山本知事は、県議会定例会で再選を表明した。
自民・民主・公明・連合などに推薦要請を出した。
横内正明元衆院議員は、立候補を表明した。
自民党県連に推薦要請する。
知事選では、山本栄彦知事が再選立候補を表明しており、前回知事選と同じ候補者が対決することになった。
横内は深沢登志夫県議、03知事選の井上幸彦支持者らでつくる「ふるさと山梨を考える会」の前原昇会長とともに記者会見に臨んだ。
横内は04参院選立候補時に次期知事選への不出馬を表明していた。
韮崎市長選に立候補表明している実弟の公明と、兄弟で知事選、市長選に立候補することを批判する声もある。
共産党県委員会は、県議の石原秀文を擁立した。
県議選甲府市選挙区で初当選し、現在三期目。
今期限りでの県議引退を表明していた。
「リセット山梨・県民の会」は、美術館主宰の金子望の擁立を決めた。
無所属で立候補し、政党の推薦は受けない。
【山輝会】
山本の後援会・山輝会は県内全域に3総支部・85支部が置かれている。
総合選対本部長には県中小企業団体中央会会長の宮川睦武、最高顧問に小沢鋭仁・後藤斎・中島真人・輿石東が就任。
自民、民主、公明各党県議が役員を務め、市町村長、市町村議会議長が選対委員に名前を連ねた。
【自民・国会議員】
堀内光雄と中島真人が山本を支持する
保坂武・赤池誠章が横内支持を表明。
長崎幸太郎、小野次郎両衆院議員は現時点では態度を明らかにしていない。
山梨1区を地盤とする赤池の横内支持に対し、山本派県議・甲府市議らが反発。
次期衆院選での協力を拒否する“絶縁状”を出すなど溝を深めていて、知事選後の来夏参院選で挙党態勢を組めるか課題を残す。
赤池後援会の中村昌訓会長は山本知事の選対本部役員に就任している。
山梨1区県議五人のほか、甲府市議の大半も山本知事を支持している。
自民党に復党した堀内光雄が、辞任した自民党富士吉田支部長に復帰した。
これに対し、選挙区で競合する長崎幸太郎衆院議員は反発。
新たな火種になりそうだ。
【自民・県議】
自民党県連が県議団として山本知事の再選支持を決定した。
自民党政和会ではこれまでに、山本派の代表質問が決まっていたが、二人目の代表質問者として横内派の臼井成夫が希望した。
山本派が反発、会議は紛糾した。
代表質問は会派の代表一人が行うのが一般的。
山本知事支持派の高尾のほか、横内氏支持派の臼井が登壇すれば、同一会派でありながら“与野党”の立場に分かれて代表質問する異例の事態となる。
横内支持派の代表質問を認めるかの混乱を契機に、自民党政和会の深沢登志夫ら九人は、新会派「自由民主党」を結成した。
自民系会派は、山本支持の自民党政和会と、横内支持の自由民主党に分裂した。
自民系会、会派分裂劇に発派は一本化から一年五カ月で再分裂し、参院選への影響は必死だ。
03県議選後も、県連が山本知事と横内氏の支持で分裂した03知事選のしこりなどもあって割れた状態が続いた。
05年7月に当時四会派だったのが一本化した。
その後も、会派こそ割らなかったが、内部は実質的に分裂状態だった。
同党県議団は過去の分裂劇を踏まえ、参院選を控えていることから、知事選対応では会派を割らないことを申し合わせていた。
年明けの山梨県知事選で、自民党県連池田支部など甲府市内の三支部が、山梨1区県議団に対し、知事選は自主投票で対応することを求めた。
要望したのは池田、貢川、石田の三支部。
山梨1区支部の知事選対応をめぐっては、支部長の赤池誠章衆院議員が横内支持を示している。
一方、自民県議や山梨市議、甲州市議の有志は山本栄彦知事を支持しており、横内支持を決めた赤池に抗議文を提出している。
自民党県議団(26人)は多数決で、山本知事の推薦を決めた。
3区県議を中心に9人は横内支持で、知事選対応は分かれている。
【自民・甲府市議】
赤池誠章が横内支持を表明したことに対し、山本知事を支持する自民党系甲府市議11人が、赤池に“絶縁宣言”を文書で通告した。
甲府市議会の自民党系市議十九人のうち、山本知事派は十七人。
2区の中道・上九一色地区の市議4人を除く2人は、個人的な関係などを理由に加わらなかった。
赤池には、自民党1区県議5人と山梨・甲州両市議計13人も抗議文を提出している。
自民党県連甲府市支部が、再選を目指す宮島雅展市長の推薦を見送る。
県議、市議の大多数が宮島支持だが、同日の知事選で山本と横内に支持が割れ、市長選対応を協議できないことが背景にある。
