1月29日、原町、小高、鹿島の合併に伴う南相馬市長選の投開票が行われた。
元原町市長・渡辺一成を自民・公明推薦し、元原町市産業支援センター所長の横山を民主・共産が推薦した。
合併後の新市の基盤づくりを担うかじ取り役を決める選挙で、大型公共事業の進め方などを争点に、一騎打ちとなった。
「平成の大合併」で発足した県内の首長選で選挙戦に突入するのは、05年の二本松市長選に次ぎ2度目。
互いに政党の推薦は受けているものの、「市民党」を前面に打ち出し、市民の支持を得ようと懸命だ。
渡辺は、旧2町の元町長の支持を得て態勢を固める。
横山は、市政の停滞感を打破するために市政刷新を訴える。
両候補は、ともに行財政改革を政策に掲げ、市民参加のまちづくりを訴えた。
選挙戦は、市民を引きつける具体的な訴えができるかどうかに懸かっている。
=開票結果=
当選 渡辺一成 208 無・新 =自・公
落選 横山 178 無・新 =民・共
(投票率65.78%)
=見解=
国政与野党が、それぞれに推薦を出したものの、両者は「市民党」を掲げた。
通常、組織力で勝る与党側が、「国政とのパイプ」を前面に打ち出した選挙戦を繰り広げる。
しかし、今回の自公推薦候補は、あえて、そのような戦術を取らなかった。
両者が「市民党」なら、説得力は現職にある。
さらに、今回、野党候補は、市民の関心を引くような具体的な争点を設定できなかった。
旧原町市長を務めた渡辺に軍配が上がるのは、自然なことのように思える。
しかし、民主党が、自民党の強い相馬地区で候補を擁立し、市民に選択肢を与えたことは、高く評価したい。
次回の選挙では、具体的な争点の設定にも力を入れてもらいたい。
=相馬=
「相馬」も由来は、大名相馬氏による。
相馬氏は下総国より起こり、現在の福島県北東部に国替えとなった。
相馬郡は、宇多郡と行方郡が合併してできたものである。
旧宇多郡は、中村町と10村から構成された。
現在、中村町は、周辺の村と統合し、相馬市となった。
現在の宇多地区は、相馬市と新地町からなる。
旧行方郡は、原町村を含む16村から構成された。
原町・小高・鹿島は、早い段階で町制を施行していた。
昭和の大合併で、原町が周辺を併合し、市政を施行した。
平成の大合併におきて、原町・小高・鹿島が統合され、南相馬市となった。
現在の行方地区は、南相馬市と飯館村からなる。