やおよろずの神々の棲む国でⅡ

〝世界に貢献する誇りある日本″の実現を願いつつ、生きること、ことば、子育て、政治・経済などについて考えつづけます。

小学校国語の授業 続報

2009年10月26日 | 教育2 国語・日本語教育

 小学校国語の市販テストのレベルの低さについての実験の続報です。《前回参照》

 ※「市販テスト」=教材会社などが作ったテスト。「市販」と言っているが市販はされておらず、実際は学校出入りの教材専門業者から学校(学級担任など)が買ったもの。代金は保護者が払っている(=保護者から集めた「学級費」で払う)。
 学校では「自作テスト」に対応させて「市販テスト」と呼んでいる。
 小学校では、自作テストを作る時間がなかなかとれないため、数十年前からほとんどの教員が「市販テスト」を買って使っている。なので、おそらく、今の小学校教員では「国語の自作テスト」をきちんと作ることのできる者は少数しかいないと思う。算数や理科、社会は時間さえあればほとんどの教員が自作することができるだろう。

■条件



・教材:「ビーバーの大工事」(ノンフィクション=「説明文」) 
・学級:前回と同じ2年○組26
・実験方法:前回と同じ =学習(授業)の前半と後半の学習法を変えて、同じ
市販テストを前・後半の2回実施して、学級平均点の変化を見る。
・結果:前半 ほぼ音読だけしたあと1回目のテスト実施。  学級平均 87.2点
    後半 要約学習などをしたあと同じテストを実施。 学級平均 97.5点

 やはり《ほぼ音読だけの授業でも、読み取りについての今の市販テストでは、学級全体としては、ほぼ合格点(上記の87.2点)がとれる》ことがわかった。 ← 前回(「物語文」)も今回(「説明文」)も同じような結果なので、これで結論を出してもいいでしょう。

 読者の皆さん、決して誤解しないでくださいね!

 筆者が結論として言っているのは《今の教科書と市販テストのレベルならば、多くの児童は、主体的に音読をすればほぼ文章理解ができる、ということが検証できた。》ということであって、「国語の授業は音読をしさえすればよい」とは言っていません

 筆者が次に言いたいのは、《先生たち、音読だけで合格点がとれるような市販テスト、の評価ではなく、もっとレベルの高い授業・評価をめざしましょうね。》ということです。



 
追伸)インフルエンザの状況
佐賀県では、この1週間ほどは、小中高生約10万人のうち毎日ほぼ1000人が新しく罹患(病院で診断)している。
唐津市では、ここ数日は、小中学生約1万2千人のうち毎日ほぼ100人が罹患。
どちらも、そろそろピークが近いと思う。この状況がいつまで続くか要注意・要観察!

本校は今日、久しぶりに1名の罹患者。通算2人目。また、明日からしばらく、校内感染・拡大の阻止作戦に入る!

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