06・11・23
伊吹文明文部科学相(当時)が、府連のパーティーにて、「次の知事選や市長選は、民主党と異なる候補を推して戦う」相乗り解消の発言をした。
小沢一郎の首長選での対決路線を受けた発言である。
府知事選や京都市長選での民主党との相乗りを公式に否定するのは初めてであった。
自民、民主両党は京都市長選では現職の桝本頼兼市長を、府知事選では現職の山田啓二知事を、それぞれ公明、社民両党とともに推薦し、府会・市会の与党会派となっていた。
07・05・08
弁護士の中村和雄が、無所属(共産系)で立候補することを正式に表明した。
この時点では、桝本頼兼市長は4期目について態度を明らかにしておらず、市長選への立候補表明は中村氏が初めてであった。
中村は、共産党のほか、他の政党・財界も支援を呼びかけた。
07・10・16
京都市の桝本頼兼市長が、4選不出馬・引退を正式に表明した。
後継について指名はせず、自民・民主・公明の与党3党推薦候補と野党・共産党推薦候補と対決する構図が望ましいとの考えを示した。
07・11・13
民主党市議団会議で、自民党内の対応が不鮮明であることから、市長選への結論を持ち越した。
また、今後、自民・公明両与党との協議での対応を今枝徳蔵団長に一任することを申し合わせた。
今枝は、与党三党の統一候補が望ましいとの意向を示した。
自民党市議団会議でも、具体的な候補者名は上がらず、持越しとなった。
公明党市議団の日置文章団長は、2極構造に持っていくとの方針を示した。
与党による京都市長選の候補者選定には、自民・民主の相乗りが崩れた今週末の大阪市長選が影響するとみられた。
07・11・19
18日開票の大阪市長選で民主党推薦の平松邦夫氏が当選し、民主党京都府連で来年2月の京都市長選に向けた独自候補擁立論が強まった。
それに対し、京都商工会議所・京都経済同友会・連合京都は市議会与党による統一候補擁立が望ましいとする立石義雄会頭のコメントを発表した。
07・11・22
民主党京都府連が、京都市教育長の門川大作に出馬要請する方針を固めた
門川氏は政府の教育再生会議委員などを務めており、自民党などからも推す声が上がっていた。
07・12・05
市議会与党の自民・民主・公明党の3会派が、門川大作の支援で協力する方針を確認した。
民主府連は独自候補として門川に要請したとの姿勢を崩していないため、確認団体の組織化などが課題となった。
07・12・10
自民の市議団は門川を推す方針を決めていたが、府連の谷垣禎一会長らが門川の代理としての桝本頼兼市長と会談、党の推薦方針を決めた。
08・01・05
20代から40代の市内の若手経営者らが5日、3極構造の構築を目指し、「京都市を想ふ会」を結成、左京区選出の村山祥栄市議に立候補を要請した。
08・02・02
自民党・公明党が推薦する門川を、民主党本部が推薦しないことがほぼ確実となった。
社民党も本部推薦が見送られ、両党とも党府連推薦で門川氏を推すこととなった。
08・02・03
京都市長選が告示された。
▽門川大作(自民・公明・民主府連・社民府連)
国会議員代表として伊吹文明・自民党幹事長が出席した。
▽岡田登史彦
▽村山祥栄
立候補要請した団体の代表らが演説し、気勢を上げた。
▽中村和雄(共産)
穀田恵二・共産党国対委員長が演説した。
08・02・10
【京都新聞・中間情勢】
門川がやや先行、中村が激しく追い上げ、村山祥栄が続き、岡田は伸び悩む。
門川は、市内のほぼ全域で優勢、左京・伏見区などで伸びを欠く。
公明支持層の約6割を固めているが、自民・民主層の支持は半分以下にとどまっている。
中村は、伏見区などで門川候補に肉薄するが、上京・西京区などでは組織票を固め切れていない。
共産支持層の7割以上、民主、社民支持層への一定の浸透もみられる。
村山は、地元左京区で優位に立ち、伏見など周辺区で一定の伸びがあるものの、市全域では、門川・中村を追い上げるには至っていない。
共産以外の各党支持層へも一定浸透するが、やや勢いを欠く。
岡田は、上京・中京区で善戦、社民や民主支持層への浸透もみられるが、全般に伸び悩んでいる。
無党派層の支持は門川に多く、中村、村山が続いている。
門川は各世代から支持を集め、中村は50・60代、村山・岡田は20・30代の支持が多い。
08・02・17
【開票結果】
門川 158,472
中村 157,521
村山 84,750
池田 24,702
08・02・17
【京都新聞・出口調査】
門川は、自民支持層の68%、公明支持層の87%、民主党支持層の37%から票を集めた。
政党支持率は自民29%、民主21%、共産15%、公明6%、社民2%、無党派層は22%だった。
門川は30~60歳代で中村とほぼ得票を分け合ったが、70歳以上からの投票が53%と他候補を引き離した。
20代の得票は34%と2番目。
無党派層の得票は中村、村山に次ぐ24%にとどまった。
中村氏は、推薦した共産支持層の9割、無党派層から最も多い39%、民主支持層の2割にも食い込み、20代からは最も多い39%の票を集めた。
村山は、無党派層から中村に次ぐ29%の投票を受けた。
民主支持層からの票は門川に迫る30%、自民支持層からも13%を得た。
20代からの票は18%にとどまった。
岡田への投票は、民主支持層の7%、無党派層の4%にとどまった。
「相乗りについては、明確な「反対」(39%)が「賛成」(24%)を上回った。
「反対」の人のうち49%が中村氏、27%が村山氏に投票。
門川は16・5%、岡田は4%。
政党支持層別では自民は相乗りに賛成が44%(反対21%)、民主は反対52%(賛成18%)、無党派層も反対44%(賛成11%)と反対派が多数を占めた。
08・02・18
谷垣禎一・自民府連会長「市政への姿勢の違いが与党間になかった」
田中セツ子・自民府連幹事長「組織体制を組んでも差が出なかった。三極だったら、共産市長が誕生していた。」
福山哲郎・民主府連会長「門川は民主が先に推薦を表明した。有権者への説明・相乗りでない状況をどう作るかが課題だ。」
角替豊・公明府本部代表「相乗り批判・市役所出身候補に有効な反論ができなかった。」
渡辺和俊・共産府委員長は「生活第一・不祥事一掃や同和対策完全終結など、相乗り陣営と市民との矛盾は深まったが、一歩及ばなかった」