選挙ブログ

選挙を中心に政治の話題を取り上げていきます

07参院選~山梨 動向

2007-03-01 | 山梨・長野・新潟

参院選山梨、入倉要氏が自民候補に応募
八代英太氏と2氏を軸に選考へ

 七月に予定される参院選山梨選挙区の自民党の候補者公募に、日本青年会議所元副会頭で会社役員の入倉要氏(41)=甲府市在住=が二十八日、応募した。既に八代英太前衆院議員(69)=笛吹市(旧八代町)出身=も応募しており、元郵政相で衆参両院議員を務めた八代氏と、知事選で横内正明氏を支持した勢力が推す入倉氏の二人を軸に選考が進められる見通し。
 入倉氏は同日、推薦人代表の望月操三山梨経済同友会代表幹事とともに甲府・県連会館を訪れ、応募書類を提出。記者団に対し、応募理由を「日本は曲がり角にきている。憲法改正など日本の骨格を築く大切な論議にかかわりたいと思った」と説明した。経済団体代表ら五十人から推薦を受けたという。
 政治経験はないものの「青年会議所などの活動を通し、全国や世界の現況を見ている」と強調。党員ではないが、「日本を変えられるのは自民党だと信じている」と話した。
 甲府市内で不動産管理の会社を経営し、甲府青年会議所理事長などを歴任。現在は山梨経済同友会幹事を務めている。

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選挙:参院選 出馬予定の米長氏、事務所開き /山梨

 夏の参院選で民主党県連が擁立する元フジテレビ記者、米長晴信氏(41)の後援会の事務所開きが11日、増穂町青柳で行われた。後援会長の長沢利久・はくばく会長ら後援会関係者のほか、来賓として同町の河西栄三郎町長らが出席。米長氏は集まった支援者を前に「ここを核にして増穂、山梨、国をよくしていきたい」とあいさつした。

 米長氏の初の活動拠点となる同事務所は父親の実家の敷地内に設けた。米長氏自身も幼稚園の2年間と小学校2年の半年間生活し、「心のよりどころとなっている場所」(米長氏)という。

 米長氏は13日の党本部常任幹事会で、公認候補として承認される見通し。総合選対本部事務所は4月の統一選後に甲府市内に設立する予定。

毎日新聞 2007年2月12日

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参院選山梨、自民系候補に八代英太氏浮上
党本部、公募制の導入を検討

 七月に予定される参院選で、山梨選挙区の自民党系候補として元郵政相の八代英太前衆院議員(69)=笛吹市(旧八代町)出身=が浮上している。
 「対象者不在」の山梨選挙区をめぐっては党本部が公募制導入の方向で詰めており、八代氏が公募に名乗りを上げた場合、「有力な候補者になり得る」(同党県連幹部)との見方が出ている。
 自民党の谷津義男選挙対策総局長は八日、TBSのCS放送の番組収録で、郵政造反組で参院へのくら替えを希望している八代氏に関し「比例代表の対象にはならない」と述べ、
 候補者が未定で、公募を実施する方向の山梨選挙区での立候補を検討すべきだとの認識を示した。
 八代氏は郵政民営化関連法案に反対して自民党を離党。
 二○○五年衆院選で落選した。
 同氏は「国政復帰は(年齢的に)参院選がラストチャンスと考えており、挑戦することを決めている。ただ、どういう形で、どこから出馬するかについては後援会や関係者と協議中」と話している。

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2007年02月07日(水)
自民県連 山下会長が辞意
知事選の引責か 「4月以降に新体制」


 自民党山梨県連の山下実会長は六日、「できるだけ早い時期に新執行部にバトンタッチしたい」などと述べ、会長職を辞任する意向を示した。知事選対応をめぐり、県議団として推薦した山本栄彦氏が敗れたことの引責とみられる。
 一方で「新しい県連執行部発足は県議選後の四月以降になる」との見通しを示し、直ちに辞任する考えがないことを強調した。
 山下会長は相馬紀夫幹事長と県連対応について会談した後、記者団の質問に答え、「会長職にとどまるつもりはないが、今すぐ辞任するのは無責任。急いで参院選候補者を決めなければならない」とし、当面は難航している参院選候補者選考に全力を挙げる考えを明らかにした。
 辞任の時期については明言を避けたが、県連執行部を構成する県議が四月の県議選で改選される上、日程的に県議選までの新執行部決定が困難なことなどから、「新執行部は県議選後に新しい県議がそろってから決めるべきだ」とした。



07昭和町長選

2007-02-13 | 山梨・長野・新潟
任期満了(27日)に伴う昭和町長選は13日、告示される。現職の佐野精一町長(76)=2期=は今期限りでの引退を表明。いずれも無所属で元町議の角野幹男氏(64)と元町助役の内藤弘氏(59)の新人2人が立候補を表明しており、選挙戦となる公算が大きい。

 角野氏は「モノづくりより人づくり」をテーマに、子供の医療費無料化の年齢引き上げや老人福祉の拠点整備推進などを公約にしている。

 一方、内藤氏は佐野町政の継続に加え、新たに義務教育の段階的な完全無料化や地域産業の活性化などソフト面の充実を掲げている。

 投票は18日に行われ、即日開票される。1月21日現在の有権者数は1万2596人(男6425人、女6171人)。【中村有花】

毎日新聞 2007年2月12日

07甲府市長選

2007-01-21 | 山梨・長野・新潟
 1月21日、甲府市長選の投開票が行われた。
 現職・宮島は知事選での支持分裂の余波で自民党県連は役員会を開催できず、推薦を得られなかった。
 しかし、自民市議全員が支持した。


当選 宮島 雅展 784 無・現 =民・公・社

落選 植村 道隆 154 共・新

(投票率62%・前回67%)

