駅長ルボーは、些細なことで地位が危なくなり、有力者で、妻セヴリーヌの代父でもあるグランモランにどうにかして貰いたいと考える。
セヴリーヌを通して解決の手筈を得たルボーだったが、嫉妬深いルボーは、妻とグランモランの仲を疑い、とうとうセヴリーヌに白状をさせる。
ルボーはセヴリーヌに手紙を書かせ、“サン・ラザール駅6:20発”ル・アーヴル駅行きの同列車にグランモランも乗せる。
その列車には、丁度、ミザー夫人の元から帰るランティエも途中から乗り合わせる。
怒りに燃えるルボーはセヴリーヌを連れて、グランモランがいる個室座席に行き彼にナイフを突き刺す。
慌てて自分たちの座席に戻るルボー夫婦は、たまたま通路の向こうにランティエが出ている姿を見て・・・
犯行がばれたと思ったセヴリーヌは、ランティエを味方に付けようと近づいていく。
片やランティエは、取り調べにルボー夫婦を見たことは喋らない。
知り合いになる、ランティエとセヴリーヌ。
ランティエは、セヴリーヌを愛してしまう。
だがセヴリーヌは、私に必要なのは何でも話せる親友だと言う。
それでも、急速に親しくなる二人。
こうなると、今度は夫が邪魔になる。
セヴリーヌは、夫が死んでくれたら悩みがなくなり自由になれるのに、とランティエに言う。
ランティエは、ルボーを殺害しようとする。
だが、どうしても殺せない。
二人だけの世界を作るため、ランティエは再度、実行しようとする。
ところがその直後、物語は意外な方向に進んで行く。
冒頭、ランティエには遺伝的な精神の病があり、時折、自分の意志とは関係なくある行為を犯してしまう、とある。
だから、突然のその発病を恐れているランティエは、好きになったフロールとの結婚も諦めている。
そして、ラストの悲劇もこの病に負っている。
内容的には、いざという時に現われるこの病が何となく安易に感じられ、そればかりか、ルボーがグランモランを殺害しようとする動機も完全には納得できない。
それでも、ランティエとセヴリーヌの恋愛シ-ンは、ジャン・ギャバンとシモーヌ・シモンの雰囲気がよく、二人の思いが溢れている。
それに、何度も現われる機関車が驀進するシーンの力強さが、全体を引き締めて飽きない。
だからこの作品も、私にとって愛すべき作品のひとつと言える。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます