原野の言霊

風が流れて木の葉が囁く。鳥たちが囀り虫が羽音を揺らす。そのすべてが言葉となって届く。本当の原野はそんなところだ。

風に吹かれて

2011年08月02日 08時08分49秒 | 社会・文化
 湿原を吹き渡る風の強さを物語るように、ワタスゲが揺れていた。風に震える白い雪の球は、支える人もなく不規則に振られるペンライトのようにも見える。白綿は、風にあおられ茎から離れ、新しい地を求めて旅に出る。その先はすべて風任せ。行く末を自分の意思で決められない宿命。それでいいのだろうかと思う反面、風に任せていれば考えることも努力することもない「楽さ」もある。風はいかにも気ままに吹き抜ける。そういえば、昔、風任せの人生も悪くないと思っていたことがあった。世間知らずの無能で愚かな考えと気付くのにちょっと時間がかかったが、そんな生き方に憧れをもっていた時期もあった。 . . . 本文を読む