 宮島雅展が共産党地区役員・植村道隆を破り再選を果たした。
 植村は立候補表明の遅れが響いた。


07知事選~山梨

2007-01-21 | 山梨・長野・新潟
山本知事は、県議会定例会で再選を表明した。 
 自民・民主・公明・連合などに推薦要請を出した。

 横内正明元衆院議員は、立候補を表明した。
 自民党県連に推薦要請する。
 知事選では、山本栄彦知事が再選立候補を表明しており、前回知事選と同じ候補者が対決することになった。

 横内は深沢登志夫県議、03知事選の井上幸彦支持者らでつくる「ふるさと山梨を考える会」の前原昇会長とともに記者会見に臨んだ。
 横内は04参院選立候補時に次期知事選への不出馬を表明していた。
 韮崎市長選に立候補表明している実弟の公明と、兄弟で知事選、市長選に立候補することを批判する声もある。

 共産党県委員会は、県議の石原秀文を擁立した。
 県議選甲府市選挙区で初当選し、現在三期目。
 今期限りでの県議引退を表明していた。

 「リセット山梨・県民の会」は、美術館主宰の金子望の擁立を決めた。
 無所属で立候補し、政党の推薦は受けない。

【山輝会】
  
 山本の後援会・山輝会は県内全域に3総支部・85支部が置かれている。
 総合選対本部長には県中小企業団体中央会会長の宮川睦武、最高顧問に小沢鋭仁・後藤斎・中島真人・輿石東が就任。
 自民、民主、公明各党県議が役員を務め、市町村長、市町村議会議長が選対委員に名前を連ねた。

【自民・国会議員】  
 
 堀内光雄と中島真人が山本を支持する
 保坂武・赤池誠章が横内支持を表明。
 長崎幸太郎、小野次郎両衆院議員は現時点では態度を明らかにしていない。
 
 山梨1区を地盤とする赤池の横内支持に対し、山本派県議・甲府市議らが反発。
 次期衆院選での協力を拒否する“絶縁状”を出すなど溝を深めていて、知事選後の来夏参院選で挙党態勢を組めるか課題を残す。

 赤池後援会の中村昌訓会長は山本知事の選対本部役員に就任している。
 山梨1区県議五人のほか、甲府市議の大半も山本知事を支持している。
   
 自民党に復党した堀内光雄が、辞任した自民党富士吉田支部長に復帰した。
 これに対し、選挙区で競合する長崎幸太郎衆院議員は反発。
 新たな火種になりそうだ。 

【自民・県議】
 
 自民党県連が県議団として山本知事の再選支持を決定した。
 自民党政和会ではこれまでに、山本派の代表質問が決まっていたが、二人目の代表質問者として横内派の臼井成夫が希望した。
 山本派が反発、会議は紛糾した。
 代表質問は会派の代表一人が行うのが一般的。
 山本知事支持派の高尾のほか、横内氏支持派の臼井が登壇すれば、同一会派でありながら“与野党”の立場に分かれて代表質問する異例の事態となる。

 横内支持派の代表質問を認めるかの混乱を契機に、自民党政和会の深沢登志夫ら九人は、新会派「自由民主党」を結成した。
 自民系会派は、山本支持の自民党政和会と、横内支持の自由民主党に分裂した。
 自民系会、会派分裂劇に発派は一本化から一年五カ月で再分裂し、参院選への影響は必死だ。
 
 03県議選後も、県連が山本知事と横内氏の支持で分裂した03知事選のしこりなどもあって割れた状態が続いた。
 05年7月に当時四会派だったのが一本化した。
 その後も、会派こそ割らなかったが、内部は実質的に分裂状態だった。
 同党県議団は過去の分裂劇を踏まえ、参院選を控えていることから、知事選対応では会派を割らないことを申し合わせていた。
 
 年明けの山梨県知事選で、自民党県連池田支部など甲府市内の三支部が、山梨1区県議団に対し、知事選は自主投票で対応することを求めた。
 要望したのは池田、貢川、石田の三支部。
 山梨1区支部の知事選対応をめぐっては、支部長の赤池誠章衆院議員が横内支持を示している。
  一方、自民県議や山梨市議、甲州市議の有志は山本栄彦知事を支持しており、横内支持を決めた赤池に抗議文を提出している。

 自民党県議団(26人)は多数決で、山本知事の推薦を決めた。
 3区県議を中心に9人は横内支持で、知事選対応は分かれている。

【自民・甲府市議】

 赤池誠章が横内支持を表明したことに対し、山本知事を支持する自民党系甲府市議11人が、赤池に“絶縁宣言”を文書で通告した。
 甲府市議会の自民党系市議十九人のうち、山本知事派は十七人。
 2区の中道・上九一色地区の市議4人を除く2人は、個人的な関係などを理由に加わらなかった。
 赤池には、自民党1区県議5人と山梨・甲州両市議計13人も抗議文を提出している。

 自民党県連甲府市支部が、再選を目指す宮島雅展市長の推薦を見送る。
 県議、市議の大多数が宮島支持だが、同日の知事選で山本と横内に支持が割れ、市長選対応を協議できないことが背景にある。
 甲府市長選は、現職対共産党公認候補の一騎打ちが確実。
 宮島を、民主党県連と公明党県本部が推薦し、社民党県連が支持する。
 共産党甲府・東山地区委員会は公認候補を擁立していた。

【市町村会】

 県市長会や県町村会など六百十団体が山本知事に再選立候補を要請した。
 県町村会は、山本知事を推薦した。
 
 県町村会長の小佐野常夫富士河口湖町長が、会長職の辞した。
 富士河口湖町では町議20人のうち17人が、横内支持である。
 小佐野町長は、山本推薦を決めた県町村会長にとどまれない状況となった。

