11月13日、福島市長選の投開票が行われた。
=構図=
【瀬戸】
現職・瀬戸孝則は、県医師会、福島商議所、JA新ふくしまなど有力支持団体からの支援を受けた。
地区後援会は65、企業・団体推薦は300を超える。
前回市長選で自民党県連は、長年にわたり同党県議を務めた瀬戸ではなく、対立候補を擁立・支持。
民主党、連合福島も対立候補についた。
瀬戸陣営は共産・社民・旧自由党の推薦を受け、4千票差で逃げ切っていた。
瀬戸は、自由党と合併した民主党や社民党に対する配慮を見せていた。
自衛隊福島駐屯地のイラク派遣壮行会に代理を立て、衆院選で自民陣営に顔を出さなかった。
また、共産党への推薦願を見送った。
自民の結集より、民主・社民の全面協力と自民の一部を纏めて、市政運営・再選を狙う戦略をとっていた。
【横山】
反瀬戸派の自民党市議は、公募という形を取って、横山俊邦を担ぎ出した。
横山は「改革の自民」を旗印に選挙戦を戦った。
横山事務所には小泉総理のポスターが10枚以上、そして小泉総理、武部幹事長の署名が添えられた「必勝祈願」の文字が並んだ。
持論の広域合併論と共に行革を前面に打ち出し、「改革なら横山」と“小泉旋風”の後押しを狙った。
自民党市議6期。
党福島市総支部長も務め、自らを「ミスター自民党」と称する横山。
県連推薦も決定した。
だが、地区後援会の数は瀬戸の半分程度であった。
=開票結果=
瀬戸 孝則 753 無・現 =民・社
横山 俊邦 353 無・新 =自
山田 裕 66 共・新
法井 太閤 49 無・新
(投票率54%)
現職・瀬戸孝則が、前福島市会議長・横山俊邦らを破り、再選を果たした。
=見解=
瀬戸が圧勝。
「小泉」を掲げていれば、特に都市圏では、どんな候補でも当選した感のある郵政騒動から2ヶ月。
福島の県都で、その熱は冷めていたようだ。
幅広い支持を集めた瀬戸が、「小泉」を掲げた横山を大差で破る。
「他人のふんどしで相撲を取る」という言葉があるが、「小泉ブーム」に限らず、一過性の流行に頼らず、自分を売り込まなければならない。