選挙ブログ

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06長野県知事選

2006-08-06 | 山梨・長野・新潟
 村井仁氏が当選 田中康夫氏敗れる 長野知事選
2006年08月06日

 長野県知事選は6日投開票され、前自民党衆院議員の村井仁氏(69)が、現職の田中康夫氏(50)=いずれも無所属=を破って初当選した。「脱ダム宣言」をめぐって不信任された02年の出直し選で圧勝した田中氏が、県議会や市町村長と対立し続ける中での選挙戦。反田中勢力の受け皿となった村井氏が、県政の停滞を招いたなどとする批判票を集めて支持を広げた。調整型政治を否定、県民の声を直接施策に反映させることから「長野革命」とも言われた田中県政は、2期約6年で幕を閉じた。
 投票率は65.98%で、前回(02年9月)の73.78%を下回った。当日有権者数は175万4738人。
 事前調整なしに政策を打ち上げる強引さで一定の成果をあげてきた田中氏に対し、村井氏は「すべてが知事の意向でしか進まない」などと批判、田中県政の手法そのものが大きな争点となった。
 元国家公安委員長の村井氏は昨年、郵政民営化法案に反対していったんは政界を引退。6月末に同党有力県議らの要請を受けて出馬を表明した。
 自民、公明の県組織に加え、自主投票に回った民主の支持母体である連合長野の推薦を得たほか、ほとんどの市町村長や県経済界の支援を受けて組織票を手堅くまとめた。市町村との対話重視の姿勢や「誠実な人柄」を強調、田中氏からの離反票も取り込んだ。
 当選を決めた村井氏は「この地に生きてよかったと思うことができるような、夢が実現する長野県にしたい。私はそのための捨て石になる」と抱負を話した。
 一方の田中氏は県政運営での強引な手法が00年の初当選に尽力した経済人らの離反を招き、逆風選挙を余儀なくされた。
 冬季五輪開催を機に膨れあがった県の借金を5年連続で減らした財政改革のほか、教育や福祉を充実させた実績を訴えの中心に据えた。「車座集会」で県民と直接対話する姿勢をアピール、無党派層に訴えかけたが以前の勢いを失っていた。
 村井氏を支援したのは、利害は必ずしも一致しないが「反田中」という共通項で結集した勢力だった。県内の建設業界などからも支援を受けた村井氏は「借金返済優先で、必要な公共事業をしてこなかった」と田中知事の財政再建を批判。国が抑制方針を出している特別養護老人ホームの建設促進なども公約に掲げた。今後、幅広い支持者の要望をどう実現するのか、難しいかじ取りが迫られそうだ。

  村井  仁  無・新    612,579     
  田中 康夫  無・現    533,637

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 民主の動向に注目 支持鮮明にする人も /長野

 知事選は終盤となり、政党として県内最大の得票を誇る民主党県連の動向に注目が集まっている。
 表向きは自主投票だが、それぞれの候補に支持を打ち出す人も出ている。
 同党支持層は現職の田中康夫氏の支持層と重なる。
 一方で、民主党の有力支持団体である連合長野は、新人の村井仁氏を推薦する。
 
 東信地方の県議らが先月末、羽田孜氏の後援会「千曲会」の幹部と会談し、村井氏支持を進言した。
 佐藤圭司会長は「自主投票を決めている。組織としては動かない」とする。
 しかし、同会役員の多くは村井氏支持の動きを見せているという。
 
 堀込征雄・前衆院議員が支部長を務める4区。
 塩尻市議の有志は「村井氏を推薦する」という文書を公表した。
 関係者は「次期衆院選をにらんで、連合の支援を得たいのでは」とする。
 
 5区支部長の加藤学氏は田中氏支持。
 2日、箕輪町議らと「いい県をつくろう。民主党有志とみんなの会」を結成し、同党最高顧問の羽田孜氏らあてに田中氏支持を打ち出すよう求めた。
 
 北信の北沢俊美参院議員と、篠原孝衆院議員は表立った動きを見せていない。
 関係者は「篠原氏を支援する6割は田中シンパだが、市議の中には村井氏を支持する人もいる」と解説する。