【民主】
 
 民主党は、03知事選で公党として唯一、山本知事を推薦した。
 山梨県知事選で、民主党県連は、県連独自で山本栄彦知事を推薦した。
 推薦については、小沢一郎代表の他党との「相乗り禁止」方針に抵触する可能性もあり、党本部の決定に先立ち県連として推薦した。
 ただ、山梨3区を中心に、党員や支援団体である連合関係者の一部が横内支援に流れており、必ずしも一枚岩でない。    
  
【山教組】

 県教職員組合の動きが低調だ。
 04参院選で山教組などで構成する政治団体による資金集めが問題化し、大量処分された影響がある。
 山教組は再選を目指す山本栄彦知事を推薦したが、慎重な姿勢となっている。
 山教組は03知事選で山本を支援、組織をフル回転させて運動を行い、激戦を勝ち抜く原動力になった。
 
【公明党】
 
 公明党県本部は山本の再選を支持、自民党が県議団の推薦にとどまり、機関決定していないことから党推薦ではなく、県本部支持となった。
 しかし、自主投票とした前回とは違い、県本部対応は明確にした。

【共産党】 

 共産党は当初模索していた革新系無党派候補の擁立作業が難航したため、県議引退を表明していた石原を党公認で擁立した。

【社民党】

 社民党は、いずれも支持せず、前回同様に自主投票とした。


=序盤情勢= 

(山梨日日)

 山本・横内が他の二人を引き離し、互角の前哨戦を展開。
 山本・横内がすべての年代で石原・金子を引き離して浸透、拮抗している。
 山本は出身地の甲府市のほか、峡東、県東部地域で浸透し、横内は衆院議員時代に地盤とした山梨3区などで支持を広げている。

 とりあえず、事実上の一騎打ちという形ということでしょうか

=私の展望=(1月12日)
 
 山本25 横内20

 自民分裂、片方に民主が乗るというところまでは、宮崎県知事選と同じ。
 ただ、山梨では、民主と公明が同じ陣営に属する。
 党派単位で見れば、現職有利。
 現状は党派間対決よりも、地域間対決色濃く、中東部で山本、西部で横内といったところか。
 宮崎と異なるのは、第三の候補の知名度。
 宮崎では浮動票の大きな部分をさらうが、山梨の候補がそこまで浸透するか微妙なところ。
 横内が政治への不満の受け皿となり、批判票を一手に終結できる分、宮崎の川村より展開に恵まれている。
 それでも、組織力、県都を抱える地の利から山本が優位とみる。
 浮動票を集め、横内が逆転する可能性も十分にある。

=中間情勢=(1月12日)

(共同通信)
 
 横内正明と、現職の山本栄彦が激しく競り合っている。

 地域別では、横内が韮崎市などで優位、甲府市で山本がリードしている。

 横内は、自民党支持層の約4割、公明党支持層の約4割、民主党支持層の3割から支持を得ている。

 山本は、民主党の支持層の約5割、自民党支持層の3割強の支持を得ているが、公明党の支持層は3割弱の支持にとどまっている。


=私の展望=(1月12日)
 
 山本の自民・公明からの支持が思っていた以上に弱い。
 基本的に民主支持層は現状変革を望む層なので、現職一本にまとまらないのは織り込み済み。
 山本は、公明・創価学会の支援が鍵になりそう。

=中間情勢=

(山梨日日)

 横内、山本が、競り合っている。

 国会議員や県議が分裂状態の自民党は、横内が優位、山本も支持を広げ、両候補が激しく票の奪い合いを展開している。
 民主党は、県連が推薦を決めた山本が支持を集め、横内も食込みを見せている。
 県本部が山本候補の支持を決めた公明党は、横内、山本で割れている。
 無党派層も横内、山本に支持が分かれる。


=中間情勢=(1月15日)

(読売)

 横内が地盤の衆院3区で他候補を上回る支持を獲得した。
 自民、民主両支持層の4割、無党派層でも3割を固めた。
 
 山本は自民支持層の3割、公明支持層の6割、民主支持層の4割から支持を得ている。



横内 正明  無・新 235,383
山本 栄彦  無・現 187,955
石原 秀文  共・新  24,203
金子 望   無・新  13,315

06韮崎市長選

2006-11-19 | 山梨・長野・新潟
11月19日、韮崎市長選挙の投開票が行われた。

当10444 横内公明 無・新

  8136 小野修一 無・現

(投票率75%)

=見解=

 03・07知事選の代理戦争。
 韮崎での山本陣営が刺した楔の撤去が、知事選の勝利に結びついたのか?
 それとも、知事選勝利の流れが、韮崎での勝利を呼んだのか?
 どちらにせよ、知事選の結果を暗示する選挙結果となった。
 

06知事選~福島

2006-11-12 | 山梨・長野・新潟
=森擁立=

 民主党は、革新系弁護士の森雅子を知事候補に擁立する方針を採った。
 知事の逮捕を受けて、清新なイメージの知事を立て直そうというものである。
 知事逮捕の衝撃は、自民党の方が何倍も大きかった。
 自民の中には、民主との相乗りを模索する動きが出ていた。
 民主も、県連会長が知事の女婿の玄葉ということもあり、激しい選挙戦をやるよりも、相乗りでという空気もあった。
 小沢一郎は相乗りに否定的だが、民主候補に自民が後から乗るという形なら許容されるとみられた。
 しかも、福島は小沢にとって目の上のたんこぶ・渡部恒三の地元でもある。
 相乗りか、独自候補擁立か、自民の対応に焦点が当たっていた。
 しかし、事態は風雲急を告げる。
 森が自民党本部で記者会見を行い、出馬表明を行ったのである。
 渡部はじめ民主陣営には寝耳に水である。 
 これで、民主の独自候補擁立、自民との対決は避けられなくなった。
 ほとんど時間がない。
 そんな中で、民主候補として、落選中の増子が浮上する。
 増子は保守系で、根本に敗れたとはいえど、保革両方から票の取れるタイプ。
 しかし、増子の地盤は前知事と同じ郡山であり、組織が動けない可能性がある。
 さらに、前知事と同じ地域が続くのは、これまでの慣例にも反する。
 現職参議院議員の佐藤雄平が清水から飛び降りる。
 佐藤は保守系の上、地元は会津で地域的にもクリア。
 こうして、民主の保守系佐藤と、自民の革新系・森という構図が決まった。