甲府市長選は、現職対共産党公認候補の一騎打ちが確実。
宮島を、民主党県連と公明党県本部が推薦し、社民党県連が支持する。
共産党甲府・東山地区委員会は公認候補を擁立していた。
【市町村会】
県市長会や県町村会など六百十団体が山本知事に再選立候補を要請した。
県町村会は、山本知事を推薦した。
県町村会長の小佐野常夫富士河口湖町長が、会長職の辞した。
富士河口湖町では町議20人のうち17人が、横内支持である。
小佐野町長は、山本推薦を決めた県町村会長にとどまれない状況となった。
【民主】
民主党は、03知事選で公党として唯一、山本知事を推薦した。
山梨県知事選で、民主党県連は、県連独自で山本栄彦知事を推薦した。
推薦については、小沢一郎代表の他党との「相乗り禁止」方針に抵触する可能性もあり、党本部の決定に先立ち県連として推薦した。
ただ、山梨3区を中心に、党員や支援団体である連合関係者の一部が横内支援に流れており、必ずしも一枚岩でない。
【山教組】
県教職員組合の動きが低調だ。
04参院選で山教組などで構成する政治団体による資金集めが問題化し、大量処分された影響がある。
山教組は再選を目指す山本栄彦知事を推薦したが、慎重な姿勢となっている。
山教組は03知事選で山本を支援、組織をフル回転させて運動を行い、激戦を勝ち抜く原動力になった。
【公明党】
公明党県本部は山本の再選を支持、自民党が県議団の推薦にとどまり、機関決定していないことから党推薦ではなく、県本部支持となった。
しかし、自主投票とした前回とは違い、県本部対応は明確にした。
【共産党】
共産党は当初模索していた革新系無党派候補の擁立作業が難航したため、県議引退を表明していた石原を党公認で擁立した。
【社民党】
社民党は、いずれも支持せず、前回同様に自主投票とした。
=序盤情勢=
(山梨日日)
山本・横内が他の二人を引き離し、互角の前哨戦を展開。
山本・横内がすべての年代で石原・金子を引き離して浸透、拮抗している。
山本は出身地の甲府市のほか、峡東、県東部地域で浸透し、横内は衆院議員時代に地盤とした山梨3区などで支持を広げている。
とりあえず、事実上の一騎打ちという形ということでしょうか
=私の展望=(1月12日)
山本25 横内20
自民分裂、片方に民主が乗るというところまでは、宮崎県知事選と同じ。
ただ、山梨では、民主と公明が同じ陣営に属する。
党派単位で見れば、現職有利。
現状は党派間対決よりも、地域間対決色濃く、中東部で山本、西部で横内といったところか。
宮崎と異なるのは、第三の候補の知名度。
宮崎では浮動票の大きな部分をさらうが、山梨の候補がそこまで浸透するか微妙なところ。
横内が政治への不満の受け皿となり、批判票を一手に終結できる分、宮崎の川村より展開に恵まれている。
それでも、組織力、県都を抱える地の利から山本が優位とみる。
浮動票を集め、横内が逆転する可能性も十分にある。
=中間情勢=(1月12日)
(共同通信)
横内正明と、現職の山本栄彦が激しく競り合っている。
地域別では、横内が韮崎市などで優位、甲府市で山本がリードしている。
横内は、自民党支持層の約4割、公明党支持層の約4割、民主党支持層の3割から支持を得ている。
山本は、民主党の支持層の約5割、自民党支持層の3割強の支持を得ているが、公明党の支持層は3割弱の支持にとどまっている。
=私の展望=(1月12日)
山本の自民・公明からの支持が思っていた以上に弱い。
基本的に民主支持層は現状変革を望む層なので、現職一本にまとまらないのは織り込み済み。
山本は、公明・創価学会の支援が鍵になりそう。
=中間情勢=
(山梨日日)
横内、山本が、競り合っている。
国会議員や県議が分裂状態の自民党は、横内が優位、山本も支持を広げ、両候補が激しく票の奪い合いを展開している。
民主党は、県連が推薦を決めた山本が支持を集め、横内も食込みを見せている。
県本部が山本候補の支持を決めた公明党は、横内、山本で割れている。
無党派層も横内、山本に支持が分かれる。
=中間情勢=(1月15日)
(読売)
横内が地盤の衆院3区で他候補を上回る支持を獲得した。
自民、民主両支持層の4割、無党派層でも3割を固めた。
山本は自民支持層の3割、公明支持層の6割、民主支持層の4割から支持を得ている。
横内 正明 無・新 235,383
山本 栄彦 無・現 187,955
石原 秀文 共・新 24,203
金子 望 無・新 13,315