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 小沢代表:反自公で明言「田中知事に勝ってもらいたい」

 民主党の小沢一郎代表は4日、京都市内で記者団に対し、6日投開票の長野県知事選について「県民の皆さんのご理解を得て、田中知事に勝ってもらいたい」と述べ、現職の田中氏の当選を望む考えを明言した。
 民主党は長野知事選で自主投票を決めているが、投票日直前に党首が特定候補の支持を表明するのは異例。
 田中氏と個人的に親しい小沢氏は、今回の知事選について「田中知事にとって厳しい選挙戦と聞いている。村井さんは無所属でやっているようだが、自民党が中心となって推している候補者だ」と指摘。
 「自公政権ではいけないという人は、どなたでも力を合わせる」と述べ、「反自公」の観点から田中氏を応援する考えを示した。
 また、民主党の鳩山由紀夫幹事長は同日の記者会見で「田中氏の『脱ダム宣言』などの主張は民主党と共通するところがある」と述べ、田中氏支持の考えを示した。

毎日新聞 2006年8月4日

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 村井氏、田中氏が横一線の激戦…長野知事選

 8月6日投開票の長野県知事選について、読売新聞社が行った世論調査に取材結果を加味した結果、村井仁氏と田中康夫氏が横一線に並ぶ激戦を繰り広げていることがわかった。
  自民党県連の推薦を得ている村井氏は同党支持層の5割半ばに浸透、自主投票の民主党は、支持母体の一つの連合長野が支援するが同党支持層からの支持は4割弱。
 田中氏は民主党支持層の4割半ばを固め、自民党支持層からも約3割の支持を得た。
 全体の半数を占める無党派層は、村井氏が約3割、田中氏が4割弱を固めた。
 年代別では、村井氏が60歳代と70歳代以上で4割を超える支持を得た。
 田中氏は20歳代で5割近く、40歳代で約4割、50歳代で4割半ばから支持を得ている。
 30歳代はほぼ互角だった。

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 長野知事選、豪雨禍巡り舌戦

7月24日

 8月6日投開票の長野県知事選で、11人の死者・行方不明者を出した豪雨災害を巡って候補者の舌戦が続いている。
 「防災をしっかりやっていれば、もう少し防げたのではないか」と、元防災相・村井仁氏が県を批判すれば、現職・田中康夫氏も「私たちの行っている砂防、治水は先を進んでいる」と譲らず、「防災」が争点の一つに急浮上した。
 最初の“選挙サンデー”となった23日、村井氏はJR長野駅前で「(田中県政の)6年間、(災害対策は)進んでいなかった」と、「脱ダム宣言」に象徴される田中氏の治水対策をやり玉に挙げた。
 一方の田中氏は、2000戸以上の浸水被害が出た諏訪市から、テレビ会議システムを使って、県の大雨対策会議に参加し、被災地視察に時間を割いた。

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 知事選 選挙サンデー 論戦本格化

2006年07月24日

 選挙期間中、初めての日曜日を迎え、両陣営の選挙運動が本格化した。
 村井仁氏には、自民党県連の会長、小坂憲次文科相がほぼ一日中付き添い、手の振り方まで指南。
 一方、田中康夫氏も午前中こそ被災地の視察など公務に費やしたものの、午後からは防災服から背広に着替え、個人演説会などを精力的にこなした。
 長野市内で革新系団体が多く参加する大会の会場であいさつ回りをしたが「何で村井さんが来るの」と冷たい視線を浴びる場面も。
 同市権堂の商店街では「大きな期待を持って誕生した田中知事がちっとも役に立たない。知事を代えるしかない」と買い物客に訴えた。
 小坂氏は「農協、経営者協会、連合長野の推薦を得た。労働者も経営者も県政を変えたいと思っている」と繰り返した。

 田中氏は午前中、諏訪市内の合同庁舎からテレビ電話で豪雨被害の対策会議に知事として出席した。
 終了後、千曲川周辺の被害視察のため、100キロ以上離れた中野市、飯山市へ北上。長袖の防災服姿で、額には汗がにじんだ。
 午後1時すぎ、飯山市内のコンビニ駐車場で支持者と合流。
 スーツに着替え、車も公用車から支持者の車に乗り換え、「知事」から「候補者」に変身。
 記者団に「公私も含めて、1人の田中康夫ですからねえ」と「ヤッシー節」で答えた。
 同市内の戸狩温泉スキー場では、駐車場に集まった約20人と握手を交わすと、マイクなしで演説を始めた。
 「我々は組織もお金もない。皆さんの志だけが頼り」など、「ウルトラ無党派層」を意識した訴えを繰り返した。
 午後7時半から長野市若槻団地の集会場で開いた個人演説会には約200人が詰めかけ、立ち見も出るほど。
 地域で良質な資産ができるなら財政赤字を過度に恐れる必要はないとする村井氏の主張について「借金が我が家の宝だというお父さんがいたら困るでしょ」などと批判した。