=各陣営の戦術=

 全県選挙は、04参院選以来である。
 有力候補者は、その04参院選を制した佐藤雄平と政界初挑戦の森雅子。
 森は、いわき出身である。
 地域構造としては、会津vs浜通りという04参院選の構図と同じものになった。
 会津・浜通りは各々が押さえるとして、勝負は中通りと目された。
 森は、岩城と同水準に浜通りで得票し、中通りで自公に加え無党派を取り込み、勝利を狙った。
 森は革新系で、自公の組織もある。
 保革両面から幅広い支持を得ようとする狙いである。
 佐藤は渡部恒三の元秘書で保守系。
 その強みを生かし、民主を固め、自民支持層からの得票を狙った。

=中央vs地方=

 自前の候補を取られ顔に泥を塗られた上に、弟子を落とすわけには行かない渡部が、今回の知事選、佐藤陣営の陣頭指揮を取った。  
 渡部も佐藤も「県民党」を掲げた。
 くしくも佐藤前知事が初当選時に取った作戦である。
 また、当時の幹事長は「長州」の安倍晋太郎であった。
 今度の相手は、森の背後にいる中川秀直であり、安倍晋三である。
 中央の中川が陣頭指揮を取る森選対をみて、「県民党」を訴えることにより、自民党支持層にも食い込もうというのである。
 自民は、中川が前面に立ち、中央から閣僚・党三役はじめ続々と応援に来る。
 民主は渡部のほか大物は来ず、来るのは新人議員ばかり。
 渡部が断っていたのである。
 これにより、構図を、渡部率いる福島軍と中川率いる東京軍に転換しようとしたのである。
 中川が全面支援を叫び、大物が来県する程、渡部の戦略がツボにはまっていく。
 中央主導が色濃くなると、地元の組織の動きが鈍くなり、一部に佐藤支援の動きが出てくる。
 それを、渡部・佐藤が吸収していく。
 中盤の時点で、勝敗の行方は、大方決まってしまった。

 
=中盤情勢=
 
 佐藤は、地盤の会津地方など県内大半の地域で優位に立つ。
 民主、社民両党の支持層の7割以上を固めた。
 自民党支持層の2割も取り込む。
 無党派層でも一歩リードする。

 森は出身地のいわき市など県南東部で佐藤氏を上回る。
 自民党支持層の5割しか固め切れておらず。
 公明党支持層も7割弱の支持。
 自民、公明両党幹部が続々と県内に入り票の掘り起こしを図っている。

 女性の支持は、佐藤、森氏が拮抗している。
 男性は佐藤が4割強、森氏は3割に至らず。


佐藤 雄平 497千 =民主・社民
森   雅子 396千 =自民・公明・日本
小川 英雄  38千 =共産
川田 昌成  23千
高橋 喜重  11千

 佐藤が立候補を表明し、実質的に動き始めたのは告示の一週間前だった。
 しかし佐藤は、知事選と同じエリアとなる参院選を二度戦い、04参院選で44万票余を獲得した実績もあって、終始優位を保った。
 渡部恒三衆院議員が全面支援し、後援会組織も引き締まった。
 渡部は過去に自民党の要職を歴任しており、その秘書であった佐藤は、自民支持層の一部も取り込んだ。

 対立候補の森を支援する自民・公明の厚い組織を意識して「県民党」を掲げたことも奏功した。
 推薦する民主・社民の両党は前面に立たずに党組織を動かした。
 自主投票や選挙へのかかわりを自粛していた農業、建設などの一部は終盤に入って支援に乗り出すなど、表に出ない部分での支持が拡大した。
 連合福島は労組組織の末端まで浸透するまでに時間を要したが、最終盤にようやく回転し始め、追い上げる森氏をかわす原動力となった。
 相手が女性候補ということを意識し、女性の集いを開き、主婦層などの浮動票の獲得にも成功した。

 森は政権与党の自民・公明の全面支援を受けて知名度不足を盛り返した。
 中盤以降は閣僚経験者や現職閣僚を次々と投入して盛り上げを図り、地元いわきや浜通りの市町村では佐藤氏の得票を上回るなど、善戦した。
 ただ、事件の影響などで自民党所属県議らの動きが活発化しなかった面もあり、最後の伸びが足りなかった。
 党本部は市町村長や業界、団体に対して働き掛けを強めてテコ入れを図ったが、及ばなかった。

=私見=

 自民の革新系候補の擁立は悪くはなかったと思う。
 小選挙区制において強い候補は、自民党的民主党候補と、民主党的自民党候補である。
 知事選も当選者が一人であるから、これに合致する。
 また、2期目の現職知事は強いと一般にいわれる。
 これは、一般に、激戦を勝ち抜いた知事が4年の間に、かつての敵対陣営にも目を配り、両者の中間地点へ近づくからであると考えられる。
 また、長く知事を出していない浜通りから擁立したことも悪くはなかったように思える。
 知事とは、その地域の代表である。
 それが中央の操り糸で動く人物であるというのは、忌避したいものである。
 幹事長に就任したての中川秀直、功をあせりすぎたのか。
 小泉郵政選挙型の中央主導選挙はイレギュラーなものである。
 地方選は、あくまでも地元が主役である。
  
 
=注目地区の得票=

( )は、04参院選における佐藤・岩城の得票

【福島】
佐藤 68千(60)  森 45千(47)

【郡山】
佐藤 66千(63)  森 50千(53)

【白河】
佐藤 16千(11)  森 11千(8)

【田村】
佐藤 22千(19)  森 15千(18) 

 中通りでは、軒並み、佐藤の得票率が04参院選を上回る。
 岩城以上に無党派に食い込み、佐藤に肉薄・逆転を狙った森であったが、大票田でまさかの失速。
 やはり、中通りでの票が勝敗を分けることとなった。 

【いわき】
佐藤 48千(50)   森 87千(89)

【相馬】
佐藤 8千(7)     森  8千(9)

 浜通りでは、森は岩城と同水準の得票率を保つ
 佐藤は、04参院選以上に自民党へ浸透することはできなかった。

【会津若松】
佐藤 38千(29)   森 18千(17)

【南会津】
佐藤 18千(22)   森  4千(4)

 会津では佐藤が磐石、森に付け入る隙を与えなかった。
 森は、会津でも岩城と同水準に得票したが、それ以上の浸透はなかった。

06長野県知事選

2006-08-06 | 山梨・長野・新潟
 村井仁氏が当選 田中康夫氏敗れる 長野知事選
2006年08月06日

 長野県知事選は6日投開票され、前自民党衆院議員の村井仁氏(69)が、現職の田中康夫氏(50)=いずれも無所属=を破って初当選した。「脱ダム宣言」をめぐって不信任された02年の出直し選で圧勝した田中氏が、県議会や市町村長と対立し続ける中での選挙戦。反田中勢力の受け皿となった村井氏が、県政の停滞を招いたなどとする批判票を集めて支持を広げた。調整型政治を否定、県民の声を直接施策に反映させることから「長野革命」とも言われた田中県政は、2期約6年で幕を閉じた。
 投票率は65.98%で、前回(02年9月)の73.78%を下回った。当日有権者数は175万4738人。
 事前調整なしに政策を打ち上げる強引さで一定の成果をあげてきた田中氏に対し、村井氏は「すべてが知事の意向でしか進まない」などと批判、田中県政の手法そのものが大きな争点となった。
 元国家公安委員長の村井氏は昨年、郵政民営化法案に反対していったんは政界を引退。6月末に同党有力県議らの要請を受けて出馬を表明した。
 自民、公明の県組織に加え、自主投票に回った民主の支持母体である連合長野の推薦を得たほか、ほとんどの市町村長や県経済界の支援を受けて組織票を手堅くまとめた。市町村との対話重視の姿勢や「誠実な人柄」を強調、田中氏からの離反票も取り込んだ。
 当選を決めた村井氏は「この地に生きてよかったと思うことができるような、夢が実現する長野県にしたい。私はそのための捨て石になる」と抱負を話した。
 一方の田中氏は県政運営での強引な手法が00年の初当選に尽力した経済人らの離反を招き、逆風選挙を余儀なくされた。
 冬季五輪開催を機に膨れあがった県の借金を5年連続で減らした財政改革のほか、教育や福祉を充実させた実績を訴えの中心に据えた。「車座集会」で県民と直接対話する姿勢をアピール、無党派層に訴えかけたが以前の勢いを失っていた。
 村井氏を支援したのは、利害は必ずしも一致しないが「反田中」という共通項で結集した勢力だった。県内の建設業界などからも支援を受けた村井氏は「借金返済優先で、必要な公共事業をしてこなかった」と田中知事の財政再建を批判。国が抑制方針を出している特別養護老人ホームの建設促進なども公約に掲げた。今後、幅広い支持者の要望をどう実現するのか、難しいかじ取りが迫られそうだ。

  村井  仁  無・新    612,579     
  田中 康夫  無・現    533,637

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 民主の動向に注目 支持鮮明にする人も /長野

 知事選は終盤となり、政党として県内最大の得票を誇る民主党県連の動向に注目が集まっている。
 表向きは自主投票だが、それぞれの候補に支持を打ち出す人も出ている。
 同党支持層は現職の田中康夫氏の支持層と重なる。
 一方で、民主党の有力支持団体である連合長野は、新人の村井仁氏を推薦する。
 
 東信地方の県議らが先月末、羽田孜氏の後援会「千曲会」の幹部と会談し、村井氏支持を進言した。
 佐藤圭司会長は「自主投票を決めている。組織としては動かない」とする。
 しかし、同会役員の多くは村井氏支持の動きを見せているという。
 
 堀込征雄・前衆院議員が支部長を務める4区。
 塩尻市議の有志は「村井氏を推薦する」という文書を公表した。
 関係者は「次期衆院選をにらんで、連合の支援を得たいのでは」とする。
 
 5区支部長の加藤学氏は田中氏支持。
 2日、箕輪町議らと「いい県をつくろう。民主党有志とみんなの会」を結成し、同党最高顧問の羽田孜氏らあてに田中氏支持を打ち出すよう求めた。
 
 北信の北沢俊美参院議員と、篠原孝衆院議員は表立った動きを見せていない。
 関係者は「篠原氏を支援する6割は田中シンパだが、市議の中には村井氏を支持する人もいる」と解説する。

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 小沢代表:反自公で明言「田中知事に勝ってもらいたい」

 民主党の小沢一郎代表は4日、京都市内で記者団に対し、6日投開票の長野県知事選について「県民の皆さんのご理解を得て、田中知事に勝ってもらいたい」と述べ、現職の田中氏の当選を望む考えを明言した。
 民主党は長野知事選で自主投票を決めているが、投票日直前に党首が特定候補の支持を表明するのは異例。
 田中氏と個人的に親しい小沢氏は、今回の知事選について「田中知事にとって厳しい選挙戦と聞いている。村井さんは無所属でやっているようだが、自民党が中心となって推している候補者だ」と指摘。
 「自公政権ではいけないという人は、どなたでも力を合わせる」と述べ、「反自公」の観点から田中氏を応援する考えを示した。
 また、民主党の鳩山由紀夫幹事長は同日の記者会見で「田中氏の『脱ダム宣言』などの主張は民主党と共通するところがある」と述べ、田中氏支持の考えを示した。