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 現職、前衆院議員の接戦か 

 長野県知事選の告示日が20日に迫った。3選を目指す現職の田中康夫氏と、前自民党衆院議員の村井仁氏の事実上の一騎打ちで、「草の根」と「組織」の3度目の対決だが、過去2回ほど田中氏への追い風は強くなく、接戦を予想する声も出ている。
 村井氏は郵政民営化法案に反対し、05年9月の前回衆院選の立候補を断念。
 政界を離れたが、自民党系県議らの要請で6月末に知事選出馬を表明した。事務所開きを終えていた自民参院議員の長男で公認会計士の若林健太氏も知事選から降り、反田中派は村井氏に結集している。
 自民党県連や公明党県本部、連合長野が村井氏を推薦し、県議や首長の多くが支持を表明。
 セイコーエプソン相談役の安川英昭氏を後援会長に組織作りが進む。
 関係者は「前回と違い田中氏に“風”はない。組織を固めれば勝てる」と自信を深める。
 田中氏は初当選の00年、県職員出身知事が続く県政を批判して初当選。
 02年は県議会の不信任による異例の失職後の出直し選挙と、注目を集める中で追い風を受けた。
 しかし、住民票移転問題などで「手法が独善的」と批判を浴び、就任直後は90%以上あった支持率は50%近くに。
 擁立の中心の一人だった八十二銀行元頭取の茅野実氏が地元紙の意見広告で田中氏を激しく批判するなど、支援者の離反も目立つ。
 前回支援した共産党は自主投票、田中氏が代表の新党日本も前面には出ない。
 ただ田中知事は車座集会など、県内で市民と直接対話する姿勢を続けており、勝手連的な市民の支持は強い。
 勝手連ネットワークの事務局を務める塩尻市議の武居博明さんは「今回は本当の草の根選挙になる」と意欲を燃やす。
 
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 社民県連も自主投票 

 社民党県連は9日、常任幹事会と支部協議会代表者会議を長野市内で開いた。
 事実上の対決構図となっている現職の田中康夫氏、新人で前自民党衆院議員の村井仁氏を対象に議論。
 党として、自主投票とすることを決めた。
 田中氏については、3月の定期大会で「田中県政の下ではこれ以上の改革は進まない」と総括している点や、新党日本の代表であることを理由に挙げた。
 無所属で出馬する意向の村井氏に対しても「自民党の国会議員として活動、党県連会長も務めてきており、自民党と対決する立場から支援できない」とした。
 会議は非公開。中川博司幹事長は、田中、村井氏のいずれかを支援することの是非をめぐりさまざまな意見が出たと説明。
 山口わか子代表は自主投票方針について「辛い判断だった。党として独自候補擁立の努力が足りなかったことを深く自覚している」と述べた。
 県連は、自主投票で臨むに当たっての「共通認識」として、「閉塞した県政に戻さず、県民に開かれた県政を進める」「政策立案過程で議会、市町村、県民の意見を聞き、独善的な手法ではなく、協調して県政を進める」「権力権限の発揮には抑制的であるよう努める」などを挙げた。
 同党は00年の知事選、02年の出直し知事選をいずれも自主投票としている。

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知事選対応は構成団体ごとに 共産党などの県民の会

 共産党県委員会や県労連など三十八団体でつくる「明るい県政をつくる県民の会」は八日、長野市内で団体代表者会議を開き、知事選では独自候補を擁立せず、立候補表明している現職の田中康夫氏、新人で前自民党衆院議員の村井仁氏のいずれに対しても、会としては支持を表明しないことを決めた。
 今後は構成団体ごとに特定候補を支持するかどうかや、選挙運動へのかかわり方を検討する。
 田中氏に批判的な県会会派などが支援することを決めた村井氏に距離を置く姿勢で一致した。
 田中氏に対しては、「改革の前進面は積極的に評価する」と確認。
 同氏への支持を表明すべきだとの意見も出たが、県立高校再編の進め方など「さまざまな弱点もある」として見送った。
 
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「県政、主役は市町村」村井氏が出馬表明

07月01日

 知事選に向け、村井仁氏が30日、出馬を正式に表明した。衆院議員を6期務め、閣僚経験もある保守政治家。
 市町村との関係修復を政策の中心テーマに据え、時に「強権的」と評される田中知事の手法を批判して「私は権力のない知事になりたい」とまで言い切った。
 ただ、「反・田中」陣営の支援態勢は固まり切っていない。村井氏が会長まで務めた自民党県連は、「候補予定者」に決定した公認会計士の若林健太氏への対応が焦点になる。
 現職参院議員の擁立に失敗した民主党は静観の構え、支持母体の連合長野は村井氏推薦の方向という「ねじれ」も見せている。

 ●田中県政批判
 「反田中ではありません。超田中です」
 村井氏は、田中知事に代わる候補としての期待を背負った自らのスタンスをこう評した。
 「知事の決断にすべてが委ねられている。県知事閣下の前に平伏する状況は結果的に吉村県政と同じ」「県政の主役は県民ではなく田中知事」と現状を批判し、「市町村、地域が主役の県政をやりたい」とし、「私は権力のない知事になりたい」と言い切った。
 また、田中知事のもとで「県庁組織の機能低下」を訴える声を意識し、「行政のプロ、組織を動かすプロとして人生のほとんどを送ってきた」と、通産官僚出身で、第1次小泉内閣では防災担当相・国家公安委員長を務めた実績をアピールし、作家や市民運動家として活動してきた田中知事との違いを強調した。

 ●市町村長と会議提唱
 田中知事のもとで悪化している市町村との関係修復に乗り出す考えを、繰り返し強調。「市町村に、本当の権限を譲るためにありとあらゆる努力をする。地域の独自性の強い長野県だからこそできる。地方自治のあり方に一石を投じたい」と意気込みを披露した。
 ただし、具体的な政策課題には言及せず「地域が何を求めているかをうかがってから始まる」と述べるにとどめ、「市町村長と知事が課題を議論する」場として81市町村長による常設的な会議の設置を提唱した。


 無所属で出馬することを明言した。自民、民主両党のほか、各政党へも支援を要請する方針だ。
 自民党県連は、同党所属の若林正俊参院議員の長男で公認会計士の健太氏を公募で「候補予定者」に選んでいるが、自ら反田中勢力の「一本化」に向け、調整に乗り出す可能性も示唆した。

 村井氏の政党の支援態勢は今のところ、固まっていない。

 自民党県連の中には、党の推薦を模索する声が出ている。
 県連は公募で若林氏を「候補予定者」に選んだが、募集要項にある「最終的な候補者は各党派等と連携の中で決定される」との記述や、「考える会」が村井氏に出馬要請したことを根拠にして、村井氏支援にシフトするという動きだ。
 公募結果を翻す事態になれば、県連内部の批判も予想される。

 若林氏は30日の記者会見で、先手を打つ形で牽制した。「公党として候補予定者に私を決めて頂いている。これが環境によってくつがえるということは、なかなか難しいのではないか」

 一方、民主党は静観の構えを崩しておらず、3度目の自主投票となる公算が大きい。
 民主党の支持母体である連合長野は、村井氏を推薦する方向だ。

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 橋本氏擁立を断念/知事選
05月27日

 8月の知事選で、日銀仙台支店長(前松本支店長)の橋本要人氏の擁立を目指していた3市民団体が26日、長野市内で記者会見をし、擁立を断念すると発表した。25日に同氏から「要請があっても出馬しない」と断る電話があったという。
 上田市の「けやきの会」(代表・湯本清弁護士)、松本市の「輪の会」(代表・石曽根清晃弁護士)、長野市の「空会」(代表・長尚・元信州大工学部教授)。
 湯本弁護士らは「脱田中の候補者」として橋本氏に昨年10月から立候補を働きかけ、今月21日に仙台市で同弁護士が初めて立候補を打診。「このときは熱心に耳を傾けてくれた」(同弁護士)といい、27日に、3団体として出馬要請することを正式に決める予定だった。
 橋本氏は取材に対し「長野県は論理性を尊重する風土なので出馬の可能性を考えたこともあったが、今の状況は論理性も何もないぐしゃぐしゃ。私にはまとめる自信がない。新しい長野県を作ろうと、県民が気持ちをひとつにすることが大切ではないか」と話した。

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 首長選「与党と相乗りはしない」 統一選向け民主方針
05月23日

 民主党は22日、今後の知事選と政令指定都市の市長選で、与党と同じ候補を推薦・支持することは原則としてしない方針を決めた。小沢代表、菅直人代表代行、鳩山由紀夫幹事長の3者会談で確認したもので、来年の統一地方選に向けて地方でも与党との対決色を鮮明にし、参院選につなげる狙いがある。
 菅氏は会談後、東京都内で開かれた党所属地方議員の研修会で講演し、「自民党と相乗りという形では、民主党の姿が有権者に見えにくい。民主党中心の候補者を擁立することを目指してほしい」と呼びかけた。鳩山氏もこの研修会で「頑張っている地域には財政的な支援を約束する」と述べた。
 鳩山氏はすでに、7月20日告示の長野県知事選で自民党との相乗り候補として地元で名前が挙がった民主党の国会議員2人に対し、立候補しないよう求めた。