毎日新聞 2006年8月4日

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 村井氏、田中氏が横一線の激戦…長野知事選

 8月6日投開票の長野県知事選について、読売新聞社が行った世論調査に取材結果を加味した結果、村井仁氏と田中康夫氏が横一線に並ぶ激戦を繰り広げていることがわかった。
  自民党県連の推薦を得ている村井氏は同党支持層の5割半ばに浸透、自主投票の民主党は、支持母体の一つの連合長野が支援するが同党支持層からの支持は4割弱。
 田中氏は民主党支持層の4割半ばを固め、自民党支持層からも約3割の支持を得た。
 全体の半数を占める無党派層は、村井氏が約3割、田中氏が4割弱を固めた。
 年代別では、村井氏が60歳代と70歳代以上で4割を超える支持を得た。
 田中氏は20歳代で5割近く、40歳代で約4割、50歳代で4割半ばから支持を得ている。
 30歳代はほぼ互角だった。

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 長野知事選、豪雨禍巡り舌戦

7月24日

 8月6日投開票の長野県知事選で、11人の死者・行方不明者を出した豪雨災害を巡って候補者の舌戦が続いている。
 「防災をしっかりやっていれば、もう少し防げたのではないか」と、元防災相・村井仁氏が県を批判すれば、現職・田中康夫氏も「私たちの行っている砂防、治水は先を進んでいる」と譲らず、「防災」が争点の一つに急浮上した。
 最初の“選挙サンデー”となった23日、村井氏はJR長野駅前で「(田中県政の)6年間、(災害対策は)進んでいなかった」と、「脱ダム宣言」に象徴される田中氏の治水対策をやり玉に挙げた。
 一方の田中氏は、2000戸以上の浸水被害が出た諏訪市から、テレビ会議システムを使って、県の大雨対策会議に参加し、被災地視察に時間を割いた。

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 知事選 選挙サンデー 論戦本格化

2006年07月24日

 選挙期間中、初めての日曜日を迎え、両陣営の選挙運動が本格化した。
 村井仁氏には、自民党県連の会長、小坂憲次文科相がほぼ一日中付き添い、手の振り方まで指南。
 一方、田中康夫氏も午前中こそ被災地の視察など公務に費やしたものの、午後からは防災服から背広に着替え、個人演説会などを精力的にこなした。
 長野市内で革新系団体が多く参加する大会の会場であいさつ回りをしたが「何で村井さんが来るの」と冷たい視線を浴びる場面も。
 同市権堂の商店街では「大きな期待を持って誕生した田中知事がちっとも役に立たない。知事を代えるしかない」と買い物客に訴えた。
 小坂氏は「農協、経営者協会、連合長野の推薦を得た。労働者も経営者も県政を変えたいと思っている」と繰り返した。

 田中氏は午前中、諏訪市内の合同庁舎からテレビ電話で豪雨被害の対策会議に知事として出席した。
 終了後、千曲川周辺の被害視察のため、100キロ以上離れた中野市、飯山市へ北上。長袖の防災服姿で、額には汗がにじんだ。
 午後1時すぎ、飯山市内のコンビニ駐車場で支持者と合流。
 スーツに着替え、車も公用車から支持者の車に乗り換え、「知事」から「候補者」に変身。
 記者団に「公私も含めて、1人の田中康夫ですからねえ」と「ヤッシー節」で答えた。
 同市内の戸狩温泉スキー場では、駐車場に集まった約20人と握手を交わすと、マイクなしで演説を始めた。
 「我々は組織もお金もない。皆さんの志だけが頼り」など、「ウルトラ無党派層」を意識した訴えを繰り返した。
 午後7時半から長野市若槻団地の集会場で開いた個人演説会には約200人が詰めかけ、立ち見も出るほど。
 地域で良質な資産ができるなら財政赤字を過度に恐れる必要はないとする村井氏の主張について「借金が我が家の宝だというお父さんがいたら困るでしょ」などと批判した。

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 現職、前衆院議員の接戦か 

 長野県知事選の告示日が20日に迫った。3選を目指す現職の田中康夫氏と、前自民党衆院議員の村井仁氏の事実上の一騎打ちで、「草の根」と「組織」の3度目の対決だが、過去2回ほど田中氏への追い風は強くなく、接戦を予想する声も出ている。
 村井氏は郵政民営化法案に反対し、05年9月の前回衆院選の立候補を断念。
 政界を離れたが、自民党系県議らの要請で6月末に知事選出馬を表明した。事務所開きを終えていた自民参院議員の長男で公認会計士の若林健太氏も知事選から降り、反田中派は村井氏に結集している。
 自民党県連や公明党県本部、連合長野が村井氏を推薦し、県議や首長の多くが支持を表明。
 セイコーエプソン相談役の安川英昭氏を後援会長に組織作りが進む。
 関係者は「前回と違い田中氏に“風”はない。組織を固めれば勝てる」と自信を深める。
 田中氏は初当選の00年、県職員出身知事が続く県政を批判して初当選。
 02年は県議会の不信任による異例の失職後の出直し選挙と、注目を集める中で追い風を受けた。
 しかし、住民票移転問題などで「手法が独善的」と批判を浴び、就任直後は90%以上あった支持率は50%近くに。
 擁立の中心の一人だった八十二銀行元頭取の茅野実氏が地元紙の意見広告で田中氏を激しく批判するなど、支援者の離反も目立つ。
 前回支援した共産党は自主投票、田中氏が代表の新党日本も前面には出ない。
 ただ田中知事は車座集会など、県内で市民と直接対話する姿勢を続けており、勝手連的な市民の支持は強い。
 勝手連ネットワークの事務局を務める塩尻市議の武居博明さんは「今回は本当の草の根選挙になる」と意欲を燃やす。
 
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 社民県連も自主投票 

 社民党県連は9日、常任幹事会と支部協議会代表者会議を長野市内で開いた。
 事実上の対決構図となっている現職の田中康夫氏、新人で前自民党衆院議員の村井仁氏を対象に議論。
 党として、自主投票とすることを決めた。
 田中氏については、3月の定期大会で「田中県政の下ではこれ以上の改革は進まない」と総括している点や、新党日本の代表であることを理由に挙げた。
 無所属で出馬する意向の村井氏に対しても「自民党の国会議員として活動、党県連会長も務めてきており、自民党と対決する立場から支援できない」とした。
 会議は非公開。中川博司幹事長は、田中、村井氏のいずれかを支援することの是非をめぐりさまざまな意見が出たと説明。
 山口わか子代表は自主投票方針について「辛い判断だった。党として独自候補擁立の努力が足りなかったことを深く自覚している」と述べた。
 県連は、自主投票で臨むに当たっての「共通認識」として、「閉塞した県政に戻さず、県民に開かれた県政を進める」「政策立案過程で議会、市町村、県民の意見を聞き、独善的な手法ではなく、協調して県政を進める」「権力権限の発揮には抑制的であるよう努める」などを挙げた。
 同党は00年の知事選、02年の出直し知事選をいずれも自主投票としている。

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知事選対応は構成団体ごとに 共産党などの県民の会

 共産党県委員会や県労連など三十八団体でつくる「明るい県政をつくる県民の会」は八日、長野市内で団体代表者会議を開き、知事選では独自候補を擁立せず、立候補表明している現職の田中康夫氏、新人で前自民党衆院議員の村井仁氏のいずれに対しても、会としては支持を表明しないことを決めた。
 今後は構成団体ごとに特定候補を支持するかどうかや、選挙運動へのかかわり方を検討する。
 田中氏に批判的な県会会派などが支援することを決めた村井氏に距離を置く姿勢で一致した。
 田中氏に対しては、「改革の前進面は積極的に評価する」と確認。
 同氏への支持を表明すべきだとの意見も出たが、県立高校再編の進め方など「さまざまな弱点もある」として見送った。
 
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「県政、主役は市町村」村井氏が出馬表明

07月01日

 知事選に向け、村井仁氏が30日、出馬を正式に表明した。衆院議員を6期務め、閣僚経験もある保守政治家。
 市町村との関係修復を政策の中心テーマに据え、時に「強権的」と評される田中知事の手法を批判して「私は権力のない知事になりたい」とまで言い切った。
 ただ、「反・田中」陣営の支援態勢は固まり切っていない。村井氏が会長まで務めた自民党県連は、「候補予定者」に決定した公認会計士の若林健太氏への対応が焦点になる。
 現職参院議員の擁立に失敗した民主党は静観の構え、支持母体の連合長野は村井氏推薦の方向という「ねじれ」も見せている。

 ●田中県政批判
 「反田中ではありません。超田中です」
 村井氏は、田中知事に代わる候補としての期待を背負った自らのスタンスをこう評した。
 「知事の決断にすべてが委ねられている。県知事閣下の前に平伏する状況は結果的に吉村県政と同じ」「県政の主役は県民ではなく田中知事」と現状を批判し、「市町村、地域が主役の県政をやりたい」とし、「私は権力のない知事になりたい」と言い切った。
 また、田中知事のもとで「県庁組織の機能低下」を訴える声を意識し、「行政のプロ、組織を動かすプロとして人生のほとんどを送ってきた」と、通産官僚出身で、第1次小泉内閣では防災担当相・国家公安委員長を務めた実績をアピールし、作家や市民運動家として活動してきた田中知事との違いを強調した。

 ●市町村長と会議提唱
 田中知事のもとで悪化している市町村との関係修復に乗り出す考えを、繰り返し強調。「市町村に、本当の権限を譲るためにありとあらゆる努力をする。地域の独自性の強い長野県だからこそできる。地方自治のあり方に一石を投じたい」と意気込みを披露した。
 ただし、具体的な政策課題には言及せず「地域が何を求めているかをうかがってから始まる」と述べるにとどめ、「市町村長と知事が課題を議論する」場として81市町村長による常設的な会議の設置を提唱した。


 無所属で出馬することを明言した。自民、民主両党のほか、各政党へも支援を要請する方針だ。
 自民党県連は、同党所属の若林正俊参院議員の長男で公認会計士の健太氏を公募で「候補予定者」に選んでいるが、自ら反田中勢力の「一本化」に向け、調整に乗り出す可能性も示唆した。

 村井氏の政党の支援態勢は今のところ、固まっていない。

 自民党県連の中には、党の推薦を模索する声が出ている。
 県連は公募で若林氏を「候補予定者」に選んだが、募集要項にある「最終的な候補者は各党派等と連携の中で決定される」との記述や、「考える会」が村井氏に出馬要請したことを根拠にして、村井氏支援にシフトするという動きだ。
 公募結果を翻す事態になれば、県連内部の批判も予想される。

 若林氏は30日の記者会見で、先手を打つ形で牽制した。「公党として候補予定者に私を決めて頂いている。これが環境によってくつがえるということは、なかなか難しいのではないか」