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 05月21日

 田中康夫知事以外の候補者擁立で中心的役割を果たすと見られてきた「輝く明日の長野県を考える会」(代表世話人=近藤光・連合長野会長ら)は同日、会として推薦する候補者を絞り込めなかったことを明らかにした。
 候補者については「民主党の国会議員」「有力な前衆院議員」が有力候補になりうるとの見方を示すにとどまった。
 背景には、自民、民主両党の思惑のずれが垣間見える。
 考える会は当初、菅谷昭・松本市長の擁立でほぼまとまっていた。だが、今月連休明けの記者会見で菅谷氏が立候補しない意向を表明した後、会内部の議論にほころびが見え始めた。
 同会は民主党の篠原孝衆院議員の擁立を検討したが、本人の意思が固まらないことなどから調整は難航。公表直前には、民主党の羽田雄一郎参院議員、元副知事で総務官僚の阿部守一氏、村井仁・前衆院議員らの名前が挙がったが、1人に絞り込めなかった。
 「自民党と民主党の考えの違いに尽きる」。考える会の調整が不調に終わった理由を、ある自民党県議はそう話す。近藤会長の出身母体の連合長野は民主党の支持団体。一方、もう1人の代表世話人である見藤隆子・日本看護連盟会長は自民党員だ。
 近藤会長は「両党が乗れる候補の擁立」を目指し、自民、民主両党の県連幹部とも折衝を重ねた。だが、民主党国会議員には自民党側からの反発が、中央官僚には民主党側の反対があり、調整がつかなかった。見藤氏は「1人に絞ろうとすると、政党や個人の思惑が出てくる。議論が詰まってくると結構厳しい」と話した。
 また、近藤会長は、他の団体が推す総務省課長の務台俊介氏と日銀仙台支店長の橋本要人氏については「考える会の方向性の中にはない」と明言した。
 考える会は今後、メンバー15人全員の会合は持たず、代表世話人を中心に候補者選定にどうかかわるかを検討するという。
 今後の候補者選びは「いよいよ政党の出番だ」(別の自民党県議)との声がある。民主党は知事選への積極的関与を掲げながらもこれまでは静観してきた。一方の自民党は「前面に出るべきでない」として水面下の動きに終始している。近藤会長は「政党がある程度の役割を果たすことが求められる」と話した。
 現職の田中知事は出馬するかどうかの態度を明らかにしていない。19日の会見で、田中知事は一本化へ向けた動きを「競馬のレースのような話」としている。

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 田中知事を支持せず--県労組会議方針 /長野

 自治労県本部などでつくる「県労組会議」(飯田敬次議長)はこのほど、今夏の知事選で、田中康夫知事が立候補しても支持しない方針を決めた。同会議は00年の知事選で自主投票としたが、02年の「出直し知事選」では、弁護士の長谷川敬子氏を支持している。
 17日の幹事会で方針を決めた。喜多英之事務局長は「候補擁立などには積極的にはかかわらないが、どの候補者を支持するかは、今後の状況を見て検討したい」としている
4月21日朝刊
(毎日新聞)

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民主県連 知事選に独自候補も 

 民主党県連の北沢俊美幹事長は25日、長野市で開いた常任幹事会後の記者会見で、今夏の知事選について「県会などと知事の対立構図が強まっている」とした上で「不毛な対立の中では有力な候補は出てこない。対立を超えた第三の道を探れという要請があれば、党県連として候補者を真剣に検討しないといけない」と述べ、県連主導で独自候補を擁立する可能性に言及した。
 北沢氏はまた「個人的な意見」として「選挙まで時間がないので(擁立の可能性があるのは)党県連の若手国会議員に限定されてくる」と述べた。
 知事選をめぐっては、同党の支持団体である連合長野の近藤光会長が「個人的立場」で代表世話人を務める「輝く明日の長野県を考える会」が、5月の連休明けまでに田中知事に替わる候補を擁立したいとしている。
 これについて北沢氏は「その候補が(改革を後戻りさせないなど)党県連が目指す知事像に合致しなければ、(県連が)きちんと対応しないといけない」とも述べ、「考える会」とは一線を画す可能性も示唆した。