 一方、民主党は静観の構えを崩しておらず、3度目の自主投票となる公算が大きい。
 民主党の支持母体である連合長野は、村井氏を推薦する方向だ。

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 橋本氏擁立を断念/知事選
05月27日

 8月の知事選で、日銀仙台支店長(前松本支店長)の橋本要人氏の擁立を目指していた3市民団体が26日、長野市内で記者会見をし、擁立を断念すると発表した。25日に同氏から「要請があっても出馬しない」と断る電話があったという。
 上田市の「けやきの会」(代表・湯本清弁護士)、松本市の「輪の会」(代表・石曽根清晃弁護士)、長野市の「空会」(代表・長尚・元信州大工学部教授)。
 湯本弁護士らは「脱田中の候補者」として橋本氏に昨年10月から立候補を働きかけ、今月21日に仙台市で同弁護士が初めて立候補を打診。「このときは熱心に耳を傾けてくれた」(同弁護士)といい、27日に、3団体として出馬要請することを正式に決める予定だった。
 橋本氏は取材に対し「長野県は論理性を尊重する風土なので出馬の可能性を考えたこともあったが、今の状況は論理性も何もないぐしゃぐしゃ。私にはまとめる自信がない。新しい長野県を作ろうと、県民が気持ちをひとつにすることが大切ではないか」と話した。

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 首長選「与党と相乗りはしない」 統一選向け民主方針
05月23日

 民主党は22日、今後の知事選と政令指定都市の市長選で、与党と同じ候補を推薦・支持することは原則としてしない方針を決めた。小沢代表、菅直人代表代行、鳩山由紀夫幹事長の3者会談で確認したもので、来年の統一地方選に向けて地方でも与党との対決色を鮮明にし、参院選につなげる狙いがある。
 菅氏は会談後、東京都内で開かれた党所属地方議員の研修会で講演し、「自民党と相乗りという形では、民主党の姿が有権者に見えにくい。民主党中心の候補者を擁立することを目指してほしい」と呼びかけた。鳩山氏もこの研修会で「頑張っている地域には財政的な支援を約束する」と述べた。
 鳩山氏はすでに、7月20日告示の長野県知事選で自民党との相乗り候補として地元で名前が挙がった民主党の国会議員2人に対し、立候補しないよう求めた。

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 05月21日

 田中康夫知事以外の候補者擁立で中心的役割を果たすと見られてきた「輝く明日の長野県を考える会」(代表世話人=近藤光・連合長野会長ら)は同日、会として推薦する候補者を絞り込めなかったことを明らかにした。
 候補者については「民主党の国会議員」「有力な前衆院議員」が有力候補になりうるとの見方を示すにとどまった。
 背景には、自民、民主両党の思惑のずれが垣間見える。
 考える会は当初、菅谷昭・松本市長の擁立でほぼまとまっていた。だが、今月連休明けの記者会見で菅谷氏が立候補しない意向を表明した後、会内部の議論にほころびが見え始めた。
 同会は民主党の篠原孝衆院議員の擁立を検討したが、本人の意思が固まらないことなどから調整は難航。公表直前には、民主党の羽田雄一郎参院議員、元副知事で総務官僚の阿部守一氏、村井仁・前衆院議員らの名前が挙がったが、1人に絞り込めなかった。
 「自民党と民主党の考えの違いに尽きる」。考える会の調整が不調に終わった理由を、ある自民党県議はそう話す。近藤会長の出身母体の連合長野は民主党の支持団体。一方、もう1人の代表世話人である見藤隆子・日本看護連盟会長は自民党員だ。
 近藤会長は「両党が乗れる候補の擁立」を目指し、自民、民主両党の県連幹部とも折衝を重ねた。だが、民主党国会議員には自民党側からの反発が、中央官僚には民主党側の反対があり、調整がつかなかった。見藤氏は「1人に絞ろうとすると、政党や個人の思惑が出てくる。議論が詰まってくると結構厳しい」と話した。
 また、近藤会長は、他の団体が推す総務省課長の務台俊介氏と日銀仙台支店長の橋本要人氏については「考える会の方向性の中にはない」と明言した。
 考える会は今後、メンバー15人全員の会合は持たず、代表世話人を中心に候補者選定にどうかかわるかを検討するという。
 今後の候補者選びは「いよいよ政党の出番だ」(別の自民党県議)との声がある。民主党は知事選への積極的関与を掲げながらもこれまでは静観してきた。一方の自民党は「前面に出るべきでない」として水面下の動きに終始している。近藤会長は「政党がある程度の役割を果たすことが求められる」と話した。
 現職の田中知事は出馬するかどうかの態度を明らかにしていない。19日の会見で、田中知事は一本化へ向けた動きを「競馬のレースのような話」としている。

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 田中知事を支持せず--県労組会議方針 /長野

 自治労県本部などでつくる「県労組会議」(飯田敬次議長)はこのほど、今夏の知事選で、田中康夫知事が立候補しても支持しない方針を決めた。同会議は00年の知事選で自主投票としたが、02年の「出直し知事選」では、弁護士の長谷川敬子氏を支持している。
 17日の幹事会で方針を決めた。喜多英之事務局長は「候補擁立などには積極的にはかかわらないが、どの候補者を支持するかは、今後の状況を見て検討したい」としている
4月21日朝刊
(毎日新聞)

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民主県連 知事選に独自候補も 

 民主党県連の北沢俊美幹事長は25日、長野市で開いた常任幹事会後の記者会見で、今夏の知事選について「県会などと知事の対立構図が強まっている」とした上で「不毛な対立の中では有力な候補は出てこない。対立を超えた第三の道を探れという要請があれば、党県連として候補者を真剣に検討しないといけない」と述べ、県連主導で独自候補を擁立する可能性に言及した。
 北沢氏はまた「個人的な意見」として「選挙まで時間がないので(擁立の可能性があるのは)党県連の若手国会議員に限定されてくる」と述べた。
 知事選をめぐっては、同党の支持団体である連合長野の近藤光会長が「個人的立場」で代表世話人を務める「輝く明日の長野県を考える会」が、5月の連休明けまでに田中知事に替わる候補を擁立したいとしている。
 これについて北沢氏は「その候補が(改革を後戻りさせないなど)党県連が目指す知事像に合致しなければ、(県連が)きちんと対応しないといけない」とも述べ、「考える会」とは一線を画す可能性も示唆した。